韓国人女子プロゴルファーはなぜ日本にやって来るのか?

背景にある”ウィンブルドン現象”と“ファンサービス”

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日本女子ゴルフ、賞金獲得で上位を占める韓国人選手

2017年6月22日〜25日に行われた女子ゴルフ(LPGA)のアース・モンダミン・カップでは、鈴木愛が今季2度目の優勝となり、賞金3,240万円を獲得しました。また、上位10位で日本人選手が8人を占めるなど、日本勢が比較的健闘した大会となりました。

今回の大会での外国人選手上位は、ユン チェヨン(韓国)とイ ボミ(韓国)の2人で、いずれも7位タイの結果でしたが、年間の賞金獲得金額で見ると韓国人選手の活躍ぶりには目を見張るものがあります。

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2016年年間では、以下のように賞金獲得額トップ10のうち6人が韓国人選手となっています。

1位:イ ボミ(1億7,587万円)
2位:申 ジエ(1億4,709万円) 
4位:キム ハヌル(1億2,897万円)
7位:全 美貞(8,548万円)
8位:李 知姫(7,719万円)
9位:アン ソンジュ(7,150万円)

なお、上位50人のうち韓国人選手は9人であり、上位50人の獲得賞金合計のうち32%を占めていました。

また、2017年は38試合が予定されており、これまでに17試合が行われていますが、現在までの賞金獲得トップはキム ハヌル(韓国)です。さらに、上位10選手のうち、4人(キム ハヌル、イ ミニョン、アン ソンジュ、申 ジエ)が韓国人選手となっています。

生涯獲得賞金でも活躍が目立つ韓国人選手

生涯獲得賞金ランキングを見ても、韓国人選手の活躍が目立ちます。

ランキングのトップは不動裕理(13.5億円)ですが、2位は李 知姫(10.3億円)、3位は全 美貞(10.3億円)です。トップ10には、これらの選手以外にアン ソンジュ、イ ボミもランクインしており、トップテンのうち4人が韓国選手となっています。

年間獲得賞金トップはイ ボミ

単年度での獲得賞金上位も韓国人選手です。1位は2015年のイ ボミ(2.3億円)、2位も2016 年のイ ボミ(1.75億円)となっています。ちなみに、3位は2009年の横峰さくら(1.75億円)、4位が2006年の大山志保(1.66億円)、5位が2007年の上田桃子(1.66億円)となっています。

韓国人女子プロゴルファーはなぜ日本で活躍するのか

では、なぜ韓国人女子プロゴルファーは、このように日本で活躍しているのでしょうか。

いくつかの理由が考えられますが、最大の理由は市場の大きさの違いです。正確なデータは見当たりませんが、韓国のゴルフ人口は200~300万人とされており、日本の700~800万人の半分以下と小規模です。

このため、ツアーへのスポンサーからの賞金も日本のほうが大きくなるため、そのことが韓国選手を呼び込む一因となっていると考えられます。

また、”ウィンブルドン現象”によるゴルフの人気化も見逃せない要因と考えられます。

ウィンブルドン現象というのは、19世紀後半から続く伝統的なイギリスのテニス大会が、20世紀に入り外国人ばかりが優勝する大会に変貌した現象のことです。これと同じことが日本のゴルフ界でも起きているということになります。

興味深いことに、サッカーや相撲でも同様ですが、ウィンブルドン現象は、当初は「外国人に席巻された」とネガティブに捉えられることがあるものの、時間を経るにつれて国籍を問わずプロによる高いレベルの競技を観るのを楽しむ人が圧倒的に多くなることです。

今のゴルフ界は、まさにウィンブルドン現象のポジティブな側面が現れてきた局面であると考えられます。

とりわけその傾向が強いのが女子で、2017年の女子プロゴルフの年間賞金総額は37.15億円と前年度よりも約2億円増加し、5年連続で過去最高額を更新する見通しです。これに対し、男子プロは現状維持が続いており、2017年は総額で女子プロを下回る見通しです。

国内男子プロゴルフはどうなる?

男子プロでも韓国人選手が多数いるなかで、女子プロのほうがファンやスポンサーからの支持を集めている背景には、韓国選手のルックスや、流暢な日本語でのインタビュー対応といった“ファンサービス”など、ゴルフ以外の要素も無視できない要因かもしれません。

加えて、ゴルフファンの平均年齢も上昇していますので、パワーのある男子ゴルフよりも技が冴える女子ゴルフのほうに親近感を持つ層が増えていることや、ゴルフ好きでも、男性の目はルックスのほうへ向かってしまうことなどがあるかもしれません。

こうした動きに対して、男子プロはどのように活性化への取り組みを行うのかが気になるところです。男性ファンが多いゴルフの世界で、男子選手のルックスがファンを熱狂させることはないでしょうから、本業のゴルフで見応えのあるプレーをこれまで以上に見せてほしいと思います。

そのためにも、アメリカに行ってしまった選手が日本でもプレーを増やすことや、韓国選手がさらに活躍することなどにも期待したいものです。

投信1編集部

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投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。