就職を間近に控える子を持つ親にとって、我が子の就職先は非常に大きな関心事でしょう。今回は子供の就職する職業という視点から「公務員」について考えてみたいと思います。

公務員と民間企業勤務との違いとは

一口に公務員といっても、国の省庁に勤める国家公務員、地方公共団体に勤める地方公務員など様々です。いずれにしても公務員は全体への奉仕者であり、一部への奉仕者ではありません。その点が民間企業に勤務する場合とは異なります。私たちは公務員がいるおかげで公共サービスを受けられているのです。

地方公務員は仕事上多くの都道府県民との接点があるので、ポジティブ、ネガティブ両面のイメージを持たれるものです。また、公務員の給与は税金から支払われるため、納税者からの突き上げにあうということもあるでしょう。

もっとも、公務員は民間企業と異なり、何か新しい事業を生み出すとかイノベーションを起こすことに関してはほとんど縁がありません。そもそも公共サービスを担うのが仕事ですから、斬新なサービスを期待するのは筋ではありません。私たちにとって必要な公共サービスを安定的に、継続的にそして公正に提供してくれるのが一番です。

公務員は「将来なりたい職業」

公務員の仕事内容をとらえて「公務員を目指す子供には野心がない」と指摘する大人もいます。ところが、公務員は子供たちにとっては人気の職業だというのが現実です。

2017年4月にソニー生命が行った「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」によれば、「将来なりたい職業」の中で公務員は男子高校生では第4位、女子高校生では堂々の第1位となっています。

ちなみに、男子高校生に一番人気なのはITエンジニア・プログラマー、第2位がものづくりエンジニア、第3位がゲームクリエイター。女子高校生では、第1位は前出の公務員、第2位が看護師、第3位が芸能人となっています。

今回のアンケート結果で高校生が希望している職業は、今後日本がICT産業や製造業を盛り上げていく必要があること、また高齢化で看護師などのニーズが大きくなることを考えると、日本の行く末を占う上では期待の持てる結果とも言えるでしょう。

地方自治体公務員の平均年収は679万円

男子・女子高校生の「将来なりたい職業」で上位にランクインした公務員ですが、仕事内容が公共サービスの提供ということでやや保守的に見られることがあります。その公務員を職業としてすすめる親は正しいのでしょうか、それとも間違っているのでしょうか。