日経平均は一時2万台を回復するが、膠着した動き

2017年6月16日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より111円44銭高の19,943円26銭となりました。5営業日ぶりに反発しました。ザラバでは14日に続いて一時、2万円を上回りましたが、2万円台は定着しませんでした。

今週は14日に米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれたのに加え、15日にはイングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会、16日には日銀の金融政策決定会合が開かれました。重要イベントが相次いだことから、市場は様子見姿勢でした。ただし、これらの結果が出ても、動意は乏しく2万円をはさんで膠着状態となりました。

FRBは、14日のFOMCで今年2度目となる政策金利の引き上げを決めました。ただ、市場では追加利上げはすでに織り込み済みで、むしろ同日に発表された5月の米消費者物価指数(CPI)や小売売上高が市場予想を下回ったことから米長期金利が低下し、円買い・ドル売りが進みました。

こうした中、ダウ工業株30種平均は堅調です。16日の米株式市場でダウは反発し、2日ぶりに過去最高値を更新しています。一方で、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落しました。

来週の動きはどうなるでしょうか。重要なイベントは通過したものの、手がかり材料もないことから、今週同様に2万円をはさんだ攻防になりそうです。きっかけはやはり円相場になるでしょう。16日のニューヨーク外国為替市場で円は反発し、前日比10銭円高・ドル安の1ドル=110円80~90銭で取引を終えました。

14日は、FRBが利上げを決めたにもかかわらず、円高・ドル安に動くなど、円相場も方向感が読みづらい状況が続いています。どちらに動いてもいいように、複数の選択肢を持って売買戦略を立てたいところです。

直近の高値に届かないが、大きく下落することもなくもみ合う

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。6月2日に直近の高値(20,239円)と付けてから軟調な動きが続いていました。ただ、そこから大きく下落もせず、2万円前後でもみ合う動きになりました。

ローソク足の実体が短く、ヒゲが長くなって、陰線と陽線が交互に出るような形になりました。投資家の動きが定まっていないことが現れています。

25日移動平均線にサポートされた形で上昇トレンドは維持

今後の動きはどうなるでしょうか。判断基準の一つになるのが25日移動平均線です。これまで何度も、25日移動平均線にサポートされて反発しています。6月2日(20,239円)への上昇も、5月31日に25日移動平均線で跳ね返ったことから始まっています。

今週、6月15日に、25日移動平均線を割り込む動きがありましたが、16日には窓を空けて上昇しています。このあたりの動きからも、来週以降は再度、上を目指す動きになってもいいのではないでしょうか。

上値めどとしては、まずは6月2日の高値(20,239円)です。ここを抜けると、4月17日を直近の底とする大きな上昇トレンドラインが形成されます。

逆に来週初に窓埋めさらには25日移動平均線を下回るようであれば、警戒が必要です。その場合の下値めどは5月30日の安値(19,570円)や、5月18日の安値(19,449円)あたりになります。

ただし、19,700円前後は足元でかなり売買が積みあがっているため、このあたりと2万円をはさむもみ合い状態が続くことも考えられます。

下原 一晃