豪華列車「ななつ星in九州」は「同窓会」でお客様の心をガッチリつかむ!

JR九州の会長・社長も出席する一大イベントはおもてなし力もすごかった

ななつ星in九州(撮影:中嶋 茂夫)

「ななつ星in九州」の運休中、乗務クルーたちは何をしている?

毎回10倍を超える抽選倍率のため、乗りたくても乗れない豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」。運行4年目も後半に入り、車両点検のため、2017年6月20日から8月20日まで運休しています。

その間、乗務クルーは夏休みなのか?というと、そうではありません。普段の列車運行中にはできない、食器のメンテナンスやデスクワークなどの業務をこなします。

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しかし、今年の運休中の業務はそれだけではなかったのです。7月18日に開催される一大イベントに向けて準備が進められていました。

なんと、列車に乗車したお客様だけの「同窓会」が開催されている!

その一大イベントの正体は「ななつ星in九州」に乗車されたお客様だけが参加できる「ななつ星同窓会」。開催は今回が2回目です。

実は、第1回「ななつ星同窓会」は、2015年12月に東京のホテルで開催されました。乗車されたお客様の多い関東での開催ということもあり、参加費1万円の同窓会にも関わらず参加者は400人を超える盛況ぶりでした。主催したJR九州の予想をはるかに上回る申し込み数だったため、申込者全員が参加できるように急遽会場を広い場所に変更するといった出来事がありました。

また、東京開催のため、ななつ星に乗務していないスタッフのほとんどが福岡から東京に移動しなければならず、経費も手間も相当だったと推察されます。

その反省もあったのか、第2回ななつ星同窓会は福岡で開催されました。ななつ星に乗車されるお客様の多くが関東圏や関西圏からにも関わらず、約250名ものお客様が福岡のホテルへに集まったのです。私も参加してきました。

開場前のロビースペースにはオリジナルグッズの先行販売も

ななつ星同窓会当日は、12時開始に対し、受付は11時から、開場は11時30分というタイムスケジュールでした。この11時から12時の時間を利用し、来場者は専用のロビースペースで、ななつ星で味わえるトマトジュースやキャンベルアーリージュースを飲みながら、列車の旅を懐かしむことができるようになっていました。

さらに、ななつ星のオリジナルグッズが勢ぞろいし、車内限定で販売しているものだけでなく、8月22日の再運行から販売予定のTシャツやリニューアルしたキャップまで販売されていました。

ななつ星の料金は、1泊2日のツアーで1人30万円から。そこで気になるのは、ななつ星オリジナルグッズグッズの価格です。

もちろん、1,000円程度で購入できるピンバッチもあるのですが、その一方で10万円を超えるオリジナルグッズグッズがいくつもあることに驚かされます。一番高価なグッズは有田焼の万年筆で35万円。医師や作家を職業とする方には魅力的な逸品です。開場前からグッズ売り場は大盛況で、お土産に買い込む方も多くいらっしゃいました。

乗務クルーもお客様にお声がけして、想い出話に花を咲かせます。こうなると、同窓会が始まる前からすでにワクワク状態。いやがおうにも期待感が高まります。

会長・社長はじめ、JR九州スタッフ40名以上からのおもてなし

これだけ多くのお客様が集まることもあり、ななつ星同窓会でのおもてなし度は半端ではありません。JR九州のトップ2人、唐池会長と青柳社長もお客様と一緒にテーブルに着席して歓談されますし、1つのテーブルに10名ほどの椅子が用意され、1テーブルにつき、ななつ星クルーが2名つくという形をとっています。

さらに、テーブルの席順は一緒にななつ星で旅をしたお客様同士になるよう工夫されています。席順表には、名前だけでなく、ななつ星に最初に乗車した日も記載されているので、顔は覚えているけれど名前が出ないといった時も、すぐに思い出せるようになっています。

このようなシチュエーションなので、お客様同士はすぐに打ち解け、話が弾みます。もちろん、乗務クルーも、お客様同士が自然と話ができるよう導いてくれます。

私のテーブルにも、1回目から4回目の乗車全てで担当になったクルーと、4回目の乗車になったクルーが席につきました。テーブルには、お客様1人1人に向けた手書きのメッセージが添えられており、ななつ星に乗っているのと同じ気分になる工夫がされていました。

第2回「ななつ星」同窓会(撮影:中嶋 茂夫)

ななつ星同窓会は、お客様とななつ星クルーの想い出を語る場所

JR九州・青柳社長の挨拶から同窓会は始まり、式次第にしたがって会は進みました。料理ももちろん、ななつ星に食事を提供しているお店の料理がならびます。3泊4日コースの最初の食事である「やま中」のお寿司に始まり、ドリンクもななつ星でおなじみのメニューが揃えられ、まさにななつ星乗車を疑似体験できるようになっていました。

3泊4日コース最初の食事「やま中」のお寿司(撮影:中嶋 茂夫)

さらに、ななつ星をデザインされた水戸岡鋭治さんもゲスト参加で挨拶があり、お客様に囲まれて記念撮影会が始まりました。

食事が進むと、思い思いのクルーと一緒に参加者同士で記念撮影をする姿があちこちで見られ、大盛り上がりになります。

その中で一番人気だったのが、お客様からの質問にクルーが回答するという企画でした。第1回ななつ星同窓会ではクルーの人気投票があったのですが、第2回ではクルーとお客様とのコミュニケーション重視の企画になりました。

お客様からは新しい豪華列車「四季島」「瑞風」に関する質問が飛び出し、唐池会長が面白おかしく回答されていたのが印象的でした。

お別れの時はクルー全員から手を振られ・・・

同窓会の予定の3時間は、あっという間に過ぎていきます。結局、終了したのが3時間30分後。そこで解散となるのですが、クルーと記念撮影をしたり会話をする人も尽きず、参加者全員が退場した時には、予定の時間からゆうに1時間を超えていました。

ここで感動したのは、エスカレーターに乗って階下に降りる時です。

クルー全員が、我々に向かって手を振っているではありませんか!

この光景、まさに、ななつ星から下車して、専用のラウンジ「金星」でお別れをする時の光景なのです。その時の様子が思い出され、泣きそうになりました。

たかが同窓会と思われるかもしれませんが、受付から閉会するまで「ななつ星in九州」の旅を再現するかのような演出に、参加者全員が笑顔でいっぱいになっていました。

ななつ星に下車して旅が終わるのではなく、旅はそのまま続いているのです。「ななつ星」での再会を願って・・・。

中嶋 茂夫

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中嶋 茂夫

鉄道ジャーナリスト

1967年生まれ。大阪市出身。京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科卒業後、ニューヨークのファンション工科大学(Fashion Institue of Technology)Apparel Production Management学科卒業。

2010年「山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか?(洋泉社)」の発刊をきっかけに、「鉄道ジャーナリスト」としての活動を開始。地域観光の活性化を応援するため、豪華クルーズトレインやグルメ列車、観光列車に実際に乗車して、それぞれの列車の魅力を積極的に伝えている。