日本郵政、上期純利益は前年比20.3%増も「満足のいくものではない」 料金改定を推進

2017年11月20日に行われた、日本郵政株式会社2018年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:日本郵政株式会社 取締役 兼 代表執行役社長 長門正貢 氏
日本郵政株式会社 専務執行役 市倉昇 氏
日本郵便株式会社 常務執行役員 立林理 氏

2018年3月期第2四半期決算説明会

長門正貢氏:長門でございます。本日はお忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。冒頭、私から3点だけ、簡単にお話をさせていただきます。その後、市倉と立林からご説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

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今年度(2018年3月期)はご案内のとおり、中期経営計画最終年度の3年目でございますけれども、同時に去る(2017年)10月1日には(郵政)民営化10周年を迎えたところでございます。この間さまざまな取り組みをしてまいりましたけれども、ご案内のとおり、直近でもいろいろ取り組んでいる最中でございます。

主だったところだけでございますけれども、1点目は、株式会社ゆうちょ銀行では、超低金利政策が続く中で、運用のさらなる深掘り。株式会社かんぽ生命においては、高齢社会に対応した保障性商品への注力。日本郵便株式会社では、23年ぶりにはがき料金の10円の値上げをさせていただくほか、「はこぽす」の増設等でエクスペンスのダウンも図らせていただいております。

その他、JPタワーに代表される不動産開発事業のさらなる展開等をやってまいりました。今後の10年、20年先を見据えていっそう強い成長戦略を描いていくことも、無論私たちのミッションと考えております。現在、成長戦略を具体的なかたちにして、みなさまにもお示しできるよう、来年度からの次期中期経営計画について、グループ内で議論を進めているところでございます。

2点目は、2次売り出しでございます。ご案内のとおりこの9月、当社株式の第2次売り出しを行いました。この売り出しに関しましては、お集まりのアナリストのみなさま・機関投資家のみなさまには、種々お世話になったことと拝察いたします。この場をお借りして、まずもって感謝申し上げます。

私自身も労働省で海外を回り、多くの投資家さまと数多く議論をすることができました。次期中計の策定にも、活かしてまいりたいと考えております。なお、今般の第2次売り出しに合わせまして、当社としては株主還元の強化等を目的に、自己株式を取得いたしました。追加して申し添えたいと思います。

3点目は、決算の状況でございます。今回の決算に関するアナリストのみなさまのレポートを拝見させていただきますと、「想定どおり」「堅調な推移」「サプライズなし」等の評価が多かったと感じております。「株価反転には材料不足」とのコメントもあったように記憶してございます。チームJPとして、郵政グループ一体となって、引き続き企業価値の向上に全力で取り組む所存でございます。

通期見通しに対する、中間決算時点での進捗率でございますけれども、ゆうちょ銀行・かんぽ生命ともに、50パーセントを超える水準で推移してございます。日本郵便につきましては、中間決算としては赤字ではございますものの、年賀はがき販売等の影響により、下期の収益ウェイトが高くなる傾向のビジネスモデルでございまして、上期としては想定どおりの水準と考えてございます。

結果、中間配当も予定どおり実施し、通期見通し・期末配当予定も変更はございません。下期についても、今回の中計達成に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと思っているところでございます。

それでは、市倉から発表をさせていただきます。

決算ハイライト

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市倉昇氏:それでは私から、第2四半期の決算の概要につきましてご説明を申し上げます。先週の火曜日(2017年11月14日)に発表・開示をしております。アナリストのみなさまにおかれましては、それぞれすでにご存じのことと思いますので、要点のみ簡潔に申し上げます。

資料の2ページに、決算ハイライトというページがございます。まずはこちらをご覧ください。数値につきましては、すでにご案内のとおりかと思います。真ん中の経常利益でご覧いただきますと、前年同期比で38.7パーセントのプラス。右側の親会社に帰属する当期純利益につきましても20.3パーセントのプラスということで、対前年同期比という観点では、増益でございます。

一方で、グラフをご覧いただきますと、前々期・前期・当期と並べております。前期(2017年3月期)に対しましては今申し上げたような増加率でございますが、前々期(2016年3月期)と比べますと、やはりそこにはまだ追いついていないのは事実でございます。

したがいまして、このページのいちばん上に「順調に推移」と記載をしておりますけれども、必ずしも、私どもとして満足のいくものではないと考えております。

日本郵政グループ 決算の概要

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次の4ページも、すでにご覧になっているページかと思います。改めまして、下の通期業績予想との比較のみ申し上げますと、(日本郵政グループの連結の)中間進捗率で、経常利益につきましては53.9パーセント、当期純利益につきましては45.0パーセントという進捗になっております。

今ほど社長の長門から申し上げましたとおり、日本郵便は下半期に利益が出てくるという構造になっております。計画に対しましては順調に推移していると考えておりまして、連結ベースでも、親会社に帰属する純利益の4,000億円は達成できるものと考えております。そういう意味で、通期の見通しに対しては順調と言ってよろしいかと思います。

郵便・物流事業 決算の概要

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以下、日本郵便の各セグメントにつきまして、こちらも要点のみご紹介をいたします。

まず5ページは、郵便・物流の事業になっております。右上の物数の推移でご覧いただきますと、トータルの物数ではマイナス1.7パーセントということで、若干の減少になっております。これは、赤い部分の「郵便」がマイナス3.4パーセントということで、これの影響が大きくなっております。こちらは、昨年(2016年)参議院選挙があったといった要因もございます。

また、「ゆうメール」は若干の増加、「ゆうパケット」を含みます「ゆうパック」が26.2パーセントと大幅に増加をしたということ。また、右下あるいは左の滝図をご覧いただきましても、営業収益ベースで244億円の増収ということです。こちらは、ゆうパック・ゆうパケットの増加に加えまして、(2017年)6月から実施をしております、はがきの10円の値上げの影響もございます。

以上により、営業損益ベースでは50億円の改善をしたという結果でございます。その差異の分析につきましては、左の滝図に記載のとおりでございます。この中で、「その他」でプラス53億円という数字がございまして、吹き出しがございます。ここの3つ(機器購入費・ユニフォーム購入費・不動産取得税)につきましては一過性のものでございますので、今後こちらの影響は薄まっていくと考えております。

金融窓口事業 決算の概要

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6ページ目は、金融窓口事業です。こちらもまず、右上の収益構造の推移をご覧いただきますと、緑の部分のゆうちょ銀行からの銀行手数料と、青い部分のかんぽ生命からの保険手数料が、それぞれ70億円強減少しております。その影響が大きく、右下の経営成績で(記載のとおり)営業収益で90億円の減収という結果でございます。

営業利益ベースでは10億円の減益にとどまっておりますけれども、減収は、私どもとしてはちょっと重く受け止めていると言ってもよろしいかと思います。

左に滝図がございます。こちらは郵便・物流と違いまして、いろいろなでこぼこといいますか、要因がございます。受託手数料が減っているというのに対しまして、人件費も減っています。この中には、保険の販売が減っているということに伴いまして、手数料が減っている部分、それに見合うかたちでの営業手当的なところも減っているといったものも含まれております。

以上により、(営業利益ベースでは)10億円(の減少)と、前期に比べまして若干の減益という結果でございました。

国際物流事業 決算の概要

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最後に国際物流事業、トール社(オーストラリアの国際輸送物流会社である、トール・ホールディングス)でございます。7ページをご覧ください。こちらは表の中で、百万豪ドルの単位と億円の単位との両方、記載をしております。増収減益という結果になっています。(資料の)右に、四半期(3ヶ月)単位の業績の推移というところで、今の状況をご理解いただくために作った表がございます。これをご覧いただきますと、右から3番目、2017年3月期第4四半期。今年(2017年)の1・2・3月。こちらがいわば、底になっているということです。

営業損益ベースでも、マイナス1,300万豪ドルということでした。今年の第1四半期(2018年3月期第1四半期)の4・5・6月につきましては、そこから少し改善をして、まだ900万豪ドルの営業損失・EBITDAのマイナスでございました。それがこの第2四半期、7・8・9月では、4,200万豪ドルのプラスということになっています。

またセグメントの中の事業別で見ましても、エクスプレス事業、それからフォワーディング事業といった、過去2つの3ヶ月の単位で申し上げればマイナスになっていたものが、プラスになってきているということで、右肩上がりという手応えを感じているところでございます。

対前中間期で見ますと減益というかたちではございますが、トレンドとしては、年度の見通しを十分達成できるものと考えております。

日本郵便(連結) 決算の概要 (まとめ)

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8ページは、今申し上げました3つのセグメントを取りまとめたものになります。この表の左の日本郵便(連結)のところで改めてご覧いただきますと、営業収益で465億円の増収。また、営業損益で147億円の増益ということでございます。上半期は122億円の営業損失でございますが、147億円改善をしているということになります。

右下の注にございますとおり、前中間期は、トール社に係るのれん償却額等が105億円含まれていました。そのため、実質的には147億円の改善とまではいかずに、まだ30億円ちょっとではございますが、全体としての改善の方向はこれで確認できるかなと考えています。

簡単でございますが、決算関係は以上でございます。今年度の取り組みにつきまして、日本郵便の立林から改めてご説明を申し上げます。

日本郵便-郵便・物流事業①-外部環境に鑑みた郵便・物流事業の取り組み

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立林理氏:立林でございます。私からは、2017年度の取り組み状況という中で、郵便・物流あるいは日本郵便関係のところについて、簡単にご紹介をさせていただきます。これまでの挨拶あるいは説明の中でも(述べたため)少し繰り返しになるところもございますけれども、まず19ページです。

私ども日本郵便の、とくに郵便・物流を取り巻く環境というのは、ここ数年来そう変わったものではございませんけれども、中間期ということで振り返って見てみますと、やはりさまざまな料金の改定、あるいは受取利便性の向上といった施策を取りながら、収益力を強化してきたというところでございます。営業収益のところに、昨年度と本年度の第2四半期の差異を付けさせていただいています。

一方で、人件費を主といたします費用面のコストコントロールです。どうしてもゆうパック・ゆうパケットの部数が増えていますので、当初の見通しよりは少し上振れていますけれども、ただこの収益の伸びということに関しては、コントロールができてきたのかなということです。

19ページの下のところ、売上高人件費率(折れ線グラフ)につきましては本年度(2017年度)の第2四半期で、66.9パーセントまで低下をさせていただいたというところでございます。

日本郵便-郵便・物流事業②-収益性向上のための料金改定

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20ページです。これももうご案内のところで、新しいことはございません。本年度は、とくに料金改定に積極的な注力をさせていただいているということで、(2017年)6月に、23年ぶりの第二種郵便物(はがき)の料金の改定を行い、こちらで300億円の増収。それから来年(2018年)の3月、ゆうパックの基本運賃の改定で80億円の増収と(見込んでいます)。

トピックス的なところは、このとおりでございます。

その下(灰色の部分)にございますとおり、また他の宅配の事業所さまも同じような動きと聞いてございますけれども、法人・大口の顧客に対します、いわゆる相対運賃の見直しの交渉につきましても、年度当初から交渉を継続してきているという状況でございます。

以上が、郵便・物流関係でございます。

日本郵便-金融窓口事業①-金融2社からの安定的な収益の確保

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21ページから22ページは、金融窓口関係でございます。先ほども説明にございましたとおり、第2四半期の時点でゆうちょ銀行、それからかんぽ生命からの金融受託業務の手数料が、若干昨年度から減っているというところは事実でございますけれども、21ページの左側の表でご覧いただきますとおり、年によってでこぼこございます。

今年度(2017年度第2四半期)はとくに、送金決済の件数、あるいはかんぽ生命の若干の営業不振というようなところもございまして、(銀行手数料と保険手数料を合わせると)5,000億円を少し下回っているわけではございますけれども、過去5年間を均していただきますと、ほぼほぼ堅調な動きといいますか、安定した収益を確保しているかなと思っています。

21ページの右下の、2つの円グラフでご覧いただいておりますとおり、(ゆうちょ銀行の)貯金獲得残高、それからかんぽ生命の新契約獲得元。いずれにつきましても、私ども日本郵便の郵便局が約9割というシェアを持って、いわばゆうちょ銀行・かんぽ生命とはこれからも一体として、信頼性に基づいた営業力というところを強化していきたいと考えています。

日本郵便-金融窓口事業②-トータル生活サポート企業への事業展開

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22ページは、それ以外のサービスについてのご説明でございます。ゆうちょ銀行・かんぽ生命以外のサービスといたしまして、毎回ご紹介していますけれども、いちばん左が不動産事業。こちらにつきましては、ほぼほぼ堅調に推移をしているという状況でございます。真ん中は、提携金融サービス。その他のアフラックさまのがん保険の伸び等により、昨年度に比べまして30億円の営業収益の伸びというところを記録しています。

(右側の)物販事業につきましても堅調な推移をしているということです。下の(提携金融)サービス取扱局にもございますとおり、やはりニーズのあるところではゆうちょ銀行・かんぽ生命の商品に限らずお引き受けして、ご案内をさせていただいているという状況でございます。

日本郵便-国際物流事業-トール社の経営改善策

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最後に、23ページでトール社の関係のご説明でございます。先ほど市倉の説明にもございましたとおり、この第2四半期は黒字で終わったということもございます。この経営改善の施策として23ページに、収益改善・コスト削減・シナジーと、3つ記載をさせていただいております。当面トール社といたしましては、④と⑤のコスト削減に注力をしているという状況でございます。

④の部門間のオペレーションの統合につきましては、右側にありますとおり、(2017年)7月1日に、従来の5つの部門から3つの部門に組織を統合いたしました。この統合に伴いまして、大幅な人員削減を予定していますし、現時点では当社の人員削減計画を上回るぐらいな勢いで、コスト削減策が着実に進展しているという状況でございます。

また⑤にありますとおり、トルコからは、国際フォワーディング事業としては撤退をしたというところもございまして、不採算事業からの撤退も進めてまいっています。こういったところで、いわゆるコスト面での改善効果というところが、第2四半期にはようやく少しかたちになってきたのかなと思ってございます。今後とも、当社の経営改善策をいっそう進めていきたいと考えてございます。

私から日本郵便関係の取り組みについて、簡単にご紹介させていただきました。

記事提供:ログミーファイナンス

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