日経平均は終値ベースで2万8000円台を回復

2022年11月11日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比817円47銭高の2万8263円57銭となりました。終値ベースで2万8000円台を回復するのは2022年9月13日(2万8614円)以来およそ2カ月ぶりです。

2022年11月10日に発表された米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことから、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めペースを緩めるとの見方が広がり、10日の米株式相場は大きく上昇しました。

その流れを受けて日本株も連れ高となりました。東証プライムの売買代金は4兆8749億円と商いも活況でした。

今週の動きはどうなるでしょうか。

足元では米国の高インフレと、その対策としての金融引き締めが続き、市場は軟調に推移していました。ただ、ここにきて、弱気相場も終わりに近づいていると期待する声も出始めています。

CPIの上昇率が市場予測を下回ったことなどから、高インフレが落ち着き、それに伴ってFRBが利上げペースを減速させるのではないかという見方も広がっています。

実際に、これまでFRBは4会合連続で政策金利を0.75%引き上げてきましたが、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では上げ幅を0.5%に縮めると予想されています。

2022年11月11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比32ドル49セント高の3万3747ドル86セントで終えています。前日に1200ドルあまり上昇したことから利益確定売りも出ましたが、底堅い動きでした。

これまでであれば大幅上昇した翌日は大幅下落する「往って来い」のような動きになることが多かったのですが、風向きが変わってきたようにも思えます。今週、日本株も堅調な展開になることが期待されます。

国内では為替市場の大きな動きにも注目したいところ。CPIの発表後、円相場は2022年11月10日~11日の2日間で7円も上昇しました。これまで大幅な円安が進んでいたことから、輸出関連企業などがその恩恵を受けて増益となっていました。

ただし、中には実際は減益なのに、為替の影響だけでそうなった企業も少なくありません。今後円高傾向になると、逆に下方修正する企業も出てくるでしょう。しっかりと稼いでいる企業を見極めたいところです。