地方都市の星、福岡市は今なぜ圧倒的に元気なのか

「スタートアップ都市」に企業が注目、グローバル化も進む

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福岡市は人口増加数・増加率、さらに若者の割合も政令市中1位

地方都市では、人口減少が進み元気がないのではないか。そんなイメージを拭い去るようにパワフルな街があります。九州の福岡市です。

注目すべきは、人口の増加です。福岡市のサイト「Fukuoka Facts データでわかるイイトコ福岡」によれば、同市の人口は153万8000人あまりですが、2010年~2015年の5年間に74,938人(増加率5.12%)も増えています。

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この数値は政令指定都市(以下、政令市)中ナンバーワンで、2位の川崎市(49,701人・3.49%増)を大きく引き離しています。さらに若者(10代・20代)の割合も、22.05%と、政令市中1位になっています。

注:データの出所はいずれも国勢調査(2015年)

九州の陸海空の玄関口という好条件に加え、将来の伸びしろも大きい

もともと福岡市は、九州の陸海空の玄関口となる特長を備えています。新幹線、港湾、空港がすべて半径2.5km圏内に集まる世界でも有数のコンパクトシティです。特に福岡国際空港はJR博多駅から地下鉄でわずか5分というアクセスの良さです。

中心部ではビジネス環境や商業施設が整っている一方で、少し足を伸ばせば海や山にも近く、レジャーやスポーツを楽しむことができます。海の幸、山の幸が集まることから、安くておいしい食べ物も豊富です。

もともと人が集まる条件を備えていた福岡市ですが、それをさらに加速させたのがグローバル化の進展です。ビジネスでは中国をはじめとするアジアの新興国が台頭しています。福岡市は国際会議の開催件数も7年連続、政令市中1位です。

海外からの観光客数も急増しており、2015年の同市への入込観光客数は約1,974万人で、5年間で300万人以上増えています。

期待されるのは、福岡市のさらなる成長です。野村総合研究所(NRI)が7月5日に発表した「成長可能性都市ランキング」で、福岡市は「ポテンシャルランキング(実績とポテンシャルの差分で見た“伸びしろ”)」で第1位となっています。

高島市長のリーダーシップで、大胆な規制緩和を進める

福岡の成長をさらに加速させる要因になると考えられているのが、「スタートアップ都市」への改革です。

海外には米国のシアトルのように、自然が豊かなコンパクトシティでありながら、マイクロソフトやアマゾン、スターバックスのような企業を生み出した都市がいくつかあります。

史上最年少の36歳で初当選し現在2期目の高島宗一郎福岡市長は、「スタートアップ都市・福岡」を目指し、IT活用やスタートアップ支援策などの取り組みを積極的に取り組んでいます。

2014年には「グローバル創業・雇用創出特区」に選ばれ、スタートアップ支援センターや施設の設置のほか、法人減税(市税・国税)などの制度を矢継ぎ早に打ち出しています。

都心部・天神地区でのオフィスビルの容積率の緩和や、航空法による建物の高さ制限の緩和など、前例のない大胆な規制緩和も実行しています。

大手企業も「スタートアップ都市・福岡」に注目

前述したような福岡市の取り組みを受けて、この5年間で50社以上が福岡市に進出しました。

このうち10社は本社機能を福岡市に移転しています。さらに、新規起業も進んでいます。福岡市での2015年度の開業率は7.0%で、政令市と東京23区を合わせた全国21主要都市の中で第1位でした(福岡アジア都市研究所調べ)。

大手企業も「スタートアップ都市・福岡」に注目しているようです。

日本IBMは2016年、九州発のハッカソン「イノベート・ハック 九州」を福岡市で開催。凸版印刷は2017年8月、ベンチャー支援の一般社団法人・スタートアップゴーゴー(福岡市)と組み、「オープンイノベーションプログラム」を立ち上げました。

また、デジタルガレージも9月、福岡地域戦略推進協議会と提携し、福岡市におけるスタートアップ起業支援を開始しています。

まさにシアトルのように、九州・福岡から世界にインパクトを与える企業が生まれるといいですね。大いに期待したいところです。

下原 一晃

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下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。