50代の専業主婦や主夫が投資に悩んでいるのはなぜ?

投資成果を上げるための第一歩とは

フィデリティ退職・投資教育研究所では、2016年7月に第3号被保険者1万1952人に老後資産準備と投資に関するアンケート調査を行いました。そのなかから「投資に悩める50代主婦・主夫」の姿をご紹介します。

50代専業主婦または主夫の4人に1人が資産運用

20-59歳の第3号被保険者、いわゆる専業主婦または主夫の皆さんのうち15.2%、1817人が「自身で投資を行っている」と回答しています。このうち50代に限ってみるとこの比率は実に22.1%に達します。

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特に50代後半の人だけみると24.9%と4人に1人が投資を行っている状況です。非常に多くの50代の方が投資を体験されているのですが、必ずしもその成果に満足しているわけではないようです。

投資を行った50代の方の投資目的は、その6割が「老後の生活資金」と回答しており、20-30代の方の2倍程度に増えています。子どもの教育資金需要は峠を越え、配偶者の退職年齢が近づいてくることで自身もその準備のために資産形成をしておく必要をひしひしと感じているのでしょう。

あまり成果が上がっていない様子

しかし、投資という言葉に対するイメージは、実際に投資をしているにもかかわらず、あまりポジティブではありませんでした。

投資のイメージを「前向き」「楽しい」「儲け」「明るい」「リスク」「ギャンブル」「損失」「怖い」の8つのなかから選んでいただくと、前者4つのポジティブなイメージの合計比率は29.5%と、20代の55.8%、30代の43.7%、40代の41.3%と比べ非常に低いことがわかります。これは投資成果がなかなか上がっていないことを示しているようです。

本来、より良い投資成果を求める際に専門家のアドバイスが参考になるのですが、50代の6割強は相談相手がなく、「自分たちだけ」で対応するか「夫婦以外の家族」「知人・友人」に相談するにとどまっています。

ファイナンシャル・プランナー(FP)など専門家に相談している人の「投資のイメージ」は37.5%がポジティブでしたから、身内しか相談相手がいないことが投資成果につながらない理由かも知れません。

投資の3原則は力強い味方

もちろん、FPを活用するといっても「自分に合った専門家を選ぶこと」から始めなければならず、簡単ではありません。

そこで、FPに相談するつもりになってまずは投資理論の基本、すなわち長期投資、分散投資、時間分散を理解することから始めてはどうでしょう。

ちなみに、50代専業主婦または主夫のうち、「長期投資が有効だ」と理解している人の「投資に対してポジティブなイメージを持つ人の比率」は35.5%と相対的に高く、「分散投資を有効だ」とする人も32.4%、「時間分散を有効だ」とする人も37.1%と高くなっています。

ちょうど今年から専業主婦または主夫の方も個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)に加入できるようになり、少額投資非課税制度(NISA)とあわせて資産運用の選択肢が広がりました。

どちらも時間分散を可能にする積立投資ができる非課税投資制度ですから、ここで少し長めの投資期間を想定し、資産の分散を心掛ければ「長期投資」「分散投資」「時間分散」を内包する投資ができるはずです。

投資をしている50代専業主婦・主夫の「投資」という言葉に対するイメージ

出所:フィデリティ退職・投資教育研究所、第3号被保険者アンケート、2016年7月

注:第3号被保険者のうち投資をしている50代は725名。ポジティブは投資という言葉のイメージで「前向き」「楽しい」「儲け」「明るい」と回答した人の合計比率、ネガティブは同「リスク」「ギャンブル」「損失」「怖い」と回答した人の合計比率。

フィデリティ退職・投資教育研究所 所長 野尻 哲史

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野尻 哲史
  • 野尻 哲史
  • フィデリティ退職・投資教育研究所
  • 所長

国内外の証券会社調査部を経て、2007年より現職。アンケート調査をもとに個人投資家の資産運用に関するアドバイスや、投資教育に関する行動経済学の観点からの意見を多く発表している。
日本証券アナリスト協会検定会員、証券経済学会・生活経済学会・日本FP学会・行動経済学会会員。
著書には、『老後難民 50代夫婦の生き残り術』、『日本人の4割が老後準備資金0円』(講談社+α新書)や『貯蓄ゼロから始める安心投資で安定生活』(明治書院)などがある。
調査分析などは専用のHP、資産運用NAVIを参照