日経平均株価が反発、重要イベントには大きな影響を受けず

2017年6月9日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より104円00銭高の20,013円26銭円となり、4日ぶりに2万円台を回復しました。

先週、1年半ぶりに2万円を超えたものの、今週は2万円を挟んで小幅に拮抗する動きとなりました。特に6日には終値が2万円を割り込んだことから、再度2万円に上値を抑えられるのではないかと懸念されましたが、8日までの下げ幅は70円程度にとどまりました。

今週は重要イベントが相次いだことから、投資家も様子見だったようです。8日はトランプ米大統領のロシアとの関係を巡る疑惑に対する、コミーFBI前長官の議会証言が行われました。同日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開かれ、さらに英国総選挙も行われました。

イベントが重なったことから、「トリプル・サーズデー」とも言われ注目されましたが、いずれのイベントも大きな波乱なく通過しました。英国の総選挙で与党が過半数割れとなったのは、メイ首相にとっては想定外だったかもしれません。ただ、ポンド相場が下落したことで株価が上昇するなど、投資家はおおむね冷静で大きなショックにはなっていないようです。

来週以降の展開はどうなるでしょうか。米株は引き続き好調です。9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、1週間ぶりに過去最高値を更新しました。為替相場でもリスクテイクの動きが強まり、9日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、1ドル=110円30~40銭で取引を終えています。日本株にとっても追い風といえそうです。

来週は13日~14日に、米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。追加利上げは織り込み済みとされますが、年内にさらに利上げがあるのか、あるいは打ち止めになるのか、イエレン議長やFOMCメンバーの今後の見通しが注目されます。国内では、15日~16日に日銀金融政策決定会合が行われます。

2万円台を付けた後、「上昇一服」となり高値圏でもみ合う

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初から軟調に始まりました。5日は短いローソク足となって、「上昇一服」を予感させました。実際に6日には長い陰線となりました。

チャートの形としてはここから一気に下落するパターンもあるのですが、7日には実体の短いローソク足になって踏みとどまりました。8日、9日も、小幅な動きとなりました。結局、今週は高値圏でもみ合うような動きでした。

上昇トレンドラインにサポートされた形。目線は上に持ちたい

今後の動きはどうなるでしょうか。チャートの形は強気を示しています。5月16日の高値(19,998円)を抜けたことで、チャートには4月17日の安値と5月31日の安値を結ぶ大きな上昇トレンドラインが形成されていました。

今週はまさに、そのトレンドラインまで押されてそこから反発するパターンとなりました。これまで何度か下値サポートラインとなっていた25日移動平均線に達する前に反発しているのは頼もしいところです。

25日移動平均線、75日移動平均線ともに上昇しており、2つの移動平均線がゴールデンクロスを形成しています。

週末に、心理的な節目である2万円を終値ベースでも超えたことや、6月1日の窓を埋めたあたりにも安心感があります。

今後の上値のめどとしては、まずは6月2日の高値(20,239円)となります。ここを抜けると、意識される節は2015年6月24日の高値(20,952円)ぐらいしかなく、上昇が加速することも期待できます。

下値のめどとしては、トレンドラインのチャネルの下限である19,000円や、25日移動平均線の19,850円あたりになります。

下原 一晃