気になる加熱式たばこの今後の価格戦略

「グロー」を体験して考えたこと

東京での加熱式たばこ戦争開始から早1か月以上が経過

東京で加熱式たばこの販売が本格化してから1か月半が経過しました。喫煙所などで目立つのは相変わらず米フィリップモリス(PM)の「アイコス」ですが、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「グロー」や、日本たばこ産業(2914)の「プルームテック」を見かけることも増えてきました。

ただし、コンビニの店頭ではスティック(たばこ葉の入ったカートリッジ)の在庫は大量に見られるものの、肝心の本体はアイコス、グローともに依然として品切れが目立ちます。また、プルームテックについては現時点では専門店での販売に限られ、コンビニでは扱われていません。

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なお、3社とも専門店での本体購入には、オンラインで来店予約してから実店舗に出向いて購入手続きを行う必要があります。ただし、来店予約も必ず確定するわけではなく抽選を通してランダムで決まるため、「ほしい時にいつでも買える」という状態には程遠いのが現状です。

こうした方式が導入されている背景には、購入者の身元を確認することで、転売業者を排除することがあると推察されますが、愛煙家が加熱式たばこを気楽に手に入れて楽しめる状態となるまでには、もう少し時間が必要のようです。

グローを買ってみた

そうしたなか、筆者は最近グロー(本体4,980円:税込キャンペーン価格)を購入することができました。ちなみに、購入のためにはgloストア青山店まで出向き、①「購入予約の完了」のメールが確認できるもの、②顔写真付き公的身分証明書の原本、③メールアドレス、④携帯電話またはタブレットやパソコンなどインターネットに接続でき、QRコードが読め、③のアドレス宛のメールが受信できるものが必要でした。

余談ですが、非喫煙者の方は「なんでそこまでして買うの?」と思われるかもしれません。喫煙者の筆者ですら「なんだかむなしい努力」という気持ちが購入後に一瞬よぎりました。早く、もっと手軽に買えるようになってほしいと強く願わざるを得ません。

愚痴はともかく、筆者は禁煙に成功した知人から譲り受けたアイコスも体験済みですので、今回はアイコスとの比較で使用後の印象を簡単に述べてみたいと思います(なお、味やスロートヒットと呼ばれる吸い応えについては個人差があると思いますので、ここでは言及しません)。

まず、良かった点ですが、アイコスが喫煙後に毎回本体ホルダーの充電が必要であるのに対して(約5~6分)、グローは連続吸いが可能であることが最大のメリットに感じました。

アイコスでは、1本目を吸った後にホルダーの充電と加熱に約3分が必要となりますが、グローの場合は約40秒後に2本目を吸うことが可能です。なお、グローでは本体のフル充電には約2時間程度が必要ですが、その後は連続して30回程度の使用が可能となっています。

また、同じスティックを2度吸いしないことが条件ですが、アイコスと同様に匂いが少ないことも通常の紙巻たばこにはない、加熱式たばこの大きな優位点であると感じられました。

一方、やや不満であった点は、1回の吸引時間が約3分とアイコスの半分程度であることです。このため、ゆっくりとたばこを吸いながら考えをまとめたい時などにはやや物足りなさを感じます。

もちろん、上述の通り連続吸いが可能なので2本目を吸えばいいのですが、そのためにスティックの消費量が増えてしまうのは、たばこ会社にとってはメリットであっても、喫煙者にとっては難点ではないかと思います。

気になる今後の価格動向

このように、良い点ばかりではありませんが、これまでのところ概ねグローについては満足しています。何よりも煙がでないことが快適であるため、今のところ紙巻たばこに戻ろうという気持ちにはなっていません。

そうしたなかで気になるニュースが最近ありました。その内容は、加熱式たばこの普及によりたばこからの税収が大幅に減少しているというものです。

ちなみに、加熱式たばこが増えると税収が減ってしまう理由は、これまでの紙巻きたばこの税率が63.1%であるのに対して、アイコスは49.2%、gloが36.2%、プルームテックが14.9%と、加熱式たばこのほうが税率が大幅に低いことによります。

このため、加熱式たばこ愛好者にとっては、今後税収の回復に向けた税率の見直しや、スティックの販売価格の見直しが行われる可能性がとても気になるところです。

ちなみに、税率の差はスティックに使用される「たばこ葉」の使用量によるものであるため、仮に税率が引き上げられた場合、タバコ会社がそれを販売価格にダイレクトに転化するのか、あるいは需要確保のために税率分を自社で吸収していくのかが注目されます。

なお、1本あたりの税金を除いた実入り(売上)は、アイコスが約12円、グローが13円、プルームテックが20円となっており、利益率に大差がないとするならばプルームテックが最も値下げ対応力があると考えられます。

せっかく時間とお金をかけて加熱式たばこの本体を購入した多くの愛好者にとっては、スティックの大幅な値上げだけは避けてほしいところです。今後のたばこ税の行方やたばこ各社の価格政策には大いに注目していきたいと思います。

加熱式たばこの3社比較

投信1編集部

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