「作文が書けない!」という子どものために、親が手助けできること

夏休みの読書感想文をどうクリアするか

作文が書けないのは「何を書けばいいかがわからない」から

夏休みの宿題で最後まで残しがちなのは、自由研究と読書感想文ではないでしょうか。読書感想文にかぎらず、あらゆる作文が苦手だという子どもは少なくないようです。何が、作文を苦手にさせているのでしょうか。

文章の書き方については多くの参考書や演習書が市販されています。段落の最初は1字下げる、句読点を文頭にもっていかないなど、原稿用紙の使い方についてもの。文体や文字を統一する、あるいは起承転結などの文章構成についてのものなど、さまざまに解説されています。

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これらを何冊読んでも、1字も書けずに困っている子どもは少なくないのです。

作文が書けないと悩む原因は、「書き方がわからないのではなく、何を書けばいいかがわからない」からだと言う塾講師がいます。200字作文から、大学受験用の自己推薦文、課題論文まで、書けないと悩む子どもたちの指導に当たった経験からの発言です。

文章化の前に、テーマから浮かぶことをできるだけ多く書き出す

たとえば、「自然のある暮らし」というテーマが与えられたとします。まず自然という言葉がピンとこない、あるいは自分には関係がない、としか思わないことが多い。そのため文章にする前の段階で、立ち往生しているのだと言います。

では、どうすればいいのでしょうか。

まず、自然という言葉から浮かぶことを、何でもいいから書き出すように言います。ジャングル、故郷、風水害、地震、動物、無添加食品……作文の出題意図を離れてもいいから、自由に思いつくものを、できるだけ多く書き出させます。

次に、書き出したなかから出題者の意図に合いそうなものを選ばせ、選んだ理由、それについて過去に体験したことがないか問いかけます。

この2ステップで、とりあえず「何を書いたらいいかわからない」状況から抜け出す糸口はできたわけですから、あとは参考書にある書き方に合わせて文章にしていけばいいのです。

読書感想文でも、同じです。高校で出題される論文は少し異なる部分がありますので、ここでは小・中学生を対象に読書感想文(作文)について説明します。

読書感想文が書けそうな答えが出るまで、くり返し問いかける

本選びは、ほとんどの子どもができます。問題はその先です。

一般に、読書感想文に盛り込む内容は、次の4つです。

  • その本を選んだ理由(どうして読もうと思ったか)
  • 本の紹介(作者、内容のあらすじ、社会の評価など)
  • 読んで感動した部分(どの部分に興味を持ったか。本の文章を引用してもいい)
  • 自分ならどうするか(主人公の行動などについて、どう思ったか)

この4つを順に書いていけばいいのですが、どの参考書も同様の構成になっていることが多いので、他の人と同じになりがちです。個性的な文章づくりにトライするなら、順番を入れ替えて、自分なりの構成をするといいでしょう。

作文と同じで、4つの手順で書けない場合は、問いかけが必要です。

その本を選んだ理由が、親の薦めだったとしたら、作文が苦手な子どもは、「親に薦められて読んでみました」の1文で完結してしまいます。その先に書くことが思いつかないのです。

先へ進めるためには、「(親は)どうして、その本を薦めたのだと思うか」と問いかけます。「感想文を書くため」など、ズレた返答が返ってきても、チャチャは入れません。「感想文を書くだけなら、ほかにもたくさんの本があるよな」など、言葉をかえて幾度か問いかけをくり返します。

「親が自分と同じ年のときに読んだ本だったのか」など、文章になりそうな答えにたどり着いたら、さらに、親が読んだときどう感じたか、その後の人生でどんな風に影響を受けたかなどがあれば話してあげます。

その結果、子どもが親と同じ感想を持つか、その逆かを含めて、子どもの話に耳を傾けていきます。

子どもが話し終わるまで黙って聞き、「じゃ、今言ったことを書けばいい」とアドバイスすればいいのです。親は、誘導はしていますが、感想文の内容は子どものなかで生まれたものです。親が代わりに書いた感想文とちがい、子どもが自分で書いたと言う達成感を味わえるはずです。

要は、自分で書いた、書ける、という一種の成功体験を持たせることが、自立して作文を書くための手がかりになるのです。

書けていても「書いていない」と言う心情への配慮をお忘れなく

最後に忘れてはいけないのは、「書いていない」と言っていても書きあげている場合があることです。

「書いたと言ったら、親が見せろと言うから」という理由で、書けていても書いていないと答えることがあります。

思春期ならでの心理でしょうが、自分の内面は親といえども、むしろ親だからこそ見せたくないのです。作文については、この思春期の心情を理解してあげることが不可欠です。

この場合、書けているか、書けていないかの見分け方は、文章を書かせる以上に難しい面があります。

前述の塾講師によれば「書け、書けとうるさく言うのは逆効果になることが多いので、何も言わず我が子を信じるしかないかも」とのことです。読者の皆さんなら、どうされますか?

投信1編集部

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投信1編集部

投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。