カセットテープは新しい? 懐かしい? 「アナログ」ブーム拡大

レコードプレーヤーやフィルムカメラも。アナログに商機あり

Ned Snowman / Shutterstock.com

「懐かしさ」と「新しさ」でカセットテープが人気

ここ数年、カセットテープが人気だそうです。大手CDショップの中には、カセットテープコーナーを設けるところもあります。都内には中古カセットテープの専門店も新しくオープンしています。

背景には「ラジカセ」世代の懐かしさによるものもあるでしょう。1979年にソニーのポータブルカセットプレイヤー「ウォークマン」が発売されると、渋谷や原宿で、ウォークマンで音楽を聴きながら歩くのが若者にとってあこがれとなりました。

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レンタルレコード店でアルバムを借りてきて、好きな曲だけを選んだオリジナルカセットを作るのも楽しかったものです。

ところが最近では、そのような世代ではなく、10代、20代の人たちにカセットテープで音楽を楽しむ人が増えているとか。カセットテープならではのアナログな音を新しいと感じているようです。

欧米では今でも、新譜をカセットテープで発売するミュージシャンが多いようですが、国内でも、ユニコーン、松田聖子、大貫妙子らが数量限定ながら、カセットテープ版を発売しています。TUBEも6月に発売するミニアルバムをカセットテープ版で同時発売するそうです。

レコードやレコードプレーヤーにも新商品が続々

「ノーマルポジション」、「ハイポジション(ハイポジ)」、「メタルポジション」というキーワードを懐かしく感じる人は、カセットテープにせっせとラジオ番組やレコードを録音していた人でしょう。

今では、スマホであっという間に曲がダウンロードできますが、当時は手間も時間もかかりました。

そのアナログの手間をも楽しもうという人が増えています。音楽では、カセットテープに加えてレコード人気が再燃しています。古いレコードだけでなく、新譜もよく売れているそうです。

さらに、注目すべきは、カセットテープ同様に若い世代の人たちの間に、レコードを「新しい」と感じて購入する人が増えていることです。このため、レコードプレーヤーも売れています。

国内外のオーディオメーカーもレコードプレーヤーの新モデルを発売しています。パナソニックはこの5月、「テクニクス」ブランドの新しい高級レコードプレーヤーやデジタルアンプ、スピーカーシステムなどを発売しました。高級オーディオブランド「テクニクス」は、2010年に生産終了していましたが、2014年に復活しています。

ちなみに、最近のレコードプレーヤーは、USB経由でスマートフォンなどに録音できたり、Bluetooth送信機能を備え、Bluetoothスピーカーやヘッドホンを使ってワイヤレスでアナログレコードを楽しむことができたりするものもあります。

手間がかかるから面白い、アナログ写真の魅力

アナログならではの手間がかえって楽しいと人気が出ているのが写真です。スマートフォンで写真が簡単に撮影できるようになりましたが、あえて、フィルム(銀塩フィルム)のカメラで撮影する人が増えています。

中でも、10代から20代の女子に人気なのが、富士フイルムの「写ルンです」です。アナログならではの味のある写真が撮れるのが魅力だとか。撮影した写真をカメラ量販店などで現像し、データ化したものをスマホなどに取り込んで、インスタグラムやツイッターなどのSNSに投稿しています。

富士フイルムの商品でもう一つ人気なのが、インスタントカメラ「チェキ」です。撮影したその場で写真がプリントアウトできる手軽さが受けています。プリントアウトした写真にメッセージやイラストを描き込み、それをさらにスマホで撮影してSNSに投稿するという女子が多いようです。

いずれも、あえて面倒な作業をするところが新しい楽しみ方といえそうです。「アナログ」ビジネスがさらに拡大しそうです。

下原 一晃

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下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。