【日経平均株価】北朝鮮核実験で19,300円割れ。円高もさらに加速か

【株式テクニカル分析】2017年9月9日

北朝鮮リスクが高まり、円高、株安が進む

2017年9月8日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より121円70銭安の19,274円82銭となりました。4月下旬以来、約4か月半ぶりの安値です。9日には北朝鮮の建国記念日を迎えることから、地政学リスクの高まりを警戒し、持ち高を整理する売りが出ました。昨年はこの日に5回目の核実験を実行しています。

北朝鮮は9月3日に6回目の核実験を行いました。核弾頭の小型化に成功したとの見方もあります。9日には大陸間弾道ミサイル(ICBM)などを発射し、国際社会に対して追加の挑発を行う可能性もあります。

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日本株にとって北朝鮮の動きが逆風になっています。大きな要因は円相場です。有事になると安全資産とされる円が買われる傾向があります。3日の核実験を受けて、4日の外国為替市場では円相場が大幅に上昇し、一時、1ドル=109円台前半まで円高が進みました。

今後の展開はどうなるでしょうか。北朝鮮リスクは引き続き楽観できる状況ではありません。9日の建国記念日を過ぎても、10月10日には朝鮮労働党の創建記念日を迎えます。海外の投資家もなかなか積極的に買いに回ることができないでしょう。

円高傾向が続くことも懸念されます。8日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、1ドル=107円80~90銭で取引を終えました。約10か月ぶりの高値です。108円付近は、心理的な節目となるだけでなく、日本企業の中には想定為替レートを1ドル=108円とするところも少なくありません。このまま、さらに円高が進むと、2018年3月期の決算の内容に影響が出る可能性があります。

ただし、地政学リスクは時間の経過とともに落ち着く場合も少なくありません。北朝鮮情勢の緊張が緩和されるようであれば、海外の機関投資家なども、業績が好調で割安感のある日本株に資金を振り向けることも期待されます。当面は様子見になりそうですが、チャンスには積極的についていきたいところです。

10か月ぶりに200日移動平均線を割り込む

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は北朝鮮によるミサイル発射を受けて一時下落したものの、200日移動平均線で反発し、一時、25日移動平均線も回復しました。

しかし、その週末に核実験を行うと、翌4日から長い陰線となって下落しました。一時は、直近の安値の19,300円や200日移動平均線付近で押し目買いの動きもありましたが、下押し圧力は強く、けっきょく、19,300円も割り、200日移動平均線もローソク足の実体で下抜けてしまいました。200日移動平均線を割り込むのは10か月ぶりです。

早期に200日移動平均線を回復できなければ目線は下に

今後の動きはどうなるでしょうか。現状は、19,300円前後や200日移動平均線付近でのサポートが崩れた形になっています。来週初はまずこのあたりを回復できるかどうかがポイントになります。

19,300円前後は、8月中旬からのレンジの下限となっていました。ここを回復できないと、今後はここが上値抵抗線になってしまいます。200日移動平均線も同様です。

その場合、目線は下に持たざるを得ません。下値のめどは、過去に窓を空けている19,100円、心理的な節目となる19,000円あたりになります。ただ、このあたりはもみ合いも小さいことから、状況によっては一気に加速して下落することも考えられます。そうなると視界は広くなり、窓を空けている18,600円、さらには4月17日の安値の18,224円あたりも見えてきます。

一方で、北朝鮮リスクが払拭できないことから、来週初から急に反発することは考えにくいところですが、状況が読みづらいことから、当面は今週の安値である19,200円あたりから9月1日の高値の19,700円あたりの値幅でもみ合うことも考えられます。

下原 一晃

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下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。