株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年7月14日から7月20日)の株価動向を振り返る。

業種別振り返り-個別物色の動きが継続した1週間

今週は水産・農林業株、化学株、その他製品株など26業種が上昇。

2017年4-6月期は連結経常利益が85億円前後と前年同期から3割増え、この期間として過去最高だった模様との一部報道を受け、マルハニチロ(1333)は大幅高。米国で販売しているヒアリ対策剤を国や地方自治体などに提供すると発表した住友化学(4005)も値を上げた。

また、「ニンテンドースイッチ」の販売好調に加え、ソフトのラインナップ拡充への期待が高まったことを背景に、任天堂(7974)は商いを伴い上昇。

一方、海運業株、銀行業株など7業種が下落。

米WTI原油先物高を受け、原燃料高の思惑から日本郵船(9101)、商船三井(9104)などの海運業株が下落。米長期金利の低下から米国事業での利鞘縮小を嫌気され、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)などの銀行業株も値を下げた。

今後のマーケット見通しの注目点

今週注目された日銀金融政策決定会合では、金融政策こそ現状維持となったものの、物価目標2.0%が先送りされた。こうした中、東京株式市場では、来週から4-6月期決算発表が本格化することもあり、引き続き様子見姿勢が強まりそうだ。

出所:SPEEDAおよび東証で取得したデータをもとに筆者作成

岡野 辰太郎