日経平均が高値だった21年前はどんな時代? 今との意外な共通点も

景気はピーク、平成大不況前夜だった21年前

直近の世界株式市場で突出している日本株のパフォーマンス

東京市場での株価上昇が続いています。約1カ月前と比べた騰落率は、日経平均株価が+9.8%上昇、TOPIXも+7.2%上昇となっています。

この上昇率は、米国(NYダウが+4.9%、Nasdaq指数が+3.9%)、欧州(英国+2.1%、ドイツ+5.6%)、主な新興国(香港+2.9%、中国上海+0.8%、インド+1.7%、ブラジル+5.4%)と比べても高く、とりわけ、日経平均株価の上昇率が突出していることがわかります(注)

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確かに、それまでの日本株が出遅れていた面はありますが、この1カ月間のいわゆる“選挙相場”が大きな押し上げ要因になったことは確かでしょう。

注:株価指数の騰落率は9月8日(金)と10月13日(金)の終値比較。また、米国を除く各国は代表的な指数の騰落率。

日経平均株価は10連騰、約21年ぶりの高値更新中

10月13日の日経平均株価は今年初の9日続伸となり、終値(21,155円)は1996年11月27日以来となる20年11カ月ぶりの高値で引けました(以下、「約21年ぶり」とします)。また、週明けの16日も値を上げて10日続伸となっています。

ただ、“21年ぶりの高値更新”と聞いてもピンと来ない人も多いでしょう。実際、21年前となれば、まだ物心ついていなかった人も多いと思われますし、中には生まれていなかったという人もいるでしょう。

その21年前の1996年10~11月はどのような時代だったのか、ここで改めて振り返ってみましょう。実は、現在と似通った点や、関連深い点が少なくないことがわかるのです。

21年前のNYダウは6,000ドル、現在は22,800ドルまで上昇中

まず、その21年前の金融市場の指標をいくつか見てみましょう。前述の通り、日経平均株価は現在と同じ水準でした。一方、米国のNYダウは約6,000ドル(1996年10月末終値6,029ドル)で、現在は22,800ドルを超えています(10月13日終値)。

重要なことなのでもう一度言います。当時のNYダウは約6,000ドルでした。つまり、この21年間で米国株は約3.8倍に上昇しているのです。“21年ぶりの高値…”という次元ではありません。逆に言うと、この間の日本株がいかに低迷していたかが分かります。

金価格は現在の3分の1にも満たない水準だった

また、当時の金(ゴールド)価格は、1トロイオンス=380ドル程度でした(1996年10月平均値381.7ドル)。現在の価格が約1,300ドルですから、こちらも約3.4倍超に上昇しています。ただ、金価格は2011年8月に一時約1,900ドルを付けていますので、ピークからは▲30%以上下落したことになり、最高値更新が続く株式とは様相が異なります。

なお、当時の為替相場を見ると、意外にも現在とほぼ同水準の111~113円/ドルでした。ちなみに、当時はまだ欧州単一通貨であるユーロは誕生していませんでした。

1996年10月にも解散総選挙、新党誕生、そして“排除”も

21年前と現在での最大の共通点は、当時も解散総選挙(1996年9月27日解散、10月20日投票)が行われたことです。そして、この解散時に「民主党」という新たな政党が誕生しました。

当時、若手有力政治家として知られた鳩山由紀夫と菅直人が設立したのですが、結成時に他政党(新党さきがけ等)から合流しようとした保守色の強い議員を“排除”したのです。これは、1996年の「新語・流行語大賞」に選ばれた3つの中の1つが「友愛/排除の論理」(受賞者:鳩山由紀夫)だったことから分かる通り、大きな話題となりました。

“あれ? 現在の「希望の党」と似ている”と思った方も多いはずです。今から21年前に同じような出来事があったというのは、単なる偶然でしょうか? なお、民主党はこの総選挙で52議席を獲得、その13年後には自民党を破って政権を奪取しました。さて、今回の「希望の党」はどうなるのか興味が尽きません。

引退発表の安室奈美恵、21年前はアムラー現象を起こす

芸能・社会に目を向けると、21年前の秋頃は“アムラー現象”がピークを迎えていました。アムラー現象とは、歌手の安室奈美恵を模倣したファッション(ミニスカート・厚底ブーツ・茶髪のロングヘア・細眉が特徴、日焼けサロンでの顔黒も)を指し、若い女性を中心に社会現象となりました。

また、安室奈美恵はこの年「日本レコード大賞」を受賞し、人気と実力を兼ね備えた歌手として不動の地位を築いたのです。その安室奈美恵も、先日、来年(2018年)での引退を正式発表しました。21年間という月日の長さを感じずにはいられません。

21年前は、その時点が景気のピークとなった

そして、今振り返ると、21年前は解散総選挙時が景気のピークでした。その後は、消費増税(3%を5%へ引き上げ、1997年4月)、日本の金融危機(金融機関の相次ぐ破綻)、アジア通貨危機へと繋がり、平成大不況が始まったのです。

株価も同じように下落トレンドを辿り始め、途中でITバブル期を含めて何度か上昇時期はありましたが、結局、21年後まで同水準には戻りませんでした。今回の株高局面はどうなるでしょうか。

そう言えば、21年前にも“株価はまだまだ上昇が続く”、“そう遠くない時期に日経平均株価は3万円回復”という類の勇ましい予想が数多くありました。21年前の教訓を活かしたいものです。

投信1編集部

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