年収1,000万円というのは多くの人にとって1つの目標かもしれません。また、貯金1,000万円という目標を持つ場合もあるでしょう。しかし、フローである年収以上に、ストックである貯蓄の目標を達成するのは短期では難しいと思われます。貯蓄は積み重ねという側面もあり、その人の考え方や習慣が関係してくるからです。

そこで今回は、貯蓄の目標をはばむ習慣について考えてみたいと思います。

年収1,000万円は全人口の4%

年収1,000万円は、社会人となって専門性のあるスキルを獲得したり複数の部下を管理するようなポジションになれば絶対に無理という条件ではありません。国税庁の調べによれば、年収1,000万円超の人は全人口の4%程度なので、決して多くの人が手にできる水準とは言えませんが。

貯金をゼロから1,000万円貯めるのも、多くの人にとっては容易なことではないでしょう。もちろん、親から相続した資産があるとか、親と同居しているので家賃や食費がかからないという理由で「意外に簡単に貯まった」という方もいるかもしれません。

その一方で、社会に出て親元を離れて暮らすと、家賃や食事などを中心に出費がかさむのは多くの人が経験していることだと思います。

貯蓄の最大の敵は「自分へのご褒美」

関西の有名私立大学を卒業後、大手企業に就職をし、その後転職して関東で仕事を続けている40代のA子さんも思うように貯蓄ができないタイプの1人です。就職先は誰もが知っている企業で、給与面の条件が悪く貯金ができなかったというわけでもないようです。

そのA子さんに貯蓄が思うようにできない理由を聞くと、意外な習慣が邪魔をしているようです。

「普段必死で節約すれば数百万円程度の貯金はできます。ただ、貯金を頑張れば頑張るほど、そのストレスからどうしても自分へのご褒美を買ってあげたくなる」

節約をするにも、生活を切り詰めすぎると、ある程度の目標を達成したとたんその反動が来るといいます。

「少し高価な時計を買ってみたくなったり、仕事にも使うからという自分への言い訳を考え、値の張るパソコンに買い替えてみたくなったり、なんだかんだで30万とか50万円を一度に使ってしまうのです」

こうして、やや高価な出費が一時的に増える局面があるといいます。ようやく数百万を貯めることに成功しても「3歩進んで2歩戻る」というような経験を何度も繰り返しているようです。

1,000万円貯めるには?

では、1,000万円貯めるのにはどうしたらよいのでしょうか。

仮に、10年間で貯めるという計画を考えてみましょう。そのためには1年で100万円、つまり月額9万円程度の貯蓄を120か月にわたって続けなければなりません。

これは、社会人になりたての状況では厳しいというのが現実ではないでしょうか。また、結婚して家族が増える段階においても容易ではないでしょう。

貯金をするのには、収入が短期的に変わらないのであれば出費を減らして貯蓄に回す、あるいは収入を増やして貯蓄への割り当てを増やす、大きくはこの2つしか方法がありません。

ただ、前出のA子さんのように、出費を切り詰めると日常生活にストレスがかかり、衝動的に「自分へのご褒美」のために出費してしまうことにもなりかねません。よって、この2つの選択肢であれば収入を増やすという選択に現実味がありそうです。

こういうと、「このご時世、そんなに簡単に収入が増えるはずがない」という指摘も多いでしょう。

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