牛丼を超えるカツ丼・とんかつ。「かつや」の利益は吉野家を超えていた

牛丼の吉野家を超えるカツ丼「かつや」の利益額

丼ものの専門店と言えば「牛丼」、「吉野家」というのがまず思い浮かびます。吉野家、松屋、すき家といった牛丼チェーン店は街中でよく目にしますが、いずれの会社も現在は牛丼専業から多角化へと舵を切っています。

一方、メジャーな丼ものの一つと言えるカツ丼の専門店に「かつや」があります。国内で387店舗(2017年6月末時点)を展開しているので、利用されたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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実は「かつや」を運営しているアークランドサービスホールディングス(3085)の利益額は、既に吉野家ホールディングスを上回っています。

  • アークランドサービスHD(2016年12月期) 売上高232億円、経常利益34億円
  • 吉野家ホールディングス(2017年2月期) 売上高1,886億円、経常利益27億円

国内に約1,200店舗の吉野家、そして「はなまるうどん」など他の業態も展開している吉野家HDは、売上高は1,800億円を超える大企業ながら、経常利益は27億円に留まっています。

一方、「かつや」主体のアークランドサービスHDは、売上高232億円ながら経常利益は34億円と、利益額では吉野家HDを上回る存在となっています。

松屋はとんかつチェーン出店に注力し増収増益に

「かつや」の快進撃を横目に、とんかつ事業に注力しているのが松屋ブランドの牛丼チェーン店で知られる松屋フーズ(9887)です。

同社は近年、とんかつ事業「松のや・松乃家」を展開。牛丼+とんかつの事業モデルは成功しており、業績は右肩上がりとなっています。

  • 2015年3月期 売上高811億円、経常利益21億円
  • 2016年3月期 売上高839億円、経常利益37億円
  • 2017年3月期 売上高890億円、経常利益50億円

松屋フーズも既に利益額で吉野家を上回っていますが、成長の大きな推進力はとんかつ事業。カツ丼事業中心の「かつや」の快進撃も納得がいくというものです。

「かつや」はFC展開を絡めたビジネスモデルがポイント

「かつや」の収益力の高さは、フランチャイズ(FC)展開を抜きに語ることができません。2016年12月期末時点で、全392店舗のうち直営が136店、FCは256店で、直営店舗比率は約35%です。

吉野家HDは直営店売上比率を開示していませんが、松屋フーズの2017年3月期の直営店売上比率は98%超と、ほとんどが直営店での展開です。

これに対し、「かつや」の成長は店舗数の約65%を占めるFC展開がカギを握っています。ただし「かつや」の直営店売上は売上全体の約50%前後で推移しており、事業的にFC店に依存している状況というわけではありません。

“直営店の成功モデルをFC店の経営に生かす”というFC展開の王道的スタイルが、「かつや」成長の源泉となっていると言えるでしょう。

カツ丼・とんかつ時代の到来か?

「かつや」以前から、とんかつチェーン店にはリンガーハットの「浜勝」、グリーンハウスフーズの「新宿さぼてん」などがあります。そこに「かつや」や「松のや・松乃屋」という成長株が加わり、カツ丼・とんかつチェーン店は新たな時代を迎えているようです。

実際、富士経済研究所によると、外食産業としての「とんかつ」の市場規模は、2015年の381億円(前年比+21%増)から2016年は444億円(同+17%増)に拡大しています。

高齢化が進む日本で、油を使ったカツ丼・とんかつのチェーン店が成長するというのは不思議な感もありますが、揚げ物の代表的な存在であるカツ丼やとんかつはやはり美味しいものです。今後も「かつや」そして「松のや・松乃屋」の快進撃が続くのか、時折店舗を訪れながら注目してはいかがでしょうか。

市場 夏知

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証券系投資会社を経て独立。株式市場分析、為替市場分析を得意とするが、為替市場の相対的な値動きに魅了され、現在は主にFXトレードを手掛けている。投資会社時代に培った分析力とレポーティング力を活かし、ライター業にも携わり複数媒体に寄稿中。
金融や企業分析を始めビジネス系のライティングを得意とするが、登山や食べ歩きが趣味でグルメ記事等の柔らか系の記事も執筆している。