大阪人のソウルフード「551蓬莱」が東京進出しないのはなぜか?

大阪にこだわる蓬莱が示す外食企業の生きる道

大阪の食といえば、たこ焼きやお好み焼きを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、「551蓬莱」の豚まんの存在抜きに大阪の食を語ることはできません。

大阪人にとっては豚まんの味とともに、心の原風景ともなっている551蓬莱。そんな蓬莱が東京に進出しない理由を探ると、外食産業の1つの在り方が見えてくるように思います。

東京に進出しない2つの理由

たこ焼き、お好み焼きと並んで大阪人のソウルフードである551蓬莱の豚まん。大阪のターミナル駅には必ず店舗があり、店はいつも繁盛しています。その豚まんの餡はジューシーで何とも言えない旨さ。関西出身者以外でも病みつきになる方が多いのもうなずけます。

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この豚まんを製造販売している株式会社蓬莱は、頑なに大阪にこだわっている企業としても知られています。では、551蓬莱が東京進出をしない理由は何なのでしょうか。

地元大阪へのこだわり

現在の551蓬莱の前身は1945年(昭和20年)に大阪難波で産声をあげました。今も難波に本店があり(本社は難波のお隣の桜川)、70年余にわたる歴史の中で大阪のソウルフードとしての地位を確立してきました。その地元に恩返ししたいという気持ちが、東京進出をせずに大阪にこだわる理由の1つとして知られています。

大阪本社の会社が東京に本社を移す事例は数多いですが、551蓬莱の大阪にこだわる姿勢にはある種のすがすがしささえ覚えます。もし、本社や本店を東京に移転するという事態になろうものなら、大阪人の551蓬莱への豚まん愛が半減してもおかしくありません。

生地へのこだわり

東京進出をしない背景には、生地へのこだわりもあります。551蓬莱では店頭で豚まんを作っている店員の姿がつきもの。551の店舗=豚まんを作っている店、というのが原風景となっている大阪人も多数いるのです。

そんな豚まんですが、あのモチモチの生地は大阪市浪速区桜川の工場から配送されるものです。基本的に551蓬莱は桜川の工場から生地をそのまま配送できる範囲内にしか出店していません。よって、必然的に出店は大阪近辺に限られてしまいます。

IPOを目指さない蓬莱に見る外食企業のあり方

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証券系投資会社を経て独立。株式市場分析、為替市場分析を得意とするが、為替市場の相対的な値動きに魅了され、現在は主にFXトレードを手掛けている。投資会社時代に培った分析力とレポーティング力を活かし、ライター業にも携わり複数媒体に寄稿中。
金融や企業分析を始めビジネス系のライティングを得意とするが、登山や食べ歩きが趣味でグルメ記事等の柔らか系の記事も執筆している。