「加熱式たばこ」も規制されるのか? 2020年オリパラに向け先行する東京都

気になる受動喫煙防止法案の行方

解散総選挙で「健康増進法改正法案」提出が先送りに

いよいよ、明後日の日曜日に第48回衆議院議員総選挙が行われます。選挙後は、先の臨時国会で予定されていた審議が先送りになった各法案の行方が注目されますが、中でも気になるのが受動喫煙対策を強化するための「健康増進法改正法案」です。

この、いわゆる「原則禁煙法案」は2017年6月に閉会した通常国会では自民党内の意見がまとまらず、見送られていますが、周知徹底のためには2年程度が必要とされています。そのため、2020年夏の東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせるためには、遅くとも2018年半ばまでには法案が成立している必要があります。

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先行する東京都

一方、東京都では国に先立って「原則禁煙」を推進しています。2017年10月5日には東京都議会で、「子どもを受動喫煙から守る条例」が自民党を除く賛成多数で可決しています。

この条例には罰則はないものの、学校や公園の周辺で受動喫煙防止に努めることや、18歳未満の子どもに受動喫煙をさせないよう努めるのは「都民の責務」と明記し、親や喫煙者に、子どものいる部屋や自動車で喫煙しないこと、分煙対策が不十分なカラオケボックスやレストランなどに子どもを立ち入らせないことを求めています。

また、この条例とは別に、東京都はレストラン、居酒屋、パチンコホールなどの屋内で「原則禁煙」の罰則付きの条例案を2018年2~3月に都議会に提出し、2020年のオリンピック・パラリンピックの前年に開催されるラグビーワールドカップ(開催期間:2019年9~11月)に間に合うよう施行を考えているとしています。

そこで、とりわけ注目されるのが、最近急速に人気を集めている「加熱式たばこ」の扱いですが、9月8日に公表された「東京都受動喫煙防止条例(仮称)の基本的な考え方」では、「紙巻きたばこ」と同様に禁止対象として盛り込まれています。

都議会の自民党は修正を求める可能性が高いものの、国会とは異なり都議会では与党ではないため、原案に近い形で条例が可決される可能性が高いと考えられます。

日本たばこ産業の国内たばこ事業はどうなるのか

当然ながらこうした喫煙に対する規制強化は、たばこ会社に大きなダメージを与えると考えられます。

日本たばこ産業(2914)では、2017年12月期の紙巻販売数量を930億本(前年比▲12.4%減)と予想していますが、規制強化によりたばこ離れがさらに加速する可能性も考えられるため、来年以降もさらに下落トレンドに拍車がかかると考えられます。

また、同社では、紙巻たばこの落ち込みを、煙の出ない加熱式たばこ(プルームテック)でカバーしていく考えです。

ただし、東京都と同様、厚生省の「原則禁煙法案」も加熱式たばこを紙巻たばこと同様の扱いとした場合には、こうした戦略に見直しが迫られることも考えられます。

まとめ

選挙後は、「健康増進法改正法案」がどのタイミングで、どのような内容で再提出されるかが注目されるところですが、いずれにせよ、オリンピック・パラリンピックに向けて喫煙に対する規制が一段と強化される流れは大きくは変わらないと思われます。喫煙者はこれまで以上に肩身が狭い思いをすることになりそうです。

投信1編集部

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