課税対象になるビットコインの利益。でも、どうやって計算するの?

管理会社による利益計算ツールの提供に期待

ビットコインを使用したら雑所得

平成29年9月に、ビットコインを使用した際の利益は雑所得ということで、国税庁が見解を出しました。

しかし、この見解は非常に淡白です。そもそも、「使用」ということが何を指すのか明確ではありません。「物品の購入等」と書いてあるので、お店でビットコインで支払った場合はもちろんですが、ビットコインを換金した場合も含むと考えられます。

あるいは、ビットコインで他の仮想通貨を購入した場合なども含むかもしれません(注)。ビットコインを指定しているのは、街での買い物に使えるのがビットコインだからということなのかもしれませんが、街での買い物以外でも換金すべてが使用にあたると考えられます。

続きを読む

いずれにしても、ビットコインでモノを買ったり、換金したりという場合には雑所得として課税が行われるということのようです。ビットコインでモノを買えば、いったん換金してモノを買ったと考えればよいでしょう。

注:この点は意見が分かれるところではありますが、仮想通貨自体は最終的にお金やモノに替える目的で持つものであり、仮想通貨を購入したことで何ら便益を受けたわけではないので、他の仮想通貨を購入してもビットコインの使用には含めなくてもよいのではないかとも思えます。

一口に利益と言っても計算方法は?

当たり前の話ですが、モノを売ったときの利益は、売った値段から、仕入れた金額や売るためにかかった経費を引いて計算します。株式も、売値と買値の差額から売買手数料を引いて利益を計算します。

ビットコインも同じ話です。売った値段から、買った時の値段を引けば計算できます。しかし、モノや株式などと決定的に違う点があります。それは、買った時の値段が非常に把握しづらいということです。

売った時の値段は入金された金額そのものなので、簡単です。しかし、ビットコインのように頻繁に入出金を繰り返して、かつ売買単位も細かい(ビットコインは小数点第5位以下まであります。)ので、今回売ったビットコインがいつ買ったものなのかということが非常に把握しにくいのです。

現状では、仮想通貨口座の管理会社も、証券会社のように決められた方法で取得価額を計算してくれるということもありません。そもそも国税庁のページは、課税すると書いていますが、買った時の値段をどのように計算すればよいかということまでは触れていません。

ここは、各自が計算するしかなさそうです。ビットコインをモノと同じようにとらえれば、先に買ったビットコインから売ったと考える方法、いわゆる先入先出法や、購入した都度平均していく移動平均法などがあります。

ただ、ビットコインのように売買単位が細かい場合は、先入先出法は計算が大変です。一方、移動平均法なら、Excelなどの表計算ソフトを使えば、簡単に単価を出すことができます。売買履歴をExcelの形にするのが大変そうですが、一度やり方を作れば計算自体はそれほど難しくはなさそうです。

いずれにしても、課税はする、と国が言っている以上は、何らかの形で利益を計算して確定申告する必要があります。

今後のビットコインの管理会社に期待

現状では、まだ国税庁のスタンスが明確でなかったため、ビットコインの管理会社も税金の計算のためのツールまでは提供していませんでした。

しかし、今後、ビットコインの買った値段の計算方法が明確になれば、証券会社のように、ビットコインの管理会社も課税のための利益計算ツールの提供をしてくれるのではないかと思います。それまでは、各自ががんばって計算するしかなさそうです。

渋田 貴正

ニュースレター

PR

渋田 貴正

税理士・司法書士・社会保険労務士

東京大学経済学部卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。
在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。