ソニーの次期社長はあの人? 平井社長は続投か、勇退か

営業利益5,000億円達成後を考える

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ソニーの第1四半期決算は大幅な増収増益に

2017年8月1日に発表されたソニー(6758)の2018年3月期第1四半期(4-6月期)決算は大幅な増収増益となりました。

通期会社予想は据え置かれたものの、決算後の市場コンセンサスは、営業利益が5,796億円と会社予想の5,000億円を大きく上回る水準となっています。これが達成されると20年前の1998年3月期に計上した5,257億円を上回り、史上最高益が更新されることになります。

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一方、株価は4,226円(8月18日終値)と、史上最高値の1万6,300円(2000年3月)に対して4分の1程度に留まります。10年前と比べても、ソニーの株価は▲22%安となっています。これは、電気セクターの勝ち組とされる日本電産(6594)の+209%上昇や、村田製作所(6981)の+108%上昇に比べて大きく見劣りしています。

もちろん、史上最高値が記録された時代はITバブル期であったという特殊事情があるため、比較としてはふさわしくないかもしれません。また、過去と現在とでは外部環境も大きく異なります。最高益更新が射程圏に入ってきたからといって、株価が必ずしもそうなるべきとは限らないことには注意すべきでしょう。

とはいえ、株価の戻りが出遅れているのは、ソニーはまだ完全復活ではなく、回復の途上と評価されているからなのかもしれません。また、仮に今年度に最高益が更新されたとしても、その後の中期的な業績拡大ポテンシャルに対しては、株式市場にはまだ慎重な見方があるという可能性には留意したいと思います。

6年目に入った平井社長体制

2018年3月期はソニーの「第二次中期計画」の最終年度であり、2012年にハワード・ストリンガー氏の後を継いで社長に就任した平井一夫社長にとっては6期目の年度となります。

このため、中期的な業績拡大ポテンシャルを見極めることは、すなわち次の中期計画がどのようなものになるのかを考えることになると言えます。また、そこにおける事業遂行を、7期目以降も平井社長が担うのか、あるいは次期社長への交代があるのかを見通すことでもあります。

次の社長は誰か?

では、仮に平井氏が今年度を最後に勇退し、次期社長にバトンタッチするとした場合、誰がその候補として考えられるのでしょうか。

ソニーの場合、コーポレートガバナンスの形態として「指名委員会等設置会社方式」を取っており、CEOおよび執行役、ならびにそれらに準ずる者の後継者計画の評価は、取締役会により任命された指名委員会が決めることになっています。このため、「次は誰か」という問いに対する答えは、そこでの決定を待つことになります。

よって、今回は「頭の体操」として、公開情報である同社のホームページに掲載されている現在のソニーの役員一覧を眺めながら次期社長について考えてみました。すると、そのなかで関心を引いたのは以下のプロフィールでした。

十時 裕樹(ととき ひろき)氏
執行役 EVP CSO
中長期経営戦略、新規事業担当
モバイル・コミュニケーション事業担当
ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 代表取締役 執行役員社長

なぜ、十時氏のプロフィールが気になったのか。その理由は、これまで社長就任直前のポジションが、十時氏のようなCSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)や経営戦略策定担当であった事例が思い起こされるからです。

具体例としては、現在のオムロン(6645)の代表取締役社長 CEOである山田 義仁氏や、NEC(6701)の元社長で現在は代表取締役会長である遠藤信博氏などです。

十時氏とはどのような人物か

十時氏は、1987年に早稲田大学商学部を卒業後にソニーに入社し、財務部門でキャリアをスタートしています。その後、ソニー銀行やソニーのインターネット事業会社であるソネットを経て、2013年ソニーに戻り、モバイル事業を担当してきました。2017年6月にはCSOに就任し、ソニーの中期経営計画の策定を担当しています。

銀行やインターネットサービス事業など新規事業を立ち上げてきた実績、医療情報サイトを運営するエムスリー(2413)の創業段階に投資を行い大きく成功させたという投資における目利き力、ソニー出身でありながら長きにわたり本体以外での業務経験が長いため、幅広く事業を展開しているソニーを客観視できている、などが同氏の強みではないかと考えられます。

十時氏以外に候補はいないのか

もちろん、十時氏以外にも、有力な次期社長は多くいると推察されます。具体的には、現在のソニーの稼ぎ頭となっている半導体を率いてきた鈴木智行執行役副社長、同じく稼ぎ頭であるゲーム担当のアンドリュー・ハウス執行役EVP、赤字続きであったテレビ事業を立て直した高木一郎執行役EVPなどです。

ソニーの歴代社長を振り返る

最後に、これまでのソニーの社長の一覧を下表に示しました。ソニーというとハイテク企業であるため、理系社長が多いのではないかというイメージがありますが、これまでの歴代10人の社長のバックグラウンドは、理系が4人、文系が6人となっています(注:大賀氏は芸術系ですがここでは文系にカウントしました)。

現在の社長の平井氏も文系出身者ですが、仮に十時氏が次期社長となると、ストリンガー氏以降3代連続しての文系社長ということになります。

ソニーの歴代社長一覧

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投信1編集部

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投信1編集部は、証券アナリストやファンドマネージャーとして長年の調査経験を持つメンバーで構成されており、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデアをわかりやすくお届けします。