今回の厚労省のデータで過去20年近いデータを振り返ると、男女計の賃金がもっとも高かったのは2001年の30.58万円となっています。アベノミクスと言われて5年近くが経ちますが、今回の厚労省の賃金データを見る限り、まだまだ労働者が手にしている賃金面では恩恵を受けていないというのが実際ではないでしょうか。

大学卒と高校卒で賃金でどこまで差が出るのか

大学・大学院卒の賃金は、「すべての企業規模」「男女計」「20~69歳計」で見た場合、37.17万円となります。ただし、企業規模別に見ると「大企業」が40.86万円、「中企業」が35.23万円、「小企業」が31.84万円となります。

ちなみに、ここでいう「大企業」とは「常用労働者数」が1,000人以上の企業です。また、100~999人は「中企業」、10~99人は「小企業」として分類されています。

また、常用労働者は「一般労働者」と「短時間労働者」に分けることができますが、今回のデータに関しては「一般労働者」について見たものです。

では、同様に高校卒で見てみましょう。上と同じ条件(「すべての企業規模」「男女計」「20~69歳計」)で見た際には、賃金は26.27万円。企業規模別にみると大企業で29.12万円、中企業で25.17万円、小企業で24.98万円となります。

こうしてみると、当然だという指摘もあろうかと思いますが「大学を卒業して大企業に勤務する」ということがより高い賃金を手にする近道といえるでしょう。

何歳が賃金を一番たくさんもらえるのか

では、年齢別に見ていくとどうでしょうか。