Jディスプレイ、2Q営業損失は124億円 中国スマホ顧客向け販売減少が主因

2017年11月8日に行われた、株式会社ジャパンディスプレイ2018年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:株式会社ジャパンディスプレイ 執行役員CFO 大島隆宣 氏

17年度第2四半期 トピックス

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大島隆宣氏:ご紹介にあずかりました、大島と申します。よろしくお願いいたします。私から2017年度第2四半期の決算の概況をご報告いたします。お願いいたします。

3ページ目ですね。第2四半期のトピックスを記載しております。トピックスとしましては3点ほどありまして、1点目がここに記載してありますように、白山工場。これが今、稼働を始めております。この稼働にともなう固定費の増加と売上高の減少にともなう限界利益の低下等にともないまして、営業利益が124億円損失になっております。

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一方で、千葉県茂原工場におきまして、いよいよ当社のOLEDのパイロットラインが稼働を始めました。これは非常に、大きな変化であると感じております。

3点目に、(2017年)8月9日の、前回の決算発表のときに説明させていただきました、構造改革を実行しております。具体的には、今回の第2四半期で、構造改革費用の一部として138億円を計上しております。詳細につきましては、後ほどご報告いたします。

資料の下に記載されている数字が、今年(2017年)度の第2四半期の売上高・営業利益・経常利益・当期純利益。それと、2017年度第1四半期の数字と、対前年同期の2016年度第2四半期の売上とそれぞれの利益の数字が書いてあります。

為替は、前年同期比が102円でしたから大幅な円安でございますが、そこも含めても、残念ながら2017年度第2四半期は(営業損失が)124億円というかたちになっております。営業利益の分析につきましては、後ほどご報告いたします。

17年度第2四半期 連結業績

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次のページ、4ページ目をご覧いただけますでしょうか。これが第2四半期の損益計算書になっております。資料左側の赤枠で囲ったところが、今回のこの第2四半期の損益計算書でございまして、隣に対前年同期。それからいちばん右側に、2017年度第1四半期の数字が記載されております。

まず、2017年度の第2四半期(赤枠)の損益計算書でございます。

ここを見ていただけると、売上高が1,853億円。それに対しまして、売上原価が1,832億円。売上総利益が21億円ということで、非常に厳しい原価構成になっております。原価率が1.1パーセントというようなことであります。

これは前四半期と比べますと、こちらも非常に厳しい(原価率が)0.6パーセントという状況です。引き続き、原価構成としては非常に厳しい状況が続いているということが言えるかと思います。

一方で、営業外損益につきまして、72億円の計上をしております。それから、先ほど申し上げましたように、第2四半期は特別損失として138億円の構造改革費用を計上しております。ここ(資料)には153億円となっておりますが、この残りの15億円は、貸倒引当金を15億円計上しております。

そして、(税引前)当期純利益がマイナスの349億円というかたちでございます。

17年度上半期 連結業績

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次のページ、5ページ目をご覧いただけますでしょうか。第1四半期・第2四半期を合わせた上期の数字を記載しております。比較としては、前年同期の2016年度の上期となっております。

売上高としては、前年同期と比べましてほぼ同等でございます。ただ先ほども申し上げましたように、白山工場の稼働等の影響もありまして、原価率は大幅に悪化しております。

営業外収支に関しましては、昨年(2016年)為替の差損を計上しましたが、今回はそういったものがありませんので、営業外収支としては50億円を改善というかたちになります。

ただし、特別損失は第1四半期で27億円、それから今申し上げました第2四半期での153億円を足して、合計179億円ということです。ここが昨年同期と比べますと、大きく変化しているところでございます。

当期純利益は、昨年のマイナスの167億円に対して、今回はマイナス680億円というかたちになっております。

17年度第2四半期 営業利益増減要因

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次のページをご覧いただけますでしょうか。6ページ目でございます。これが当社の営業利益の推移でございます。左側のチャートが、対前年同四半期比の2016年度第2四半期。それから右側が、前四半期比になります。

対前年同期比で見ますと、売上が1,966億円から1,853億円ということで、およそ100億円ほど落ちております。この売上の減少は、ここの(資料の)分析で言いますと、数量MIXと書かれた約35億円のここ(左から2番目)に当たります。

一方で、原価の増減とあります。先ほど、原価率が非常に厳しいということを申し上げましたけれども、当社の場合売上に対する固定費の比率が、非常に大きくなっておりまして。この117億円の原価の増減のうち、およそ78億円が白山工場の追加固定費になっております。

一方、販売費及び一般管理費、いわゆるSGAと言われる費用項目でございます。これにつきましては、先ほどOLEDの茂原での試作ラインが始まったという話をさせていただきました。非常にこういった厳しい事業環境下でありますが、当社としましては、OLEDの開発は引き続き進めていきたいということです。対昨年に対しまして(販売費及び一般管理費が)増えている主な要因は、OLEDの開発研究費の増加でございます。

一方、為替は102円から変化しておりますので、為替差損益42億円を計上いたしました。

その結果、(売上高は)124億円減というようなことになります。対前四半期比で見ますと、売上1,886億円に対して1,853億円ですから、売上としてはほぼフラットということが言えるかと思います。ただ一方で、第1四半期は144億円の営業損失を計上したわけでございますが。

おかげさまで、まだ十分とは言えませんが、数量(MIX)及び原価増減。あと販売費及び一般管理販売費でございます。金額的には大きくはございませんが、前期比としては20億円程度の改善を計上しております。

連結貸借対照表

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7ページ目をご覧いただけますでしょうか。貸借対照表でございます。ここでいくつかポイントがあるんですが、まず在庫でございます。在庫は、今年度から売上原価に計上することにいたしました。前回まで売上で計上していたのですけれども、より精度を高くということで、売上原価で在庫の金額を割っております。

在庫の保有日数でございますが、52日というかたちでございます。これは対前年同期(資料の右側)で比べますと若干の改善でございますが、年度末(資料の中央)に比べますと、若干増えているということが言えます。

ただ、ここの主な増えた理由が製品在庫でございます。これは、実は(2017年)9月末に一部お客さまの製品が10月にスリップしたこともあり、9月の在庫になってしまいましたけれども、在庫水準としては健全さを保って、(2018年)3月末に向けて適正な数値にしていきたいと考えております。

それから自己資本比率でございますけれども、30.8パーセントということで、今は30パーセント台で止まっている状況でございます。

連結キャッシュフロー

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次のページ、8ページ目になります。キャッシュフローに関しまして、当社の前受金は長期性負債の意味合いが非常に強くございます。この四半期から、この資料上は財務キャッシュフローに含めております。

ここで何をしたいかと言いますと、より実情に近いところでのキャッシュを生み出す力が、どの程度あるのか。要するに、営業から生み出されるキャッシュフローがどの程度あるのかというのを、より実態に近いかたちでみなさまにご説明したいという思いで、こういうかたちで数字を多少変えております。

2017年の第1四半期、フリーキャッシュフローがマイナス37億円ありました。第2四半期は、売上・営業利益としては厳しいものがありますけども、キャッシュフローとしてはプラスに転じております。

2017年の上期を通じてはプラスになるということで、期末の現預金残高が668億円ということです。第1四半期の609億円に比べますと、約60億円ほど現預金残高が増えております。

ここまで、全体のPL・BS・キャッシュフローの数字の概要を説明させていただきました。続きまして、事業環境につきまして定性的ではございますが、この数字の背景も含めてご報告・ご説明させていただきたいと思います。

事業状況

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9ページ目です。事業状況を簡単にご説明させていただきます。この9ページ目の下に、グラフがあります。これは2016年の第1四半期から2017年の第2四半期までの、当社の売上高の推移を示したグラフでございます。今回から、実数でお示ししております。

それとパーセンテージになりますけども、それぞれのカテゴリーで区分しております。

具体的には4つに分かれておりまして、いちばん下が車載・その他(ノンモバイル)の商品。上3つがモバイルでございます。モバイルはビジネス規模も大きいものですから、地域別に分けておりまして、上が欧米・真ん中が中国・3番目がその他地域でございます。

この数字からも見てとれるかと思いますけれども、この真ん中の中国のモバイルの売上は、2016年第3四半期から第4四半期がピークで、そこから落ちていくという状況です。ここの背景でございますけども、ここに書きましたとおり、中国スマホの顧客向け販売が非常に厳しいという状況でございます。ここにつきましては、下期も非常に厳しい状況が続くのではないかと想定しております。

この中国スマホの需要、あるいは当社の販売が非常に厳しい背景には、以下の3つを挙げております。

1点目は、市場状況の様子見によるハイエンドパネルの需要が減速しているというところ。

2点目が、競合他社。とくに当社の場合、日本メーカーあるいは韓国のメーカーだけではなくて、中国のパネルメーカーとも競合しているわけです。とくに、この中国のパネルメーカーの価格競争が非常に厳しくなっております。こういった環境の変化が、当社の中国向けの一般事業に、大きな影響を与えると考えております。

それと3点目ですけども、主要顧客のOLEDの採用が増加しつつあるということでございます。

ただ一方で、逆に当社がこれから伸ばしていきたい大きな商品ラインナップとして、ここに書きました「FULL ACTIVE」というもの。すでに(2017年)10月に商品発表をさせていただきましたけれども、おかげさまで複数のスマホメーカーで採用、あるいはもう出荷・販売が開始しております。

これは当社としても、非常に大きな一歩ではないかと考えております。ある意味、OLEDに伍するだけのハイエンドの商品と考えておりまして、今はこういった商品が出始めている。ただ、今ちょうど、他のスマホメーカーに対しても商談をしているところでございます。実際に数量あるいは売上としてビジネスに寄与していくのは、今年(2017年)の後半から来年(2018年)に向けてと考えております。

次に、車載ビジネスでございます。今まで車載ビジネスに関しましては、鳥取で生産しておりましたパネルを使って生産・出荷をしていたわけですけども、やはり今後、高精彩のパネルが非常に需要が多いということで、LTPSを使った自社製のパネルの出荷販売を開始いたしました。これは、石川県にある石川工場で生産しております。

この車載ビジネスでございますが、ここに補足が書いてあります。先ほど申し上げましたように、2014年以降、モバイル事業は四半期ごとに需要あるいは供給が大きく振れまして、非常に当社としての技術が難しいところがあります。ただ、車載ビジネスに関しましては、2014年以降四半期ごとに売上が増収を重ねております。将来的には、当社の利益の柱になっていきます。

それから、車載・その他等におきまして、まだまだ売上の規模としては小さいものでございますが、新規市場に対する開拓も並行して進んでおります。

とくにウェアラブルという、LTPSを使ったスマートウォッチの販売が好調でございます。金額規模としては、先ほど申し上げましたようにまだまだでございますけども、新規市場ということでこういうところにも力を入れております。

あとDSC、デジカメについて。ここも、ハイエンドの一眼レフの市場は非常に堅調でございまして、ここについてのマーケットシェアは非常に高いものを持っております。これについては、引き続きリリースを続けていくというかたちでございます。

あとは、ハイエンドです。2in1と言われるようなハイエンドのノートブックPCに関しても、当社のLTPSを使った商品の出荷が開始されたということでございます。

2017年度ガイダンス

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次の10ページ目をご覧ください。2017年度のガイダンスでございます。今まで当社は必ず、翌期の売上と営業利益を開示しておりました。ただ、前回から開示せずに全体のガイダンスということで、2017年度、つまり当該年度の状況はどういったことかということを、ご報告させていただきました。

3ヶ月経ちまして、状況はほぼ我々が想定したとおりでございます。売上高につきましては昨年度の15パーセントから25パーセントの減ということです。これだけのボラティリティの高い事業体でございますので、15パーセントから25パーセントとなっておりますけども、この範囲内で2017年度は着地すると認識をしております。

それから、減価償却費は変わっておりませんけれども、設備投資です。これにつきましては、内部で設備投資を厳選して、当初700億円ということで計画しておりましたけども、一段の圧縮をいたしまして、現時点で650億円を予定しております。

一方で、研究開発費につきましては、OLEDの開発。これは非常に当社にとって、とても重要でございます。研究開発は今後とも、計画どおり進めていきたいと考えております。

中期経営計画達成に向けた取り組み

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11ページ目をご覧ください。中期経営計画達成に向けた取り組みということで、6点ほど挙げさせていただいております。これは前回、私どもの代表取締役会長CEOである東入來(信博氏)が発表した、中期経営計画に基づいたものの1つでございます。

まず、当社がやっていかなくちゃいけないこと。2017年度は、まずこの構造改革を完遂することを考えております。非常に市場環境が厳しいものですから、まずは自分の身をしっかりと筋肉質に作っていくといったところが、重要なんじゃないかなと思っております。

加えて、この経営改革の推進に向けた取り組みとして、(2017年)10月1日付けで社内カンパニー制を導入しております。

カンパニー制を導入することで、やはりカンパニーの中の意思決定が非常に速くなっております。会社の意識改革を含めて、成果はこれからだと思いますけれども、期待できると考えております。

それからカンパニー制に加えて、経営課題克服に向けて横節のCFT(クロスファンクショナルチーム)を今稼働して、実際の動きを見ております。7月から9月の間にチーム編成と課題の洗い出しをしまして、10月以降、その課題に向けたアクションを実際に開始したということでございます。

それから、FULL ACTIVEのさらなる拡販というところを、しっかりやっていきたいと考えております。

車載・ノンモバイル事業につきまして、今後ともにマーケティング活動を推進していくというのは、変わっておりません。

OLEDの量産技術の確立の加速ということで、冒頭に申し上げましたように茂原に設備を移設して、ここで集中して今、加速しながら開発を進めております。

最後に、グローバル企業とのパートナーシップ構築に向けた協議・検討の継続ということで、これも引き続き進めております。

構造改革進捗状況

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最後のページ、12ページになりますけれども、構造改革の進捗状況を簡単にご報告いたします。構造改革完遂に向けての取り組みは、計画通りに進行中ということでございますけれども、今回の構造改革(の内容を)前回の決算発表で6つ、挙げさせていただいております。

国内の前工程ラインの一部生産停止。ここにつきましては、2017年12月中に石川県にあります、能美工場の生産を停止いたします。予定どおり停止いたします。停止して、そのOLEDの一部生産設備はJOLEDで引き継いで生産をしていただくように、検討を進めております。

それから海外子会社、モジュール工程の子会社(の統廃合)でございますけれども、ここは関係者と今、非常に慎重に進めているところでございます。ここも詳細を差し控えますけれども、計画どおりに進めているということでございます。

事業用資産・遊休資産の減損でございます。ここにつきましては、今内容を鋭意精査中でございます。2017年度末を目標に、これについても損失を計上する予定でございます。

OLED試作ラインにつきましては、開発リソースを含めまして、茂原に集結しております。これで今、OLEDの開発を進めていく方向でございます。

棚卸資産の評価でございますが、評価損を第2四半期で116億円計上しております。これを入れることで、棚卸資産の健全化を図っております。

最後は人員の削減ということで、(2017年)11月から早期の希望退職の募集を進めております。それから一部、8月からも始めておりますけれども、管理職の賞与と給与の削減ということを進めております。

こういった活動を含めて、当社としましては構造改革をしっかりやりきり、2018年・2019年に向けてV字回復をしていく考えです。よろしくお願いいたします。以上でございます。

記事提供:ログミーファイナンス

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