2つ目は不採算店舗の削減と改装です。マクドナルドは2013年12月期末に直営・FC合計で3,164店舗ありましたが、2016年12月期には2,911店舗まで削減されています。

さらに、2018年度末までに90%の店舗をモダン化するという計画のもと、着々と改装を進めています。ちなみに筆者は今の内装のほうが好みです。

商品にも日本のマックらしさ復活

このように事業の基本的なところを強化したうえで、商品の拡充も進んだと思います。

「おてごろマック」が導入されて以降、ちょっとした空腹を満たすためにコンビニではなくマックに行くようになりました。さらに嬉しかったのはプレミアムローストコーヒーのリニューアルです。これによって、コンビニコーヒーと互角の味になったと思います。

さらに、商品名を公募で決める試みである「第1回マクドナルド総選挙」の実施、裏マックメニューなど、スポット的ながらイベント感覚を楽しめる企画も増えてきました。いつ行っても飽きさせない、という意味でマックもコンビニと同様なポジションを得つつあると言えるのではないでしょうか。

また、ファミリーの集客という意味ではPokemon Goとの連携も効いていたように思います。さらに、ドコモdポイントとの連携も下支えになっているようです。

本格的な復活ストーリーはこれから?

こうした試みが奏功し、足元の業績は回復軌道にあります。

全店売上、既存店売上は2015年12月以来2017年6月まで19カ月連続で前年同月比を上回っています。それも、ほとんどの月で2桁増収を実現しています。まさに「復活」と言っていいのではないでしょうか。特に客数の回復が伴っていることが、消費者のマック回帰の証明だと思います。

しかし、本格的なストーリーまだまだです。たとえば、営業利益は2010年12月期、2011年12月期いずれも280億円を超えていました。ここまで戻って初めて本当の復活と呼べるのではないでしょうか。

そのためには、既存店の改装を早めて出店増に舵を切り直すのか、商品の価値を高めつつ客単価を上げていけるのかがポイントになりそうです。

筆者としては、もう少しヘルシー志向の商品が増えたり、少し高くても良いのでドリンクメニューが増えると大変うれしいのですが…。みなさんはいかがでしょうか?

LIMO編集部