株式市場の振り返り-日経平均株価は続落、売り一巡後は底堅い動きに

2017年8月29日(火)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 19,362円(▲87円、▲0.5%) 続落
  • TOPIX 1,597.7(▲2.3、▲0.2%) 3日ぶり反落
  • 東証マザーズ総合指数 1,093.3(▲6.1、▲0.6%) 6日ぶり反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:881、値下がり銘柄数:989、変わらず:144
  • 値上がり業種数:12、値下がり業種数:21
  • 年初来高値更新銘柄数:105、年初来安値更新銘柄数:59

東証1部の出来高は13億8,700万株、売買代金は1兆8,160億円(概算)となり、いずれも前日より小幅増加しました。

北朝鮮が発射した弾道ミサイルが日本上空を通過して太平洋に落下するという“北朝鮮リスク”再燃が起きたものの、多くの投資家は引き続き模様眺めに徹したと見られます。懸念された狼狽売りは限定的だったものの、売買代金は7日連続で2兆円を割り込む閑散相場となりました。

そのような中、日経平均株価は円高進行を受けて寄り付きから大幅下落となりました。前場の序盤には一時▲170円安となる場面も見られましたが、売り一巡後は買い戻しが優勢となります。後場の終盤には一時▲68円安まで下落幅を縮小しましたが、結局は続落で引けました。

なお、TOPIXも同じような値動きでしたが、下落率は日経平均株価より小幅に止まるなど、全体的に底堅さが目立ったと言えます。

東証マザーズ総合指数は6日ぶり反落、売買代金は3日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は5,725万株、売買代金は697億円となり、いずれも前日より減少しました。新興市場は本来、北朝鮮によるミサイル発射の影響は限定的なはずですが、個人投資家の様子見スタンスは予想以上に強かったようです。売買代金は3日連続で1,000億円を割り込む薄商いが続きました。

また、総合指数も6日ぶりに反落となり、小休止という形です。今後は個人投資家の資金回帰が待たれますが、時間を要するかもしれません。

ユニー・ファミリーマートHDが急落、SUBARUや日産自動車は上昇

個別銘柄では、ファーストリテイリング(9983)、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)、大塚ホールディングス(4578)などが大きく値を下げ、いずれも年初来安値を更新しました。

また、金融株と不動産株の下落が続き、りそなホールディングス(8308)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、三菱地所(8802)、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)などが軒並み年初来安値更新となっています。

その他では、村田製作所(6981)やアルプス電気(6770)が大幅下落となり、アドバンテスト(6857)は安値更新で引けました。

一方、ファナック(6954)が値を上げ、安川電機(6506)やコマツ(6301)も上昇となりました。また、円高進行にもかかわらず、SUBARU(7270)や日産自動車(7201)など自動車株の一角が堅調に推移し、ハイテク株ではソニー(6758)も上昇しています。

新興市場では、アンジェス(4563)が急落し、そーせいグループ(4565)やサンバイオ(4592)など医療バイオ関連銘柄が総じて下落しました。また、ドリコム(3793)やサイバーステップ(3810)なども大きく値を下げて引けています。

一方、串カツ田中(3547)が大幅高となり、ブランジスタ(6176)も堅調に推移しました。また、ユーザベース(3966)は取引時間中に年初来高値を更新しましたが、その後は売りに押されて安く引けています。

青山 諭志