1年半ぶりに2万円を突破した日経平均株価

6月2日、日経平均株価はちょうど1年半ぶりに2万円の大台を突破しました。

それにしても、1年半もの間、2万円は本当に大きな壁となっていました。その間、何度か2万円に迫る場面もありました。

特に、今年5月16日には2万円まであと1円51銭まで迫りながら、“一時退却”を余儀なくされています。“近くて遠い節目の2万円”というところでしょうか。しかし、それから約2週間で遂にリベンジを果たしたのです。

大台を付けた今後の行方は? 強気論と慎重論が交錯

しかし、多くの個人投資家にとって気になるのは、2万円を付けた今後の行方です。

このまま上値を追っていくのか、それとも、大台達成による“燃え尽き症候群”になるのか。そして、ここでいったん利益を確定するべきなのか、それとも、慌てずに保有し続けるべきなのか。さらに、今からエントリーする(新規に買う)ことはできるのか。2万円の大台突破がやや唐突に訪れたこともあり、こうした悩みは尽きません。

実際、株式市場関係者の間でも、強気論と慎重論が交錯しているようです。それを裏付けるように、大台を突破して以降、現在は2万円を挟んだ揉み合いが続いています。

日経平均株価の過去6か月間の推移

相場が揉み合っている今こそ吟味したい相場格言

さて、こうした時に役に立つかもしれないのが、「相場格言」です。相場格言はあくまでも格言であり、常に正しいとは限りません。しかし、昔から株式相場に伝え残る格言には、先人たちの経験と知恵が凝縮されています。

節目の2万円を達成した今、改めて吟味しておきたい7つの格言を選んでみました。

買いは安い日に限り、売りは高い日に限る

株式投資としては至極当然のことなのですが、今回のように急騰した場合、“乗り遅れたくない”という不安に駆られて高値で買うことがよくあります。また、その逆の、急落した時に安値で売ることも同様です。兎にも角にも、冷静になることが重要です。「買いは三日待て」という格言も有名です。

弱気一色は買い信号

これは、株式市場が弱気一色ならば最高の買いチャンス、という格言です。証券会社のレポートやメディアで報道される“今後の見通し”のような記事で、弱気の意見や悲観的な観測が圧倒的に多くなると、それは「買い」のシグナルということがよくあります。同じように、その逆である「強気一色は売り信号」も同様です。今回は特に、後者の「強気一色は売り信号」に注意すべきかもしれません。

利食いは腹八分

今回の大幅上昇で、以前から保有していた銘柄に利益(含み益)が出た個人投資家も少なくないと推察されます。この格言は、“大きな利益があるのにもっと大きな儲けを”と売り損なうのはもったいない、満腹を避けて腹八分で収めようという意味です。平たく言えば“欲張るな”ということでしょうか。そして、この中には、天井で売ることは非常に難しいこと、強欲は禁物であることなどが含まれています。

出直り相場に逆らうな

不振だった株価が、長期低迷から上昇トレンドに転換した相場を「出直り相場」と言います。この格言は、こうした出直り相場では売ってはいけないということを指します。今回の2万円超えが「出直り相場」なのかどうか判断が難しいところですが、1年半も2万円割れが続くと、疑心暗鬼に陥っている投資家が多いのは事実でしょう。出直り相場では、こうした慎重な投資家が売りスタンスになり、その売りを待っていた新たな参加者が出てくることで、上昇相場が続くという見方もあります。

休むも相場

今回の2万円超えが上昇相場の過程なのか、それとも、終着点なのか判断がつかない投資家も多いはずです。いや、まだ誰にも判断できないのかもしれません。株式投資で重要なことの1つは相場のトレンドを読むことですが、それが分からない時は、無理をして売り買いすることは危険です。そういう時は、休むことも必要なのです。「休む」一方で、次の投資戦略を立てることも立派な投資行動と言えましょう。

天井三日、底百日

一般的に、株価は底値圏での横ばい期間が長く、天井圏では極端に短いことを示した格言です。今回の株価上昇により、いきなり高値圏まで駆け上がった銘柄も少なくありません。そのように急騰した銘柄に飛び付くのは非常にリスクが高いと言えます。また、この格言は、銘柄への投資を行う前に中期的な株価チャートを確認するべきということも意味します。現在の株価ポジションをしっかり確認することが重要です。

買い遅れたときはただ買い場を待つべし

今回の株価上昇局面で、“しまった!買いそびれた”と忸怩たる思いを強くしている個人投資家も多いでしょう。これはよくあることです。ただ、慌てて追いかけると高値掴みになることも少なくありません。一番有効な投資行動は、まさしく、次の買い場を待つことだという意味の格言です。ただ、その一方で「押し目待ちに押し目なし」という、ある意味で全く逆の有名な格言もあります。合わせて注意した方がいいでしょう。

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いかがでしたか。今後の相場の動きが気になるところですが、先ずは冷静になって見極めることが必要そうですね。

また、これから国内外でも様々な政治経済イベントが予定されています。重要イベントの動きにも目を向けながら、こうした相場格言を吟味してみたいものです。

LIMO編集部