日本マクドナルドホールディングス(2702)の株価が急騰しています。2017年5月10日に発表の第1四半期決算で既に前期通期に近い利益を計上し、さらに通期計画の上方修正も発表されました。

思わぬサプライズに市場は株価上昇で応じており、株価のテクニカル分析から見ると公募価格の4,300円や最高値である5,080円が今後の株価のポイントになると予想されます。

5月に入り急騰する日本マクドナルドHD株

2016年以降、着実な株価上昇を見せていた日本マクドナルドHD(以下、マクドナルド)ですが、5月に入り株価はさらに急騰。3,500円近辺で推移していた株価が一気に4,000円近辺の水準にまで上昇しています。

これは、5月10日に発表された2017年度第1四半期の業績好調を受けての上昇ですが、2016年7月の急騰時に付けた3,875円をも上回る株価となっています。

個人株主が優待券目当てで株を購入し、株価が下がっても株を売らないことなどが指摘されるマクドナルド株ですが、ここに来ての株価上昇にホクホク顔の個人株主も多いのではないでしょうか。

業績も復活しつつあり、期初計画を上方修正

2014年、消費期限切れの鶏肉問題を契機に経営不振に陥ったマクドナルドですが、業績的にも立ち直りを見せ始めています。直近3期分の業績推移は下記の通りです。

2014年12月期 売上高2,223億円、経常利益▲79億円、当期純利益▲218億円
2015年12月期 売上高1,895億円、経常利益▲259億円、当期純利益▲349億円
2016年12月期 売上高2,266億円、経常利益66億円、当期純利益54億円
2017年12月期(会社による業績見通し) 売上高2,460億円、経常利益150
億円、当期純利益145億円

注:親会社株主に帰属する当期純利益または当期純損失をそれぞれ当期純利益、当期純損失と表記

鶏肉問題発覚以降、2014年12月期・15年12期と2期連続で大幅赤字を計上したマクドナルドですが、2016年12月期は通期で黒字化し、経営状況は落ち着きを取り戻しつつあります。また、2017年12期は増収増益を計画しています。

さらに、5月10日に発表された2017年12月期第1四半期(Q1)決算では、売上高610億円、経常利益64億円、当期純利益76億円と、Q1で既に2016年12月期通期の経常利益に迫る利益を計上しており、マクドナルドの復活がいよいよ現実のものとなっています。

こうした好調なQ1の数字および予想決算の上方修正は思わぬサプライズとなり、マクドナルド株の急騰の背景となっています。

公募価格4,300円と最高値5,080円がポイント

マクドナルドの株価は既に2016年7月の高値を上回り、5月25日には一時4,000円にも乗せることに成功していますが、4,000円の先には4,300円、5,080円という株価ポイントが存在しています。

マクドナルドがIPO(株式上場)したのは2001年7月と、ITバブルの後半の時期でした。IPO時のマクドナルド株の公募価格は4,300円、IPO直後に5,080円という高値を付けた後は、2008年10月に1,291円の安値を付けるまで下落が続いていました。

現在ようやく4,000円付近の株価水準にまで戻りましたが、今後株価上昇の場合は公募株価4,300円と最高値5,080円が意識される展開が予想されます。株価的にはようやく公募価格回復が見え始めている状態になっていると言えるでしょう。

マクドナルドホールディングスの過去5年間の株価推移

まとめ

業績の回復とともに株価も上昇し、公募価格の回復も射程に入って来たマクドナルド。同社の店舗に行くと、以前と比べ活気が戻ってきたように感じる方も多いのではないでしょうか。

マクドナルドは業績の回復により、2001年のIPO時の公募価格回復、さらには最高値更新を目指すこととなるのか、今後の業績と株価の行方に注目したいと思います。

LIMO編集部