2017年11月10日に行われた、東レ株式会社2018年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:東レ株式会社 代表取締役社長 日覺昭廣 氏

2018年3月期第2四半期決算説明会

日覺昭廣氏:これより2018年3月期第2四半期決算の概要と2018年3月期連結業績見通しについてご説明いたします。

2018年3月期第2四半期連結損益概要

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初めに2018年3月期第2四半期決算概要です。

当第2四半期の売上高は5,401億円、前年同期比12.8パーセント増収。営業利益は392億円、前年同期比11.2パーセントの増益。経常利益は370億円、前年同期比8パーセントの増益。親会社株主に帰属する四半期純利益は214億円、前年同期比9.6パーセントの減益となりました。

第2四半期累計期間の売上高は1兆482億円。営業利益は781億円。経常利益は768億円でそれぞれ過去最高となりました。

営業外収支

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営業外収支です。当第2四半期の営業外収支は、マイナス22億円と新規設備操業開始費用の増加を主因に、前年同期比で12億円悪化しました。なお、第2四半期累計期間では、右の表に示したとおり、マイナス13億円と前年同期比で11億円悪化しました。

特別損益

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特別損益です。当第2四半期の特別利益は5億円と前年同期比1億円増加しました。特別損失は36億円と、環境対策費の増加を主因に、前年同期比で22億円悪化しました。以上の結果、ネットの特別損益はマイナス31億円となりました。なお、第2四半期累計期間のネットの特別損益は、マイナス40億円と前年同期比で27億円悪化しました。

資産・負債・純資産、フリー・キャッシュ・フロー

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資産・負債・純資産です。9月末の資産合計は、棚卸資産や有形固定資産、投資有価証券が増加したことを主因に、2兆5,475億円と、2017年3月末に比べ、1,507億円増加しました。

負債合計は有利子負債の増加を主因に、1兆3,902億円と、2017年3月末比で936億円増加しました。

純資産合計は、純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、2017年3月末に比べて、571億円増加し1兆1,572億円となり、この内自己資本は1兆764億円となりました。有利子負債残高は、8,042億円となり、DEレシオは0.75となりました。

第2四半期累計期間のフリー・キャッシュ・フローは、マイナス794億円となりました。

設備投資額・減価償却費・研究開発費

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設備投資額・減価償却費・研究開発費です。当第2四半期の累計設備投資額は699億円となり、前年同期比で98億円増加しました。減価償却費用は467億円と前年同期比で28億円増加しました。研究開発費は312億円と前年同期比で26億円増加しました。

セグメント別売上高・営業利益

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セグメント別売上高・営業利益です。

第2四半期の3ヵ月間では、売上高はその他を除くすべてのセグメントで増収となり、営業利益は炭素繊維複合材料と環境・エンジニアリングを除くすべてのセグメントで増益となりました。

セグメント別業績(繊維)

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セグメント別業績の繊維セグメントです。売上高は2,217億円と前年同期比で9.5パーセント増収。営業利益は179億円と、前年同期比で6.4パーセントの増益となりました。

国内では、自動車関連など、産業用途で一部需要が堅調なものの、衣料用途は引き続き低調に推移する中、 各用途での拡販に加え、糸綿・テキスタイル・製品一貫型ビジネスの推進をはじめとする事業の高度化や、原価改善に注力しました。

海外では、中国や東南アジアで衣料用途の販売を拡大しました。また自動車関連用途向けや衛生材料向けは、総じて堅調に推移しました。

セグメント別業績(機能化成品)

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機能化成品セグメントです。売上高は1,995億円、前年同期比16.4パーセントの増収。営業利益は190億円、前年同期比35.2パーセントの増益となりました。それぞれの事業の状況について、次のページでご説明いたします。

機能化成品事業のサブセグメント別売上高

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機能化成品のサブセグメント別売上高です。樹脂・ケミカル事業は、自動車関連用途向けの出荷が国内を中心におおむね堅調に推移しました。自動車以外の用途でも、 ABS樹脂やPPS樹脂などの拡販を進めました。

フィルム事業は、リチウムイオン二次電池向けのバッテリーセパレータフィルムが、需要の伸長を背景に出荷を拡大したことに加え、スマートフォン向けなどの電子部品用途が好調でした。

電子情報材料事業は、有機EL関連材料の出荷が拡大しました。韓国子会社の高機能回路材料も出荷が拡大しました。商事も取扱高を拡大しました。

セグメント別業績(炭素繊維複合材料)

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炭素繊維複合材料セグメントです。売上高は421億円、前年同期比で14.5パーセントの増収。営業利益は48億円、前年同期比で24.2パーセントの減益となりました。用途別の状況について、次のページでご説明いたします。

炭素繊維複合材料事業のサブセグメント別売上高

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炭素繊維複合材料事業のサブセグメント別売上高です。

航空機用途は、航空機の最終需要が堅調に推移している中、サプライチェーンでの在庫調整は進んでいるものの、出荷は本格的な回復には至りませんでした。

スポーツ用途は、全般的に需要は依然として低調に推移しましたが、秋モデルの生産シリーズに需要を積極的に取り込みました。

一般産業用途は、圧縮天然ガスタンクや風力発電翼などの環境・エネルギー関連用途の需要が回復傾向となりました。

また、パソコン筐体等のコンポジットの販売が拡大しました。なお、原料価格の上昇や、競合激化の影響を受けました。

セグメント別業績(環境・エンジニアリング)

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環境・エンジニアリングセグメントです。売上高は585億円、前年同期比で16.2パーセントの増収。営業利益は25億円、8.6パーセントの減益となりました。

水処理事業は、国内外で逆浸透膜などの需要が、おおむね堅調に推移しました。 国内子会社では、建設子会社で建設事業や不動産事業が堅調に推移した一方で、エンジニアリング子会社で、エレクトロニクス関連機器の出荷が低調に推移しました。

セグメント別業績(ライフサイエンス)

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ライフサイエンスセグメントです。売上高は140億円、前年同期比で4.9パーセントの増収。営業利益は5億円、前年同期比で6.9パーセントの増収となりました。

医薬事業は、経口そう痒症改善剤レミッチが、6月からOD錠の販売を開始した効果もあり、出荷を拡大しました。

一方、既存薬のフエロンやドルナーの出荷は、代替治療薬や後発医薬品の影響を受けて低調でした。 医療機器事業は、ダイアライザーの出荷が国内外で堅調に推移しました。

営業利益増減要因分析(第2四半期累計期間)

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当第2四半期累計期間の営業利益増減要因分析です。

増益要因としては、数量増がプラス131億円。石化原料由来製品等の販売価格上昇がプラス104億円。その他費用差がプラス24億円。海外子会社の邦貨換算差がプラス21億円となり、合計でプラス280億円となりました。

減益要因としては、石化原料由来製品等の原燃料価格の上昇がマイナス199億円。営業費差がマイナス60億円。石化原料価格の影響を受けにくい製品の価格変動がマイナス3億円となり、合計でマイナス262億円となりました。

主要子会社・地域の収益状況(第2四半期累計期間)

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当第2四半期累計期間の主要子会社・地域の収益状況です。東レインターナショナルは、繊維と機能化成品事業が好調でした。

東レエンジニアリングは、プラント工事やリチウムイオン2次電池関連等の産業機器が好調でした。

東南アジアの子会社では、繊維事業が総じて堅調に推移しました。機能化成品事業では、ABS樹脂や、電子部品向けフィルム等が堅調に推移しました。

中国の子会社では、繊維事業が総じて堅調に推移しました。機能化成品事業では、樹脂コンパウンド事業、TPCH(東麗塑料(中國)有限公司)の販売は拡大したものの、原料価格上昇の影響を受けました。

韓国子会社では、繊維事業は国内事業の低迷と、競争激化の影響を受けました。機能化成品事業は、バッテリーセパレーターフィルム事業を2017年4月から東レ本体に吸収した影響で、前期までは国内子会社が海外拠点の業績も連結して開示していたものの、今年度からは海外子会社として新たに取り入れたことが増収増益の主な要因です。

2018年3月期連結業績見通し

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2018年3月期連結業績見通しです。第2四半期累計期間の業績動向、並びにプロジェクトAP-G 2019の進捗状況等を踏まえ、2017年5月10日に公表した見通しを据え置きます。10月以降の為替レートについては、1ドル110円を前提としています。

セグメント別業績見通し

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2018年3月期のセグメント別業績見通しです。期初見通しとの比較では、上期の進捗状況を反映し、繊維と環境・エンジニアリングの営業利益の通期見通しを修正しました。

設備投資額・減価償却費・研究開発費見通し

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設備投資額・減価償却費・研究開発費の通期の推移と見通しです。2018年3月期通期の見通しは、期初の見通しを据え置いています。

私からのご説明は以上です。どうもありがとうございました。

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