現在、元横綱・日馬富士の貴ノ岩関に対する暴行事件や引退などがあって、ニュースで日本相撲協会が話題に上がっています。これまで相撲にはあまり関心が無かったという人も、最近はテレビなどで目にすることが多いのではないでしょうか。

では、そもそも日本相撲協会とは、どんな組織なのでしょう?

所属するのは力士だけじゃない

日本相撲協会は、「相撲界の伝統と秩序を維持・継承する」のを目的にした組織で、発足は1925(大正14)年にさかのぼります。大相撲の本場所と地方巡業の開催や、人材育成、後進の指導、相撲記録の保存、施設の管理・運営など、その業務は多岐にわたるといいます。

今年の10月には、同協会は2020年の東京オリンピック・パラリンピックの関連事業として、外国人や障がい者を招待した国際交流イベントを主催しました。国技館に訪れた約3000人の人たちに、日本の伝統文化として相撲を紹介したとのこと。

相撲協会には、力士だけではなく、力士を引退し年寄名跡を襲名した年寄と呼ばれる人々や、土俵で勝敗を決める行司、力士の髪を結う床山(とこやま)、力士の呼び出し・競技進行を行う呼出など裏方の職業の人々、運営を行う一般職員が所属しています。

具体的にどんなことをしているの?

日本相撲協会のメインとなる仕事は、年6回の本場所を開催することです。それぞれ1月、3月、5月、7月、9月、11月に東京、大阪、名古屋、福岡の4都市で行われます。この合間を縫って、地方各地での巡業が開催されているのです。

本場所のあとに、力士の成績を踏まえて、力士の順位表である番附(番付)の昇降を発表することも、相撲協会の役割。この番附を決定する番附編成会議は、本場所終了後3日以内に開催され、横綱・大関・十両昇進力士の番附がすぐに発表されます。そのほか、学生に対する相撲指導や、国技館の維持・管理運営も相撲協会の事業に入っています。

相撲界への絶大な影響

現在、ニュースなどで取り上げられている、相撲協会の理事会。協会の運営は、理事会の決議によって行われているため、日本の相撲界に対して絶大な力を持っている組織といえます。役員は、力士を引退した人たちで構成されており、協会に対して批判的な姿勢のマスコミからは取材を受け付けないなど、一部では「閉鎖的」といわれてしまっている現状もあります。

100年近く続く伝統を受け継いでいる日本相撲協会ですが、前述の暴行事件の影響は日馬富士の引退では収まらず、貴ノ岩関の師匠・貴乃花親方との対立なども連日、報道されています。今後の動きはどうなるのか、見守りたいところです。

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