リクルートHDが2018年のトレンド予測を発表!

今年1年を振り返った「2017年〇〇〇大賞」の類が続々と発表される中、早くも来年2018年の流行を予測するイベントも行われています。

12月12日にリクルートホールディングス社が毎年恒例の「2018年のトレンド予測とトレンドを表すキーワード」を発表しました。これは、美容、アルバイト・パート、人材派遣、社会人学習、人材マネジメント、飲食、婚活、住まいの8領域における2018年の方向性を予測するものです。

まずは各領域のキーワード予測を見てみましょう。

発表された8つの領域におけるキーワードとトレンド

  • 美容領域:『来るスマ美容師』~高齢者のもとへ「スマイルを届けに来る美容師」が増加の兆し!~
  • アルバイト・パート領域:『年功助力』~戦略的にシニアを採用し、活かす企業が増加!~
  • 人材派遣領域:『熟戦力』~人手不足を背景に、実務担当の即戦力として定年後の人材を受け入れる企業が増加!~
  • 社会人学習領域:『まなミドル』~成長機会を求め、会社の枠を超えて学び始めるミドルが増加!~
  • 人材マネジメント領域:『ボス充』~生活を楽しみ、社外活動が充実している上司が企業においても活躍!~
  • 飲食領域:『ピット飲食』~軽い飲食で、役割と役割の間に気持ちを切り替える人が増加!~
  • 婚活領域:『お見せ合い婚』~オンライン上での多様な自己開示を通して、結婚をする人が今後増加!~
  • 住まい領域:『育住近接』~保育園や学童保育などをマンションや団地内に設置する住居が増加!~

働き方改革と高齢化社会に関連する予測が多い

いかがでしょうか。どれも現在の日本が抱える構造的社会問題(少子高齢化や待機児童問題など)、政府が推進する政策(働き方改革など)、日常生活での必須アイテム(SNSなど)が基になっているキーワードばかりです。

その中でも今回は「働き方改革」に関連する予測が多い印象です。『まなミドル』と『ボス充』は正にそれを表していますし、『ピット飲食』も会社の業務が終わってから学習(資格取得など。これは『まなミドル』)に取り組む前の“腹ごしらえ”という意味も含まれているようです。

ちなみに、こうしたトレンド予測を先取りする形で、資格取得に向けた専門予備校の1つTAC(4319)の株価は夏場から上昇基調となり、11月に入ってからは約3年ぶりの高値を付けています。

また、高齢化も大きなターゲットになっており、とりわけ、『来るスマ美容師』などは飽和状況に近いと言えなくもない美容師の新たな活躍の場になるかもしれません。

なお、各キーワード予測の背景については、リクルートホールディングスのプレスリリースを参照ください。かなり長い説明になっていますが、さすがによく分析・研究しているなと感心させられます。

昨年発表の「2017年のトレンド予測」を振り返る

ところで、冒頭にも記したとおり、同社が翌年の予測を公表するのは恒例となっています。ということは、昨年の今頃に2017年のトレンド予測を行っているわけです。

そのトレンド予測は的中したのでしょうか?

昨年発表した「2017年のトレンド予測とトレンドを表すキーワード」を振り返ってみましょう。公表されたものは以下の通りでした(昨年のプレスリリースはこちら)。

昨年発表された8つの領域におけるキーワードとトレンド

  • 美容領域『バーバー時代』~ビューティー・ファッション・カルチャー・コミュニティなど、新しい付加価値を提供するバーバー(理容室)が街に増加!~
  • アルバイト・パート領域:『パズワク』~個人のチカラをパズルのように組み合わせ活かしあう「パズルワーク」が広がる!~
  • キャリア領域:『ライフフィット転職』~企業と対話して、生活に合わせた働き方を実現する転職者が増加!~
  • 社会人学習領域:『子けいこパパ』~子育て参加をきっかけに、父親たちが学び始めた!~
  • 若年雇用領域:『育成枠採用』~入社後の「伸びしろ」が期待されて、希望業界・職種・雇用形態に転職する若年層が増加!~
  • 飲食領域:『おいし援』~おいしい日本各地の食材・料理を食べて、気軽に産地を応援する人が増加!~
  • 進学領域:『Live(ライヴ)ラリー』~アクティブラーニングを実践し、仲間とディスカッションや国際交流して相互に学びあう図書館が出現!~
  • 住まい領域:『リビ充家族』~リビングを最大化し、そこで各々が好きに充実した時間を過ごす家族が増加!~

ズバリ的中はないが、方向性は正しい?

改めて振り返ってみて、いかがでしょうか。正直なところ、“ズバリ的中!”というものは見当たらないような気がします。

しかし、『ライフフィット転職』、『子けいこパパ』、『育成枠採用』などは方向性としては決して外れていないように思われますし、『おいし援』も“ふるさと納税“の謝礼品を目的とした支援と同列と見れば、なるほどと納得させられます。

予測で重要なのは「方向性、傾向、趨勢、流行」

同社が発表する資料を見ると、「トレンド」の予測となっています。辞書によると、トレンドとは「方向性、傾向、趨勢(すうせい)、流行」を意味します。そのものズバリを予測するのとは異なります。

今回発表された「2018年のトレンド予測とトレンドを表すキーワード」が1年後、どのような結果になっているのか、そして、その方向性に間違いはなかったのか検証してみるのもいいでしょう。

LIMO編集部