安心できる鳥貴族の味

皆さんは「鳥貴族」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?

鳥貴族は2014年に東証ジャスダックに上場(IPO)、2015年に東証2部に市場変更、2016年には東証1部に指定されていますが、焼き鳥を始め全メニューを280円均一(税抜)で提供する店として、以前から居酒屋業界ではその名を知られる存在でした。

初めて鳥貴族に行った時、斬新な価格設定にも驚きましたが、そのボリュームと”焼き鳥屋”ならではの安心できる味(居酒屋の焼き鳥は外れも多い)に満足したことを今でもハッキリと覚えています。

その後、プライベートの飲み会で使うことも多く、居酒屋もいいけれど焼き鳥中心に食べたいという時に鳥貴族は必要不可欠な存在となり、現在に至っています。まさかIPOするとは予想していませんでしたが。

焼き鳥屋とラーメン屋に共通するのは

ただ、筆者にとっては焼き鳥は非常に奥の深い世界でもあります。確かに鳥貴族の焼き鳥は旨いが、どうしても行きつけの焼き鳥屋の味のほうに軍配を上げてしまいます。

けれど、これは仕方がないと思うのです。その一例がラーメン屋。個人経営のラーメン屋は正直、当たり外れが大きいのですが、当たれば感動的な旨さの店に出会うことがあります。一方、チェーン店系のラーメン屋でも美味しい店がありますが、”うーん”とうなるほどのインパクトは少ないと感じます。

もちろん、味の好みは千差万別なので、ここでは筆者の個人的な印象にもとづいて話を進めます。

チェーン店系では、確かに旨いけれど、ある一定の幅の中に収まっているというか、これがいわゆる画一化された味なのかと思うことがあります。しかし、これはセントラルキッチンで調理した食材を利用するチェーン店では止むを得ないことでしょう。

それに全国に店を構えたり、IPOをしているようなラーメン店だと、一部の熱狂的なファン受けよりも大多数が安心できる万人受けする味を求めざるを得ません。焼き鳥もそれと一緒だと思います。

同じ焼き鳥屋でも、チェーン店系の鳥貴族と行きつけの焼き鳥屋には求めるものが違うと思っています。鳥貴族は値段も味も安心でき、飲み会などで愛用の店になっていますが、純粋に焼き鳥を楽しむという観点ではどうしてもお気に入り=行きつけの焼き鳥屋に足が向かいます。

最初の一口で旨い!と感じる店があるからやめられない

先日、新たな焼き鳥屋を開拓した際に、最初の一口でこれは旨い!と感じる店がありました。後日、別の焼き鳥屋に行った時は全くそんな感想を抱かなかったため、純粋にそのお店の焼き鳥は格別だったのだと思わされました。

この最初の一口で感動する幸せ。これがあるから焼き鳥はやめられません(他の食べ物でも同じでしょうが)。行きつけの焼き鳥屋は間違いなくこうした満足感を味わわせてくれます。とはいえ、銀座などの高い焼き鳥屋ではなく、全く普通のお店です。

旨い焼き鳥とビール、これさえあれば仕事の疲れも吹き飛ぶというものです。

老夫婦の店頭焼き鳥店で焼き鳥の奥深さをさらに感じる

以前、あるスーパーの近くで老夫婦が運営する店頭売りの焼き鳥屋を発見しました。持ち帰りのみの店で、1本100円以下の非常に安い価格です。

家飲み用のつまみとしてモノは試しと数本買って、家で食べて驚きました。下手な焼き鳥屋をしのぐ味わいで、以後完全に常連です。店頭売りの安い店でも意外なクオリティーで、焼き鳥の奥深さを再発見することになりました。

ちなみにその店は人気店で、平日も常時お客さんが絶えません。家庭の夕食の一品料理としても利用されているようで、地元ではちょっとした有名店です。

まとめにかえて

先日、十数年ぶりに大学の同級生との飲み会が鳥貴族で開催されました。学生当時は鳥貴族は存在していませんでしたが、なぜか幹事は鳥貴族を予約していました。恐るべし鳥貴族の浸透力。

旨さに感動する行きつけの焼き鳥屋も大好きですが、懐かしい話をしながら散々飲んで食べても安心できる鳥貴族も欠かせないと再認識できる飲み会となりました。

奥深い焼き鳥の世界、さっそく今晩試してみてはいかがでしょうか?

石井 僚一