「旅って意味なくね?」という主張。あなたは納得できる?

割と理屈は通っている気がする。でも…。

秋の行楽シーズン到来。この時期、人気の観光地には遠方からも近場からも観光客が押し寄せ、大にぎわいです。現地での観光や食事はもちろん、計画そのものや目的地までの道中など、旅の醍醐味を味わい尽くしたいという人も多いのではないでしょうか。一方「お金がかかる」「移動が面倒」といった理由から旅行はあまり好きではないという人や、そもそも旅行には興味がない人もいます。

今回はその中でも「旅行に全く意味を感じない」というA氏(40代・男性)が、旅を無意味だと感じる理由を語りました。「旅行好きな人を否定するわけではないですよ」と言いながらA氏が語ったその主張、あなたは同意できますか?

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家族旅行に参加せず、お正月も帰省しない

A氏は都内に住む中小企業の経営者。普段は自宅で仕事をしています。妻と小学生の子供2人との4人暮らしのA氏ですが、驚くことに「夏休みの家族旅行は僕一人行きませんでしたし、今度の正月も帰省するのは家族だけです」といいます。

「家族も『観光が好きでない人がいると全体の雰囲気が悪くなるから、嫌なら来なくてよい』と言うので。正月に帰省しない件は実家の母が妻に『変わった子でごめんなさい』と謝っているみたいですが」

なぜA氏は旅行に行かないのでしょうか。

主張1:時間も含めた「コスト」を考えると元が取れない

たとえば夏休みやお正月に新幹線や飛行機で家族旅行に行く場合、行き先や日数によっては10~30万円ほどかかるケースもあるでしょう。この出費に頭を悩ませながらもなんとか捻出する方法を考えているという人もいるはずです。

しかしA氏は「時間もお金も使って、得られるものは何?って考えたらもったいないですよね。僕からすれば旅行はすごく贅沢な行為なんです」と話します。そこで「東京~大阪間の往復で3万円かかるけれど、行けば必ず5万円もらえるイベントがあるとしたらどうしますか」と尋ねてみました。するとA氏は「行かないですよ。だって往復の『時間』が無駄じゃないですか。僕の時給はいくらなんだって話ですよ」と一蹴。

A氏が判断の軸にしているのは、お金だけでなく「時間」のコストといえそうです。「限りある時間を使うだけの意味があることなのか」という視点で判断すると、旅行はA氏にとって「意味がない」ということになるのでしょう。

主張2:現地まで行かなくても「情報を得る」ことはできる

「現地に行くからこそ触れたり感じられるものや、生まれてくるコミュニケーションがある」という反論もあるでしょう。これに対してもA氏の見方は懐疑的です。

「僕の場合は移動しなくても解決するんですよね。脳内に絵が見えちゃう。それに、現地に行って触ったり感じたりするよりも、文字で読んだほうがたくさん情報入ってきますよね。だからリアルに物を見なくてもいいんです。たとえば有名な観光地やお城だって、ドローンで見たほうが人間の目では見られないところまで見えますよ。そっちのほうがいいと思いませんか?」

主張3:家にいても「質の高い体験」はできる

A氏は旅行だけではなく外食などにもあまり興味がないといいます。

「たとえば最近はインスタントラーメンが進化して家でもおいしいラーメンを作れますよね。そうなると『外で食べる意味ってあるのかな』って思ってしまって。それにコーヒーだって自分が淹れるものが一番おいしい自信ありますし。外で飲んだら元が取れないじゃないですか」

こだわりのあるラーメンを探して食べに行ったり、雰囲気のいい空間でカッコいいバリスタさんにおいしいコーヒーを淹れてもらうのが楽しみという人には納得しがたい意見かもしれませんが、家にいても自分自身が満足できる体験が可能であるならばそちらのほうがよい、というのがA氏の考えのようです。

主張4:出かけなくても「ワンクリック」で欲しいものは手に入る

「家でできる体験が高まりすぎて、外にわざわざ出る意味がわからない」ともA氏は言います。移動して気分転換をするケースやその場で現物を触って確かめることについても「気分転換に1時間とか必要ですか?」「ワンクリックで届くのになんで外に出るんですか」という主張です。

A氏は最近「Google Home」を入手。家での生活がさらに快適になったといいます。ただし、これは仕事帰りに立ち寄ったビックカメラ有楽町店で手に入れたとのこと。リアルでの買い物を完全に否定しているわけではなく、タイミングが合えばしているようではあります。

まとめにかえて:結局のところ「出かけたい理由」があれば人は動く?

取材中、いわゆる旅行や外食に関して肯定的な発言がほぼなかったA氏ですが、それが一変する瞬間がありました。実はA氏は無類のサッカー好きで、ひいきチームのホームゲームはもちろん、アウェーでも足を運べる限り運んでいるというのです。

「すごく面白いですよ!臨場感も感じられますし。…あれ、興味ないですか?」

本人は気づいていなかったかもしれませんが、この発言、旅行好きが語る旅行の醍醐味とほぼ同じです。もしかするとA氏が興味を持てないのは「旅」の一般的な概念に基づく行動であって、もし遠方で開催される試合を観戦できる「旅」があれば、彼は出かけていくのではないでしょうか。

結局のところA氏も語っているとおり「費やすお金と時間を上回る体験ができるかどうか」で「旅をする意味」は決まり、その基準は人それぞれ、ということなのかもしれません。みなさんは、どう思われますか?

投信1編集部

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投信1編集部

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