ジャクソンホール会議で金融政策言及なく、方向感を欠く展開に

2017年8月25日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より98円84銭高の19,452円61銭となりました。外国為替市場で円高が落ち着いたことから、このところ売られていた自動車など輸出関連株を中心に買い戻しが進みました。

しかし、日本時間夜にイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が行われることから、積極的な売買を控える投資家も多く薄商いでした。東証1部の売買代金は1兆7,138億円で約4か月ぶりの低水準でした。

世界の中銀関係者が一堂に集まるジャクソンホール会議での講演で、イエレン議長は金融政策に言及しませんでした。市場では年内の追加利上げを示唆するとの思惑があったことから、失望感もあり、円を買いドルを売る動きが広がりました。円は一時、1ドル=109円11銭まで上昇しました。

25日の米株式市場はジャクソンホール会議が取引材料にならなかったことから、方向感を欠いた展開となりました。

一方、コーン国家経済会議(NEC)委員長が25日付の経済紙のインタビューで、トランプ大統領が来週から積極的に税制改革に取り組む予定であると語ったことから期待が高まり、ダウ工業株30種平均が一時、123ドルまで上昇する場面もありました。しかし、積極的に上値を追う材料はなく、終盤には売りに押され、前日比30ドル27セント高の21,813ドル67セントで終えました。

来週以降の動きはどうなるでしょうか。まず懸念されるのは、コーンNEC委員長の発言はあったものの、米政権運営の先行き不透明感が払拭できないことです。北朝鮮情勢を巡って地政学リスクも高まっています。

日本株は夏枯れ気味です。東証1部の売買代金は今週、活況の目安とされる2兆円を一度も超えませんでした。上値が重い展開が続いていますが、一方で、売られすぎた銘柄を買い戻す動きもあります。市場全体を押し上げるエネルギーは感じられず、底入れの判断はまだ難しいところですが、自律反発などを狙いながら、個別の銘柄を物色したいところです。

チャートの形は下降トレンドだが、値動きは小さい

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週末18日に窓をあけて大きく下落しました。ただ、ローソク足の実体は短く、十字線の形になっており、相場の反転も予感させました。

週明けからその窓を埋めるかどうかが注目されましたが、上ヒゲ付近で上値を押さえられ、さらに下落しました。

チャートの形は、25日移動平均線が75日移動平均線を下抜けたデッドクロスになっています。5日、25日、75日の移動平均線がいずれも下向きで下降トレンドになっています。ただし、値動きは小さく、今週の高値と安値の差は200円程度でした。

本格的な底入れ判断は19,500円を超えてから