フライドチキンの日本KFC、停滞続く業績のテコ入れは可能か?

ピザハットを売却して原点回帰へ

9月9日はカーネルズデー

9月9日は「カーネルズデー」です。これは、日本ケンタッキー・フライド・チキンが、米国ケンタッキー・フライド・チキン社の創業者であるカーネル・サンダース氏の誕生日に因んで2003年に制定しました。毎年、このカーネルズデーには、限定メニューの販売や、店舗限定の「オリジナルチキン」食べ放題イベントの開催等を行っています。

カーネル・サンダースはKFCの創業者

1890年生まれのカーネル・サンダース氏は、軍隊への入隊や様々な職種を経験した後、1920年に米国ケンタッキー州でガソリンスタンドの経営を始めます。そして、1930年からそのガソリンスタンドの一角に「サンダース・カフェ」というレストランコーナーを始め、当時としては大盛況の店になったようです。この店の目玉料理がフライドチキンでした。

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1953年、サンダース氏は他のレストランにフライドチキンの調理方法を教えて歩合を得るという新しいビジネスモデル(現在のフランチャイズ)を始めました。その後、世界有数のチェーン店に発展して今日に至っています。なお、サンダース氏は1980年に白血病で亡くなっています。享年90歳でした。

さて、そんなカーネル・サンダース氏が設立したケンタッキー・フライド・チキン社ですが、彼が第一線を引退後に何度も買収されています。一時はペプシコ社の傘下にあり、現在はペプシコからスピンオフしたヤム・ブランズの傘下にあります。

日本におけるKFCの事業展開の歴史

一方、日本での展開はどうでしょうか。日本では、三菱商事と米国KFCコーポレーションとの合弁という形で、日本ケンタッキー・フライド・チキン社が1970年に設立されました。その後、1990年に東証2部に上場し、2007年には三菱商事が米国KFCの持分を買い取ったことで、三菱商事の連結子会社として歩んできました。

なお、2015年11月に三菱商事が持分の一部を売出したことで、三菱商事は親会社から関連会社に変わっていますが、依然として最大株主(持ち株比率34.6%)として影響力があります。なお、日本ケンタッキー・フライド・チキン社は現在、その持ち株会社である日本KFCホールディングス(9873)の傘下にある100%子会社です。

今年6月にピザハット事業を売却、実質的にフライドチキンのみに

日本KFCホールディングスは、フライドチキンのKFC事業(2017年3月期の売上構成比78%)、宅配ピザのピザハット事業(同17%)、その他(主にレストラン事業、同5%)となっています。この数字を見てお分かりの通り、KFC事業が主力事業となっており、また、営業利益のほとんどがKFC事業から生み出されています。

さらに、もう一つの柱であるピザハット事業に関しては、今年6月に投資ファンドへの売却が行われており、既に日本KFCホールディングスから外れています。また、その他事業もピザハットに係る比率が大きいため、実質的には、「現在の日本KFCホールディングス=昔の日本ケンタッキー・フライド・チキン」と考えていいでしょう。

日本での歴史はマクドナルドより古い

日本におけるKFCの事業展開の歴史は古く、第1号店のオープンは1970年11月です。これは、マクドナルドの日本1号店(1971年7月)より9カ月近く早いものでした。

現在の店舗数は1,149店舗(直営326店舗、FC823店舗、2017年3月末)まで拡大しましたが、マクドナルドの2,911店舗(2016年末)の半分もありません。日本人にとって鶏の唐揚げは大好物と思われますが、アルコールやご飯なしで、そのまま食べるのは合わないのでしょうか。

業績の停滞感を打破できるか

日本KFCホールディングスの業績もなかなか上向かない状況が続いています。売上高はこの10年間(途中の決算期変更を除く)、ほぼ830~880億円のレンジで推移しており、頭打ち感が強くなっています。

また、経常利益率を見ても、2010年度あたりまでは4%超という期も見られましたが、最近は3%を超えることがなくなりました。これは円安による輸入食材の値上がりに加え、「ファミチキ」に代表されるコンビニ商品等との競合が激化しているためと推測されます。

それでも、KFC事業は波の少ない安定事業と言えます。前述した通り、収益的には芳しくなかったピザハット事業を売却したことで、本来の主力事業であるKFC事業へのリソース集約が可能になるかもしれません。

原点に回帰したというのは大袈裟かもしれませんが、日本KFCホールディングス、実質的には、日本ケンタッキー・フライド・チキン社の今後に注目したいと思います。

日本KFCホールディングスの過去2年間の株価推移

投信1編集部

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