ここまで見てきたように、誰もが知る大企業でも「若くして年収1,000万」は容易ではありません。

ただ、金融業や通信事業のように規制業種であり国内で安定的に事業を展開できる企業であれば、全国平均と比べれば高い年収を手にできる可能性もありそうです。

規制業種では新規参入企業がそう簡単には出てこないことと、既存のプレーヤーが成長を志向する場合にM&Aが主な手段となり、時間とともにプレーヤーの数が減ることが多いというのが、よく見られる傾向です。

プレーヤーの数が減れば、経営者は無意味な価格競争などは回避するでしょうから、残存プレーヤーの収益性が高くなるということもあるでしょう。

どの企業に就職するかという個別要因も重要ですが、就職する企業がどの産業に属しているのか、またそれは規制業種か否かということも検討すべきです。

高年収を実現するために必要なのは運か実力か

高収入を手にするためにはビジネスモデルが確立された企業か否か、またその企業が属する産業の競争環境を冷静に判断する力も必要です。

就職活動の時点で、ビジネスモデルが確立した、競争優位にある企業を探し出すことが出来る学生は少数ながら存在します。B to B企業を中心に、就活生にはそこまで人気が無いが極めて優れた企業というのは多々あります。周囲の就活生が人気企業に殺到するのを尻目に、勝ち馬に乗れる人にはやはり実力があるといえるでしょう。

また、高年収の得られる人気の大企業に就職しようと思えば、就職活動で何倍もの倍率の競争をパスしなければなりません。高い倍率を勝ち抜けるのもある種の実力といえるでしょう。

一方で、給与もよく、学生の人気のある企業に就職したつもりが、入社後には業績が悪化したり、親会社が変わったりして当初期待したような金額を手にしていない、また雇用の危機になるというようなケースもあるでしょう。これらは自分ではいかんともし難い運の領域ともいえますが、そんな中でもしぶとい人は何とか突破口を見出すものです。

長きにわたって年収1,000万円以上を稼ぎ続ける一握りのサラリーマンは、運と実力を兼ね備えた猛者といえるのではないでしょうか。

LIMO編集部