2万円台を回復するが、売買代金2兆円割れが続き、勢いは弱い

2017年7月14日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より19円05銭高の20,118円86銭となりました。13日の米ダウ工業株30種平均が連日で過去最高値を更新するなど、米株高が続いていることや、1ドル=113円台半ばまで円安・ドル高に振れたことも好感されました。自動車や電機、鉄鋼、機械株などが買われました。

ただし、連休前ということもあって、積極的な売買は進みませんでした。商いは薄く、14日の東証1部の売買代金は概算で1兆9,863億円と、活況の目安となる2兆円を3日連続で下回りました。

前週末に発表された6月の米雇用統計で雇用者数が市場予想を上回ったことなどを受けて、今週の日経平均は反発して始まり、2万円台を回復しました。12日には、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が利上げペースに慎重な見方をしたことから、米株の買いに安心感が広がりました。さらに14日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、追加利上げの観測が後退しました。

14日のダウ工業株は4日続伸し、3日連続で過去最高値を更新しました。一方で、ニューヨーク外国為替市場で円は反発し、前日比70銭円高・ドル安の1ドル=112円50~60銭で取引を終えています。

連休明け、18日からの相場の動きはどうなるでしょうか。まず、19日~20日には日銀の金融政策決定会合が行われます。さらに来週は欧州の金融政策決定会合も行われます。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が先月、金融引き締めに前向きな発言を行ったことから、各国中銀に、金利を引き上げたり資産を縮小したりする動きが起こるのではないかと注目されています。まずは、ドラギ総裁の会見の内容が気になるところです。

今月下旬からは企業の4月~6月期の決算発表も本格化します。業績予想を上方修正する企業が増えると予想されています。堅調な業績が確認できれば、商いも活況になり、2万円台の定着や高値を試す展開にも期待できます。

5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが回復

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初の10日は窓をあけて上昇して始まりました。十字線のローソク足となり勢いはありませんでしたが、25日移動平均線を回復しサポートされたことから、翌日からの反転上昇を予感させ、そのとおり11日には長い陽線となりました。

その後、12日~14日の3日間は、窓をあけて上昇しては小幅に下がるという流れが続きましたが値幅は数十円程度と小さく、下押しの圧力を感じさせるほどではありませんでした。

また、先週は、5日移動平均線が25日移動平均線を上から下に抜けるデッドクロスも形成されましたが、今週はそれも回復し、再度ゴールデンクロスが形成されました。

チャートの形は再び上昇トレンドへ

今後の動きはどうなるでしょうか。先週は5月18日の安値と6月15日の安値を結ぶ上昇トレンドラインを下抜けてしまったことが懸念されましたが、今週それを回復しました。ローソクの実体が25日移動平均線も上回っています。

目先の目標である2万円台も回復しました。5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線がすべて上向きになっています。チャートの形としては、目線は上に持っていいと思います。

上値のめどとしては、足元の上昇トレンドのチャネルの上限である20,800円~21,000円あたりが目標になるでしょう。まずは6月20日の高値(20,318円)を越えることができるか注目したいところです。逆に、週初の様子見などでいったん調整があるとすれば、下値のめどは7月7日の安値(19,856円)あたりになります。

下原 一晃