外資系企業の男女模様。愛さえあれば、本当に国境を越えて幸せになれるのか?

押しが強い外国人女性、弱すぎる日本人男性

日本女性は優しくておとなしいが、結婚すると豹変する!?

日本で暮らす外国人は238万2,822人。0~80歳以上の全年代を通じて女性がやや多いものの、ほぼ半数ずつとなっています(2017年3月末、法務省)。そこには当然、さまざまな人間模様が繰り広げられています。恋も、愛も、結婚もあることは言うまでもありません。

欧州に本部を置くグローバル企業の日本法人。社員の出身地構成はざっくりと、米国とカナダが50%、日本人が35%、残りが欧州、アジア、南米、それに海外で生まれ育った日本人です。海外出身社員は日本人社員と話すときは日本語、その他の社員とは英語というように使い分けているほか、カタコト交じりの日本語と英語も飛び交っています。

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欧州本部から派遣された社員はごくわずか。彼らは口ぐせのように「ゴザイマス」付きの「アリガトウ」をよく発するのと、銀行員のように腰を90度に曲げておじぎをするのとで、すぐにわかります。おそらく付け焼刃で読み込んだ、日本生活マニュアル本の類に記載されている通りに実行しているのでしょう。

彼らの多くは若く、日本女性に興味津々です。

「日本人女性は優しくておとなしいけど、結婚すると豹変するって書いてあった」
「気をつけるよ、でも、その娘はほんとに優しいんだよ」

ま、こんな感じです。

日本人社員の鬼門はアルコール付きランチ?

日本人女性と結婚した米国人社員もいます。まだ新婚で、毎日、手作りの弁当持参です。ご飯、ハンバーグ、卵焼き……、日本で見るごく普通の弁当を、不器用ながらも箸を使って食べています。

気をつけないといけないのは、ランチです。通常ならセットで付くのはコーヒーや紅茶ですが、ビールやワインがセットになっている場合です。外国人社員は、アルコール付きのランチサービスがある店をよく知っています。

外国人はビールやワインの1杯くらい飲んでも何事もなかったかのように午後の仕事に就きます。つきあいだからとアルコールを飲んでしまい、真っ赤な顔をして午後の仕事に向かう日本人社員をときどき見かけます。

仕事では、日本人社員が優勢です。マーケットが日本で、取り引き先とは日本語がメインであるせいもあるでしょうが、日本人もなかなかやるなといった光景はめずらしくありません。

売上目標達成をかけてぎりぎりの攻防を続けているさなか、チームリーダーが夫人の出産で突然帰国。チームをまとめリーダーの役割を担ったのは日本人社員だったそうです。

日本人女性が口をそろえて感動する、外国人男性の行動とは

同邦人が優勢なのは喜ばしいかぎりですが、女性社員たちへの接し方だけは例外です。

両手いっぱいに書類を抱えてドアを開けるのは、女性には厳しいことがあります。そんなとき外国人社員は、どんなに忙しくても、どんなに遠くにいても、どこからか駆けつけ、開けてくれるのです。50メートル走をしているかのように全力疾走が駆けつけます。

「感動するわよね。もし一人の女性を争ったとしたら、日本人男性には勝ち目がない」

外資系企業で働いて、まず感動する出来事だと日本人女性社員は口をそろえて言います。

日本人男性社員だってドアくらいは開けます…とはいかないのです。女性社員が頼めば開けるでしょうが、外国人社員のようにスムーズではありません。よほど幼いときから訓練されているのでしょうか。

海を越えた恋愛が成就できずにいる事情

外国人男性社員に感動する日本人女性がいれば、日本人男性との恋が成就せずに悩む外国人女性社員もいます。

相手は社外の男性で、10年以上も交際を続け、すでに一緒に暮らしているそうです。彼女によれば、当人同士は結婚を望んでいるが、両方の両親が反対しているとのことです。

金髪に、抜けるように白い肌。その口からは「納豆もみそ汁も大好きだし、漬物だって漬けてる」との声がもれ、自分で縫ったという浴衣を着た写真まで見せてくれます。彼の両親にも幾度も同じことを言い、日本人との結婚には何も問題ないのだ説明するが、反対され続けていると目を伏せます。

「私の親は、カレがもっと強くプッシュしてくれれば反対はしない」

カレは彼女の両親にも会い、結婚の話をしているが、なぜか途中で黙り込んでしまうそうです。

日本には、自分をアピールする習慣はありません。カレの両親は積極的にアピールする彼女に驚き、彼女の両親は今一歩アピールしないカレに不安を感じているといったところのようです。

親の反対で結婚できずにいる男女。半世紀前に消滅してしまった古風な恋愛風景が、外資系企業のなかで展開されているのは意外でした。

小説や映画、マニュアル本では描ききれない事実はたくさんあるようです。

間宮 書子

ニュースレター

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國學院大學法学部卒業。法律系出版社、弁護士事務所勤務を経て、現職に。
ビジネス法務を中心に、ビジネス全般、旅やエンタメなど広く取材・執筆に従事。
現在は埋もれていても100年後に大化け、通説となるようなネタを求めて活動中。