ちょっと古めのクルマを味わう。でもSUBARUの先進技術には感謝

電子制御はお節介?〜クルマと遊ぼう(5)

筆者撮影

自分がわがままなのかもしれないが、どこから見ても惚れ惚れしてしまうような隙のないデザインというか、ボディの様々な曲面やラインが無理なく無駄なく交わりあって、ひとつの連続したデザインを感じさせるようなクルマに出会うことは難しいなあと、つくづく感じている。

「あっさり&もっさり」な後ろ姿のクルマに腰が砕ける

これまで輸入車を中心にざっと100台近くのクルマを愛車として乗り継いできた。いつも新しく迎えた次期愛機を、今度こそは長く乗るぞ!と心に誓う。

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けれども、落ち着いてくるとデザイン処理のどこかで、うーん…なんだかなあ…と感じてしまうところが出てくる。そして挙句の果てに、そこのデザインがどうしても好きになれずに、結局ほかと入れ替えてしまったというクルマたちが何台もある。

ある時は、フロントグリル周りからフロントウィンドウにかけてのデザインが、正面から見るととても素敵なのに、斜め下から少し見上げるように見ると、なんとも不格好に見えてそれが気になり始めてしまうとか、またある時は、前から見ても後ろから見ても完璧といえるほど素晴らしいデザインなのに、どうにも横からの姿が間延びしているように感じてしまう、などなど。

そんな思いを何度もして、私の場合はテールのデザインに結構こだわりが強いということがわかってきた。

実際に、フロントデザインは睨みつけるような切れ上がったLEDヘッドライトがガンダムにでも出てきそうなカッコよさを感じさせるクルマが走ってくると、「おおおーっ! 凄いじゃないのあのクルマ!」と思わず立ち止まってしまうのに、通り過ぎていく後姿が何とも腰が砕けるような、あっさり&もっさりとしたデザインだったりすると、途端に「なんだかなあ~」と独り呟いてしまったりする。

どの国のクルマも似通ってきた?

個人的な思い込みなのかもしれないが、特にここ最近のクルマは、猫も杓子もそろってヘッドライトはLEDを使い、切れ上がったSFチックなデザインに加えて、機能性とは関係なさそうな意図的に大きい面積をとったフロントグリルが威圧感たっぷりのイメージを与えるようなお顔立ちばかりのような気がする。

私自身は馴染めないが、きっと最近の流行りなのだろう。日本車もドイツ車もイタリア車もアメリカ車も、国境超えてみんな「クールなLEDヘッドライトにいかついフロントグリル」的傾向を感じる。

ひと昔前の中古車を見つけてきては、ハロゲンライトを汎用のHIDに付け替えて満足しているような、化石のようなオジサンさんには当分受け入れることのできないデザインであることは確かだ。

また、乗った感じも我が家にある「旧世紀の産物」のようなクルマ達とは大きく異なる。どう表現したらよいのだろう…。なんというか、どのモデルも基本的な立ち位置は同じ場所で、あとは各メーカーのお好みによる意図的なセッティングがもたらす味付けの違い程度にしか感じられないのだ。

もちろん、そうしたメーカーごとのセッティングは面白く、同じブランドであってもモデルごとの違いははっきりと感じられる。

でも、結局ベースとなる立ち位置はしょせん同じところにあって、それぞれのクルマが持つ味付けは決して冒険することはなく、決して破綻をきたすことのない、あくまでも制御の許容範囲内で施されるかのような、なにか電子制御に守られた世界の中で遊ばされているような感覚を覚えるのだ。

確かに今どきのクルマは、我が家の愛機たちに比較して、パッシブセーフティはもちろん、主にアクティブセーフティに対するデバイスのパフォーマンスが大きく異なる。

我が家の愛機たちの中で最も新しい制御デバイスを積んでいるのはマセラティ クアトロポルテなのだが、それでも2005年モデルなので、昨今の進化したアクティブセーフティデバイスによる完璧なまでの(お節介な)介入に比べたら、月とスッポンほど隔絶の感がある。そこはやはりマセラティ、不用意にアクセルペダルを踏みつけたら人生の走馬燈を垣間見ることになってしまう。

そんな自分がうならされたSUBARUのセーフティデバイス

ニュースレター

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鈴木 琢也

約30年にわたり一貫して人事のビジネスキャリアを持ち、輸入車ディーラー、電子部品、マーケティングリサーチ、食料品メーカー、国際航空貨物等、多岐にわたる業界を経験。加えて、ヤナセにてセールスマンの教育担当、J.D.Powerにてクライアントの顧客満足度向上支援のためのコンサルティング部門を立ち上げ高い評価を得る。
現在は ITW(Illinois Tool Works)の自動車部品製造における日本法人、ITW Automotive Japanにて人事責任者を担当。
プライベートでは根っからのクルマ好き。特に輸入車の所有歴はフェラーリ、ポルシェ、BMW、キャデラック、フィアット、マセラティ等々、延べで100台近くを乗り継いで現在に至る。人生最後に乗りたいクルマはデトマソ・パンテーラという、いわゆるスーパーカー世代。