イグニス、新プロダクトで『ぼくドラ』依存脱却を図る 通期営業利益は0.8億円に

2017年11月14日に行われた、株式会社イグニス2017年9月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:株式会社イグニス 代表取締役社長 銭錕 氏

2017年9月期の総括

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銭錕氏:それでは、よろしくお願いいたします。2017年9月期の決算の説明をさせていただきたいと思います。まず2017年の9月期の決算の総括からなんですけれども、前期は幅広い分野に投資を実施してまいりました。そして新規・既存含めて、ストック型の事業が順調に立ち上がっていると考えております。総括としましては、中期計画実現に向けて、事業基盤の構築が完了したと考えております。

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第4Q累計期間(2016年10月~ 2017年9月)の総括

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数字のところを見ていただければと思います。前々期(2016年9月期第4四半期累計期間)に関しては『ぼくとドラゴン』のヒットもありまして、売上が55億8,500万円でした。ほぼ『ぼくとドラゴン』のネイティブゲームのカテゴリが、全体の構成比で言うと、90パーセントを超える比率を占めていたんです。

一方前期の、今回(2017年9月期第4四半期累計期間)の決算に関しては、ネイティブゲームはリリースしてから今、2年半が経ってきている状況ですので、やや売上自体は少なくなっている状態です。

コミュニティやその他の事業に関しては、かなり高い成長をしております。全体の構成比としても24パーセントほど、ゲーム以外の事業で売上を構成することができている状態です。前期の売上に関しては、前々期とほぼ同じ55億円に数字としては着地しているんですが、中身に関してはかなり内容が違ってきているということに、ご注目いただきたいなと思っております。

第4Q会計期間(2017年7月~ 9月)の総括

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第4四半期で見ても、コミュニティの事業に関しては、もう四半期ベースでも131.9パーセントの成長を見せておりますし、その他の事業に関しても大きく成長をしている状態でございます。(ネイティブ)ゲームに関しても、安定してこの水準を運用できているというような数字の進捗になっております。

売上高・営業利益の増減分析 -前年同期比-

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増減要因です。まず、「with」が非常に好調にグロースをしているというのは、プラス要因かなと考えております。『ぼくとドラゴン』は、リリースしてからかなり時間が経ってきておりますが、安定して運用できているのかなと思っております。

去年は『ぼくとドラゴン』をやっている株式会社スタジオキングが、消費税の免税事業者だったので、実際その消費税分がちょっと売上プラスオンで乗っている部分が、約4億円弱ぐらいありました。その分が少し、減少要因になっているかなというようなところです。

営業利益のご説明です。前々期(2016年9月期第4四半期)は営業利益が約15億円出ていたんですけれども、「もともと出ている利益を、全部事業の投資に回します」と宣言していたとおり、(2017年9月期第4四半期は)8,000万円で着地しておりまして、次の成長への種まきができたのかなと考えております。

あと、オフィスも1フロア増床したので、それ関連の費用も前期に発生しております。

経費についての分析

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各細かいコストです。ちょっとグラフを見ていただければと思います。急激に増えたものはそれほどないのですけれども、新プロダクトに対しての研究開発費が前期は増えているというところ。

あと、今まではゲームのプロモーションメインで広告費を使っていたんですが、「with」でも今積極的に新規の獲得を進めておりますので、広告宣伝費が増えているというような状態でございます。

コミュニティ事業 -『with』-

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前期の取り組みを、簡単に各事業ごとに振り返りたいなと思います。「with」に関しては、もう地道な改善をずっと続けていて、そこに加えて積極的なプロモーションを展開して、順調にダウンロード数(会員数)が増加をしている状態です。売上のランキング(資料の右側)に関しても、このように上位のランキングに定着するような数字の進捗をしております。

この事業は先ほど申し上げた、いわゆるストック型のビジネスだと考えておりまして、しっかりと我々がサービスを改善し続ければ、数字自体はまだまだ右肩上がりで伸びていく事業だと考えております。非常に順調に、成長している事業だと考えます。

ネイティブゲーム事業 -『ぼくドラ』-

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続きまして、『ぼくとドラゴン』なんですけれども。

『ぼくとドラゴン』は、今Androidでは少し売上自体は落ちてきているんですけれども、iosは引き続き、この(資料の右側の)ランキングの圏内で維持できてきているかなというような状況で、事業としては長期にわたって安定運用できているのかなと思っております。

積極的にさまざまな他社IPさんとコラボを実施して、キャンペーンを打つとか、新しいゲーム内の遊びの部分を追加して、引き続き安定運用をしていく事業となります。

ライフハック事業(IoT関連)-『mornin’』-

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ライフハック事業の、株式会社ロビットとやっている「mornin’」です。順調に販売台数は増えていて、3万台を突破しました。また、(2017年度)グッドデザイン賞を受賞しまして、今好調に販売が伸びている事業になります。

この「mornin’」の販売に当たって、イグニスはもともとアプリを作っていたので、いわゆる家電といいますか、物がある事業の流通やその他経験がないところを、この1年取り組ませていただきました。

今「mornin’」って、それこそ大手の量販店さんにもほぼ扱っていただいています。流通のチャネルですとか、そういった開拓ノウハウなども、得ることができた1年だったのかなと考えております。

ライフハック事業(フード関連)-『TLUNCH』-

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続いて、フードトラック。これは、新しい事業なんです。もともと1年半くらい前から仕込んでいたというか、ずっと投資していた事業なんですけれども。

事業の説明をした方がいいですね。場所のマッチングをやっている事業です。いわゆる大きいビルが、たぶんここの東京駅周辺も、いっぱいあると思うんですけれど。例えばその大きいビルで、ちょっとしたスペースに移動販売のフードトラックの事業者をマッチングする。

我々は、ビルのオーナーさまから場所を預かって、その場所をフードトラックの事業者さんにマッチングすることで、そこで「たまには温かいご飯を食べたいな」というニーズに対して、ビルのランチの方々にそういうサービスを提供するという事業をやっております。

これがこの1年半で順調に伸びてきていて、今日本でもいちばん大きい規模にまで、フードトラック・プラットフォームで成長してきているかなということです。

年間の流通総額です。前期(2017年9月期)は流通総額がまだ2億円ぐらいなんですけれども、かなりいいペースで成長してきている事業ですので、今後イグニスの事業の1つとして、成長を支えてくれる事業になるのかなと考えております。

以上が、2017年9月期で取り組んだ主要事業に関してのご説明になります。

今後の事業展開

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今期以降の今後の展開について、ご説明させていただきます。

もともと『ぼくとドラゴン』に非常に依存した状態で収益を上げていたんですけれども、先ほど申し上げたように、「with」ですとか、株式会社mellowの「TLUNCH」(フードトラック事業)ですとか、「U-NOTE」(メディア事業)ですとか。

そういったいわゆるストック型の事業が、かなりこの1年で伸びてきていると実感しております。

こちらの事業に関しては、今まで我々がやっていたアプリをたくさん作るとか、ゲームを当てていくといったタイプの事業よりは、堅実にしっかり目の前にあるやるべきことをやり続けることで、安定して右肩上がりに伸びていくという性質を持っていると考えています。

このストック型の事業をしっかりと伸ばしていくことで、会社のベースの収益・売上・利益が安定すると考えております。こちらに加えて、爆発力のある新規のプロダクトを投下していきたいと考えております。

それは、ゲーム事業の新作である『GK』ですとか、VR事業のパルス株式会社が投下するプロダクト。また、新しい事業もいくつか展開しようと思っておりますので、そういったところで爆発力のあるプロダクトも投下していきたいという展望を持っております。

成長のステップ(投資戦略)

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1年前の決算発表でも、同じ表を出したんですけれども。「(これまで)ゲームとコミュニティとメディアの事業だったところを、投資をして、事業のポートフォリオをもう少し増やしていきます。既存の事業も伸ばします」という話をさせていただいたんですが、ライフハック事業が立ち上がってきていると。

VR事業もやるべきことが定まってきている状況の中で、コミュニティ事業がしっかり伸びているという状況になってきております。

前期にかなり投資をしたので、今期に関してはどのぐらいさらに追加で投資していくかというところを、今慎重に事業の進捗を見て、判断をしたいと考えております。中期計画で出している2020年に向けてしっかりと成長していけるように、ジャッジをしていきたいと思います。

2020年までの収益目標

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今期の売上の予測なんですけれども、70億円で出させていただいております。

利益に関しては、先ほど申し上げたプロモーションコストですとか、これからリリース予定のプロダクトに不確定要素が多いために(いったん非開示にしています)。確定した予測が出せる段階になりましたら、ただちに利益も開示をしたいと考えております。なので、いったん今回は、非開示となっております。

2020年に定めた中期目標の、連結売上高150億円と連結営業利益60億円に関しては、そのまま据え置きとしています。

2018年9月期 事業計画

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事業の収益性のポートフォリオも、「『ぼくドラ』で生まれたキャッシュを、新規事業に使っていきます」ということは、1年前の決算資料でも出させていただいていました。その中から「with」の成長性が高く、売上に占める専有比率も高まっていますということで、マップがちょっと移動していると。

その他の事業に関しては、収益貢献できるように、矢印の方向に動かしていきたいという事業構造になっています。

コミュニティ事業 -『with』-

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今期以降の、各事業の展望です。先ほど申し上げたとおり、「with」に関しては非常に順調に伸びているんですが、さらに今後、「with」にしかない独自体験の機能をどんどん追加していく予定でございます。なので、いろんなタイプのマッチングアプリがあるんですが、「with」にしかない価値を提供し続けることで、成長を担保したいと考えております。

また、ユーザーさんが非常に増えてきておりますので、個別のユーザーさんのそれぞれのニーズに対して最適化されたパートナーを紹介できるように、マッチングのアルゴリズムに力を入れて磨いていきたいと考えております。アルゴリズムと独自体験の強化で、この「with」の事業をさらに伸ばしていきたいと考えております。

ネイティブゲーム事業 -『ぼくドラ』-

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『ぼくとドラゴン』に関しては、引き続きコラボのキャンペーンを他社のIPさんと一緒に、どんどんやらせていただきたいと考えております。また、機能の強化も順次検討していきたいと考えております。

ネイティブゲーム事業 -『GK』-

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新作のタイトルの『GK』なんですけれども、こちらに関しては開発が大詰めの状態です。リリースの時期に関しては未定なんですけれども、かなり大規模な人数で作っておりますので、がんばって開発をしている状態です。

メディア事業 -『U-NOTE』-

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「U-NOTE」に関しては、今までのメディア事業に加えて、転職にフォーカスしたメディアを始めました。こちらの人材紹介事業の免許も取得して、「U-NOTE CAREER」を伸ばしていきたいと考えております。こちらも、既存の転職メディアとは差別化された戦略を有した事業になっておりますので、これから成長が期待できると考えております。

VR事業 -パルス株式会社-①

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続いて、パルスです。パルスに関しては1年前(2016年)に立ち上げた会社で、実際に複数のプロジェクトを推進している状態です。この1年でいろんな事業を展開していく中で、我々が今認識している現状としては、VRに関しては、まず端末の普及台数がまだ非常に少ない状態にあります。

つまり、2011年・2012年のようにスマートフォンが急激に普及して、アプリを出せば買ってくれる人がたくさんいたというような市場の急成長の段階には、まだないと考えております。つまり、我々はVR市場が、まだ急速に立ち上がる手前にいると思っております。

ただ、今後は立ち上がると思うんですけれども、立ち上がる手前でもできる事業はありまして、端末の普及台数に依存しない事業をやっていきたいと考えております。

具体的に言いますと、やはりVRとしては、体験者に対して深いユーザーエクスペリエンスを与えることができるのが、特徴だと考えております。

そういった、端末は普及してないものの、(VR体験を)やった人はすごく感動する事業をやることで、ビジネスとしては成立するんじゃないかなと考えております。また、技術としてはAR・MRとか、そういった領域もかなり近しい部分になってくるので、このあたりも守備範囲に含めて、事業を展開していきたいと考えております。

VR事業 -パルス株式会社-②

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パルスの事業の1つの、去年(2016年)の12月末に発表した医療のプロジェクトです。もともと「(VR技術は)認知症に効くんじゃないか?」ということで、VR技術応用を順天堂大学の堀江教授と検討してきたんですけれども、ここにきて「痛みに対しての(軽減の)効果もあるんじゃないかな」と考えております。

つまり医療の現場において、痛みを抱えている患者さまに対して、薬ではなくVRコンテンツを用いて、痛みを解消していくような事業を検討しております。

こちらに関しては、臨床実験をもうすぐできるかなというところまで、今事業としては進んできているので、こちらをそのまま進めていきたいなと考えております。すごく渋い事業だと言われるんですけれど、この事業はVRの端末が普及しようがしまいが(関係ない)。極端な話、(プロジェクトを展開)してしまえば、関係ない事業だと僕は思っています。

なので、「なんでこんなことやっているんだろう?」とけっこう聞かれたんですけれど、VRの市場とかそういう状態を鑑みて、こういう事業をやっているとご理解いただければなと思います。

VR事業 -パルス株式会社-③

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続いて、VR×アイドルプロジェクトという事業になります。こちらは「VRアイドル」。もしかしたら、みなさんはあまり耳慣れないかもしれないんですけれども。

いわゆるVR上で活動するアイドルが、実は市場では増えてきております。そこを手がけている、株式会社岩本町芸能社という会社さんがあります。この(資料の)VRアイドルは、みなさんから見て左が「白藤環」、右が「鈴木あんず」です。岩本町芸能社さんがプロデュースしている、今非常に人気が出てきている2人組でございます。

我々はこの岩本町芸能社さんと組んで、VRアイドルの市場に対して参入をしていきたいなと考えております。我々が提供できるものとしては、技術的なサポートですね。VR関連の開発サポートですとか、AR関連の開発サポートですとか。

そういった、株式会社イグニス・パルス株式会社の技術開発力を活かして、岩本町芸能社さんの企画をサポートしていきたいと考えております。

岩本町芸能社さんは、来年(2018年)のバーチャルライブで年間動員人数世界一を目指している会社さんですので、我々もそこに対してできることをしていきたいなと考えております。これは、すごく楽しみな事業です。

ライフハック事業(フード関連)-『TLUNCH』-

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続いて、先ほどもご説明した株式会社mellowの「TLUNCH」です。こちらは、流通総額が今毎月毎月、いいペースで伸びております。引き続き場所を開拓して、パートナーさんにそこで営業活動をしていただいて拡大を図るということで、事業展開していきたいと考えております。

新規事業 -株式会社ロビット-

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続きまして、株式会社ロビットです。株式会社ロビットとは、先ほどの「mornin’」を売っていた会社なんですけれども。先日リリースを出しまして、大手自動車部品メーカーさんとの共同プロジェクトが始まります。これは「検査工程の自動化の検証について」という、ちょっとわかりづらいものなのですけれども。

どういう経緯でこういう事業を始めたのかというと、株式会社ロビットは、「mornin’」をほぼ自分たちで製造をディレクションしています。というのは、普通例えばベンチャー企業だと、「こういう商品を作りたい」という設計をした後に、製造とか量産工程においてのフローを外注できる会社さんに全部お任せするパターンも、小さい会社だとあるんです。

株式会社ロビットに関しては、そこを全部自分たちで、金型のパートナーの会社さんを見つけてきたりとか、組み立て工場の会社さんを見つけてきたりとか。もう製造過程においてのすべての工程を、自分たちが手作りで作ってきたというのがあります。

(「mornin’」を)3万台作っています。けっこうな数を作った結果、物を自分たちで作っている過程において、「製造過程に不便なことがいっぱいあるな」と感じたわけです。

例えば生産工程において、「この工程をもっとこうしたら自動化できて早くなるし、量産できるようになるのにな」みたいなヒントが、いっぱいあったんですね。その「mornin’」をやっていく過程で、工場の工程の最適化のヒントを見つけた。そういったところが、非常にビジネスチャンスとしては大きいんじゃないかということで、そこに取り掛かったと。

株式会社ロビットの強みは、ハードウェアとソフトウェアの両方を設計できるところです。例えば、目視検査である部品の不良品を検知するために、ハードウェア側でやらなきゃいけないことは、その部品1つの写真をいろんな角度から撮って、その状態を画像データとしてまず認識するところなんです。そこは、ハードウェア技術だと思うんですね。

そこの画像を撮った後の画像データをAIに食わせて、そこから異常を検知していくというのが、ソフトウェアのいわゆるアルゴリズムの世界になってくるんですけれども。これが両方できる会社さんって、そんなにないかなと思っていて。株式会社ロビットはたまたま、その両方をけっこう高い次元でできるチームが揃っていたので。

わりと、そういう大手の工場さんでも持っているような課題に対して、解決できる可能性を評価していただいて共同のプロジェクトが始まっているというのが、この事業を始めるに至った経緯になります。

なので、この事業はかなりポテンシャルもありますし、革新的な事業の1つかなと思っているので、これも今期以降の新規事業としてがんばっていきたいなと思っている事業です。

2018年9月期の目標

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まとめますと、2018年9月期以降は、ストック型事業の「with」「TLUNCH」「U-NOTE」とか、そういった安定して成長していく事業を、しっかり伸ばしていきますよと。これによって、会社の収益が安定していきます。

それに加えて『GK』「パルス」とか、そういった爆発力のあるプロダクトを投下していきたいと考えております。

さらに「ロビット」のような、先ほどご説明した工場の目視検査の最適化のような、可能性が大きい新規事業に関しても、引き続きトライしていきたいなと考えております。

以上が、2018年9月期以降の目標になっております。

資本政策

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さらに昨日(2017年11月13日)発表しているんですが、株式を分割しております。こちらに関しては、12月1日が効力発生日となります。

「次のあたりまえを創る。何度でも」

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以上、ちょっと駆け足になるんですけれども、次のあたりまえを創るべく、非常に充実した2017年9月期だったと(考えると)ともに、今期以降もご期待いただけるのではないかなと考えております。

私からの決算説明を終了させていただきます。ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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