台風などの被害も心配ですが、一方で暑さによる熱中症などについても引き続き注意が必要です。今回は世界エアコン大手のダイキン工業(以下、ダイキン)の決算を振り返り、空調産業の動向を見ていきます。

決算はどうだったか

ダイキンの2018年3月期Q1(4-6月期)の売上高は対前年同期比+10%増、営業利益は同+5%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は同+4%増。原材料の市況高騰の影響を受ける中でも、販売拡大と固定費削減などで増収増益を達成した格好。また、化学事業の増益が全体の増益をけん引しました。

事業セグメント別には、空調事業の売上高は同+9%増、営業利益が+1%増、化学事業の売上高が同+18%増、営業利益が同+96%増、その他事業は売上高が同+9%増、営業利益が+77%増となりました。

収益の最も大きい空調事業についてみると、地域別では米州および中国の売上高がそれぞれ同+15%増と堅調な伸びを示した。売上高規模は大きくないもののオセアニアも同+22%増であった。国内は同+6%とまずまずの実績。

注目の国内空調事業はどうであったか

国内の業界需要については同社が「住宅用の業界需要は、天候に恵まれたこともあり、省エネ商品の買い替えが進み、前年を上回った。業務用の業界需要は、設備投資と建設着工の回復を受け、堅調に推移」とコメントしています。

国内のQ1の製品別販売状況(台数ベース)では、住宅用の業界全体が対前年同期比+10%増に対し、ダイキンが+12%増、業務用の業界全体が+5%増に対し、ダイキンは+12%増と、いずれも業界数値を上回っています。

ダイキンは「住宅用・業務用ともに販売を拡大し、過去最高の売上高・営業利益を達成としている。」とコメントしており、Q1としては出来上がりは好調の様子です。

今後の注目点

ダイキンの空調事業で注目すべき地域は国内はさておき、やはり米州と中国でしょう。景気の影響もあるがいずれの地域も自社でしっかりと拡販できるかに投信1編集部では注目しています。

加えて、空調の売上高の伸びとともに収益性を改善していけるかにも注目が集まるでしょう。

LIMO編集部