2017年12月15日に行われた、いちごオフィスリート投資法人2017年10月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:いちご投資顧問株式会社 常務執行役 オフィスリート本部管掌 深澤真一 氏

決算ハイライト

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深澤真一氏:改めまして、深澤です。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございました。

早速ですが、2017年10月期(第24期)の決算説明を始めさせていただきます。

お手元の資料の6ページを開いていただけますでしょうか。決算ハイライトには、この(2017年)10月期をまとめさせていただいております。

まず、外部成長といたしましては、期初に3物件を総額70億円で取得しました。

昨年(2016年)・今年の4月期の資産売却と合わせて、資産入替が完了し、資産規模はネットで約24億円ほど純増いたしました。

入替による効果といたしましては、巡航EPU(Earnings Per Unit)。これは、私どもの定義ですが、1口当たり当期純利益から、1口当たり不動産売却益を控除したものを「巡航EPU」と呼んでおり、これが、約61円伸びたというところです。

内部成長につきましても、前期の好調を引き続き継続し、稼働率は、98パーセント台を維持することができております。増額改定・増額入替につきましても、件数・増額率ともに、好調に推移しました。内部成長によりまして、巡航EPUも52円ほど上昇しました。

財務につきましては、(JCRによる)格付(A-)の見通しが(「安定的」から)「ポジティブ」に向上しました。また、いちごオフィスとしては初めての投資法人債を、12億円発行させていただいております。物件の取得にあたりましては、借入余力を活用し、70億円の新規借入を行いました。

また、この期では10億円のローンの返済期限がきましたため、投資法人債で調達した資金を原資に返済いたしました。資金調達の多様化が進捗した期でございまして、借換を通じて、借入期間の長期化・金利の固定化がしっかり進捗した期であったと考えています。

このような取り組みにより、巡航ベースのEPUは前期比でプラス142円、プラス8.4パーセントと、しっかり伸びました。要因は、今申し上げたとおり、外部成長・内部成長の2つが、大きく牽引したというところです。

1口当たりFFO(Funds From Operations、現金収入)も2,430円と、前期比6パーセント以上伸びました。

FFOの向上が分配金の安定的な成長を支え、この期は、1口当たり分配金が1,930円。前期比プラス7円と、安定的な成長を遂げました。

1口当たり分配金と巡航EPUのギャップも、かなり縮小してきたところです。

また、1口当たりNAVにつきましても、既存物件の含み益が今期でプラス44億円と、しっかり拡大しており、8万1,155円になりました。前期比で3.6パーセントほど、伸びております。

決算内訳

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7ページ目に、決算の内訳で、具体的な数字を記載しております。

好調な中規模オフィスのマーケットをしっかり反映し、とくに稼働率が予想を上回ったことにより、増収増益となりました。よい決算を迎えることができております。

また、当初の予想と比べましても、しっかり上振れをしたというところです。主な要因としては、大きく3つあると思っています。

1つ目は、稼働率の上昇により、既存物件の賃料収入がしっかりアップしたところです。

2つ目は、予備的に計上していた修繕費が、思ったほどかからなかったというところです。

3つ目は、借換を通じて、金利コストの削減が図れたというところです。

このような要因によりまして、経常利益・当期純利益につきましては、(それぞれ)8,900万円ほど上振れいたしました。

1口当たり当期純利益は、1,824円となり、前期比で7パーセント近く上昇しました。

予定していた分配金を安定的に出せる水準になりましたので、当初予定していた積立金の一部を、将来の成長投資に回すといったかたちで、減額させていただきました。その結果、1口当たり分配金は1,930円で着地しています。

財務ハイライト

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8ページに、財務ハイライトをまとめております。

数字は(資料を)ご覧のとおりですが、投資主価値が着実に成長していることが、おわかりいただけると思います。

とくに、1口当たりFFOが、着実に伸びており、これが、分配金の安定的な成長を支えていると感じています。

足元の借入期間の長期化・金利の固定化を通じて、財務基盤の強化を進めています。これをしながら、金利コストの削減・借入余力を活用した機動的な外部成長をしっかり両立して実現できたことは、非常によかったなと思っております。

安定した分配金の成長 (連続増配 J-REIT No.1)

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9ページに、分配金の推移をまとめさせていただいておりますが、15期連続増配ということで、引き続きJ-REITナンバーワンを保持させていただきました。

今後も安定した分配金の成長、とくにその基礎となる巡航EPUの、継続的な成長を進めていきたいと考えております。

投資主価値の着実な向上(巡航EPUの成長)

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10ページですけれども、巡航EPUの成長を、簡単にまとめさせていただいております。

冒頭で申し上げましたように、(外部成長)資産入替・内部成長等が牽引いたしまして、(2017年10月期の巡航EPUは前期比)8パーセント以上の成長を遂げたというところです。

また、後ほど分配金の予想をご説明しますが、来年(2018年)の4月期・10月期につきましても、巡航EPUの緩やかな成長を見込んで運用しています。また、一時差異等調整積立金および配当積立金取崩につきましては、見直しをします。

来年10月期を目処に、現在期当たり2億円を取崩している、一時差異等調整積立金の均等取崩額。これを、現状の(投信協会)規則に基づく金額として、期当たり1億円500万円。これに今、段階的に変更して、そこで得た資金をさらなる成長投資に充てていく予定でございます。

(資料の)いちばん右側の2018年10月期(予想)です。これの一時差異等調整積立金および配当積立金取崩額を「70円」と記載していますけれども、これがまさにそのためです。巡航EPUの着実な成長を見込んでおり、活用方法を見直しても、分配金には影響を与えないため、ご安心いただければと考えております。

むしろ、成長投資からの収益貢献。これは、分配金予想には織り込んでおりませんので、むしろ潜在的なアップサイドになると考えております。

投資主価値の着実な向上(1口当たりNAVの成長推移)

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1口当たりのNAVにつきましても、(2015年4月期から2017年10月期までの)2年半で、28パーセント以上伸びています。こちらは、私どもが行っている、オフィス特化型ポートフォリオの発展・戦略的な資産入替を通じて、着実に資産価値が伸びたということだと思っています。

投資主価値の着実な向上(含み益の推移)

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12ページに、1口当たりNAVを支える資産価値の推移を、簡単にまとめさせていただいております。

(資料の)いちばん右側に、本期(2017年10月期)の状況があります。資産規模は2,000億円弱、含み益も約255億円で、しっかりと含み益が伸びたというところです。含み損益率(折れ線グラフ)も13パーセントと、ポートフォリオの厚み・安定感が、着実に出てきたと感じています。

稼働率、平均賃料単価の推移

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次に13ページで、足元の運用状況について、簡単にご説明したいと思います。

足元の運用状況につきましては、前期からの好調を引き続き受けて、(契約)稼働率は98パーセント台を維持。フリーレントにつきましては、(平均)月数がかなり低下しており、この(2017年)10月期の平均で1.7ヶ月程度で、経済的稼働率が上昇を続けているというのが、足元の状況です。

(資料の)右側に、平均坪単価(の推移)がございますが、都心6区を中心に、引き続き上昇トレンドです。この(2017年10月)期に、3物件取得しています。継続保有物件ベースで比較をしますと、都心6区の平均坪単価は1万6,900円で、しっかりと伸びています。

内部成長の進展 ①:既存テナントの賃料改定推移

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14ページには、既存テナントさまの賃料改定推移をまとめさせていただいています。

こちらも前期同様、好調が続いておりまして、この(2017年10月)期に改定を迎えたテナントさまの3分の1において、増額改定が実現したというところです。

平均増額率もプラス5.9パーセントと、前期がだいたい6.3パーセントのアップ率でございましたので、ほぼ同じ水準で推移しております。

(資料の)右側に、賃料改定による月額賃料変動の推移をまとめさせていただいておりますが、同水準で推移をしています。

内部成長の進展 ②:新規成約における賃料増額

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次に、15ページです。こちらは、新規成約における賃料増額で、新規リーシング時に80パーセント以上で、賃料増額(によるテナント入替)が実現したというところです。「いちご栄ビル」の1階・2階に、2区画を店舗としてご利用していたテナントさまが、この(2017年10月)期に退去するということで、埋め戻しを実施しています。

(資料の)右側のグラフのいちばん右側(2018年10月期)で、かなり突出している棒グラフを見ていただけるかと思います。5月1日から新しいテナントさまがご入居されるというところで、賃料が約40パーセント程度伸びたという実績がございます。

これにより、来年(2018年)10月期で、月額賃料として580万円に伸びています。収益貢献は来年の5月以降となりますが、かなり成果が出たと思っています。

とくに、私どものお客さまである中小企業さまは、最近動きが変わってきたかなということを感じています。「働き方改革」という言葉も一般的になってまいりました。テナントさまの中で、オフィス環境の質の向上を求めているということが、かなり強くなってきているように思います。

オフィス選定にあたりまして、経済条件よりもビルスペックやオフィス環境を重視するテナントさまが、かなり増えてきたと感じております。

景況感がいい中、テナントさまの賃料負担力が上がっている一方で、最近では、競合物件より我々の提示している賃料が高いケースであっても、我々を選んでいただけるというケースが増えてきているなと感じています。

しっかりとご評価をいただいていると実感しておりまして、今後もこの動きを続けていきたいと考えています。

2017年10月期 取得物件

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次に、16ページです。この(2017年10月)期に取得した物件です。

五反田(「ウィン五反田ビル」)、本郷(「いちご本郷ビル」)、大井町(「大井町センタービル」)と、東京都心部の物件を取得しています。とくに大井町につきましては、購入当初、稼働率が8割を切る水準でありましたが、我々の取得後、すでに100パーセントでリースアップが完了しています。

また、いちご本郷ビルにつきましても、取得当時は(稼働率が)100パーセントでしたが、その後解約が出て、すみやかに埋め戻しが完了し、しっかりバリューアップが進んでいます。

今期は、入替を通じてEPUの向上が実現できましたが、今後も工夫をし、投資主価値が向上する取得を進めていきたいと考えております。

ここまでが、足元の運用状況でございます。

「成長戦略ロードマップ」

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次に、「中長期的な成長に向けて」につきまして、ご説明したいと思います。

すでに(2017年12月15日時点で)2018年4月期に入っております。私どもは、2011年の11月に合併してから、すでに丸6年が経過しています。今は7年目ということで、「ステージⅦ」の運用が始まっております。

ステージⅦは、18ページの「成長戦略ロードマップ」に記載のとおり、「中長期的な成長に向けた基盤構築」を、目標として掲げております。マーケット環境に左右されない中長期的な成長を目指して、機動的に成長戦略を選択していきたいと考えています。

今後の具体的な成長戦略につきましては、アクションプランに記載のとおりでございますけれども、成長投資の資金をしっかり確保して、成長が見込める分野に資金を重点投資していきたいと考えております。

内部成長戦略につきましては、とくに戦略的なCAPEX(資本的経費)の実施によるバリューアップと、投資効率の追求を進めていきたいと考えております。

また、従来「戦略的なCAPEX」と言っていましたが、今後はよりわかりやすくするために、「価値向上CAPEX」と呼び方を変えさせていただきたいと思っています。今後、既存物件の競争力を高める再投資をしっかり進め、内部成長を促進させたいと強く考えております。

外部成長戦略につきましては、不動産市況が活況なのは、みなさまもご存じのとおりですが、我々もいい物件があれば資産入替・借入余力を活用した資産の取得等を通じて、外部成長を促進させていきたいと考えています。

また、売却するには非常にいい環境ですので、規模が小さく分配金にあまり影響を与えないもの・将来的に収益性低下の懸念があるもの・価値向上CAPEXをしてもなかなか投資採算性に合わないものなどが出てくれば売却をして、しっかりキャピタルゲインを出し、そのお金をまたさらに、再投資に充てていきたいと考えております。

とくに私どもは、税務上の繰越欠損金が、足元で47億円程度あるため、キャピタルゲインを出したとしても、これを活用して効率的に再投資ができるというところが、1つの強みでもありますので、これをうまく使っていきたいと考えております。

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財務戦略につきましては33ページに記載していますが、4月期以降、順次借入の返済期限が到来してまいります。しっかり、リファイナンスを進めていきたいと考えております。

引き続き、長期化と固定化を通じて財務基盤の強化をしっかり進めながら、投資法人債の発行等の工夫をし、借入コストの削減を進めていきたいと考えています。

また、引き続き(発行体)格付の向上を、しっかり進めていきたいと考えています。

着実なEPU成長を支える成長投資の拡大

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次に、19ページに移ります。先ほど申し上げました、成長投資の拡大を進めていくにあたりまして、任意積立金の活用の見直しを進めていきたいと考えています。

まずは、成長投資です。下にあります通り、テナントさまの利便性の向上に資する、価値向上CAPEX。あとは、優良な中規模オフィスがあれば、その取得。あるいは、投資口価格次第ですが、自己投資口取得を積極的・機動的に選択することで、成長投資を進めていきたいと考えております。

この成長投資を通じ、巡航EPUの成長・投資主価値の最大化を通じて、増大したキャッシュ・フローをさらに再投資に回すといった、成長の循環モデルをしっかり構築し、成長を進めていきたいと考えております。

任意積立金の活用方法の見直しにつきましては、(資料の)右側のボックスにある通り、従来期あたり2億円取崩していた一時差異等調整積立金の取崩額を、1億500万円に変更しました。あとは、その分配金に影響をおよぼすような一時的な費用や損失が発生したとしても、原則としては任意積立金等を活用せずに、成長投資に向けた資金に振り向けていくといったかたちで、成長投資資金を確保していきたいと考えています。

NAVも、先ほどご説明した通り、分配金予想にはすでに織り込み済みでございます。内部成長は力強く進捗しておりますので、分配金に大きな影響は与えませんということで、ご安心いただければと考えています。

着実なリースアップの推進

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次に、20ページです。内部成長の具体的なアクションプランについて、実例を交えてご説明をしたいと考えています。

まずは、(テナント退去に伴う)ダウンタイム。テナントさまが退去したあとの空室期間を、とにかく極小化していくと。また、フリーレントも極小化していくことで、期間収益の最大化を、丁寧に進めていきたいと考えています。

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31ページに、テナント入退去の推移を簡単にまとめております。この2018年4月期につきましては、ある程度まとまった解約が見込まれております。

我々としては、これを増額入替のチャンスと考え、しっかりリースアップをして、内部成長を実現していきたいと考えています。

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(20ページに戻って)まず実績といたしまして、いちご五反田ビルのご紹介をしたいと思います。直近で稼働率が6割程度まで低下しましたが、ほぼ埋め戻しが完了したという事例でございます。

五反田駅のロータリーに面し、非常に立地が良いものですから、私どもは、こういうビルには例えば、不動産会社さん・スクール系のテナントさま・人材派遣会社さま。こういった来店型のテナントさまがくるであろうということで、そのテナントさまをメインターゲットとして、積極的なリーシングを展開してきました。

それが奏功いたしまして、足元では全募集区画のうち、約85パーセントでリースアップが完了したというところです。すでに成約しているものだけで、約14パーセント、賃料単価がアップしております。

また、(資料の項目に)ダウンタイム・フリーレントとありますけれども、ダウンタイムは、ほぼなし。フリーレントにつきましても、平均して1.2ヶ月ということで、かなりうまくリースアップが進んだなと思っています。

ちょっと話は横道に逸れますけれども、実はこの物件周辺が、再開発エリアになっております。将来、再開発の可能性がある物件でございます。私どもは、そういった将来的な流動性確保という見地から、今回はすべてのテナントさまについて、定期借家契約を結ばせていただきました。

これの意味するところは、将来建物を取り壊して更地にするといった場合に、定期借家契約であれば、確実に更地化が進むということです。

普通借家契約になりますと、当然テナントさまとの交渉ごとにより、場合によっては時間がかかるといったケースもありますけれども、定期借家契約を結ぶことで、確実に更地化が進むというところでございます。

残りの賃貸借契約につきましては、普通借家契約のものもございますけれども、今回入替をした価格につきましては、すべて定期借家契約で結んだというところでございます。

価値向上CAPEXによるバリューアップ①

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次に、21ページ。先ほど、「とくに取り組んでいきたい」と申し上げた、価値向上CAPEXでございます。

今後の成長投資の柱として、価値向上CAPEXをしっかり実施することで、テナントさまの満足度と、私どもの収益性の両立を図っていきたいと考えています。

投資に対するリターンといたしまして、我々はIRR(内部収益率)で10パーセントという目線を持って、投資をさせていただいています。先ほど申し上げました、物件の競争力強化・テナントさまの満足度アップを通じて、内部成長もしっかり両立してまいります。

具体的な事例としては、まず大井町センタービルでございます。冒頭にご説明した通り、2017年10月期に取得して、当時は稼働が80パーセント以下だったものが、現状は満室というところでございます。

ご覧の(資料の)通り、エレベーターホール・トイレについて、取得後、速やかにリニューアルを実施いたしました。これにより、早期の成約が実現したというところと、想定していた賃料よりも高く賃料が取れたという事例でございます。

投資効果としては、900万円の投資額に対して、約330万円ほどのアップサイドとなり、ROI(Return on Investment)が、36パーセントとなりました。

また、(資料の右側の)「いちご神宮前ビル」でございます。これは、原宿の交差点から近くの明治通り沿いに所在する、私どものポートフォリオで最大のアセットですが、地下1階に、事務所のテナントさまがご入居されておりました。場所柄、1階・地下1階は店舗であろうということで、退去したあとに飲食店舗の誘致を計画して、テナントさま向けの動線をしっかり意識して、リニューアルした事例でございます。

地下1階へのアプローチ階段・地下1階共有通路に、店舗デザインを意識した改修工事を実施して、賃料アップを実現いたしました。

投資効果としては、1,600万円の投資に対して、アップサイドが230万円程度、ROIで14.2パーセントでございます。今後も、こういったものをしっかり積み上げまして、内部成長を促進させてまいります。

価値向上CAPEXによるバリューアップ②

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次に、22ページです。新しいテナントさま向けのサービスということで、「いちごラウンジ」をご紹介させていただきます。

価値向上CAPEXによるバリューアップ②(続き)

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お手元の資料23ページの平面図ですが、こちらは、「いちご東池袋ビル」のワンフロアを丸々リニューアルいたしました。平面図のとおり小区画に分割して、専用のレセプション、「いちごラウンジ」と呼んでいる専用のラウンジなどを、フロアのテナントにお貸しするサービスを予定しております。

(2017年)12月末に完成予定で進めているのですけれども、「いちごラウンジ」には打ち合わせスペースとソファー、モニター、プロジェクターといった簡単な会議ができるようなオフィス器具を置いたり、無料WiFiを設置して使っていただくことを考えております。

入居テナントのイメージとしては、IT関連のベンチャー企業、もしくはその他の中小企業、あとはサテライトオフィス、サードプレイスオフィスといったかたちで小区画を抑えている大企業もいますので、このような入居テナントをイメージして進めております。

さらに、スマートフォンを活用したスマートキーによるセキュリティシステムの導入も、予定しております。またオプションとして、テナントが希望すれば、従業員の入退出管理ができるようなサービスを提供しようと思っております。ハードの提供だけではなくて、入居テナントの総務・人事のサポートもサービスとして提供していきたいと考えております。

(先ほどの)資料の22ページに記載しておりますけれども、投資効果としては約2,900万円に対して、800万円程度のNOI/年増加額を見込んでおります。ROIも27.5パーセントを見込んでおりますので、しっかりと進めていきたいと考えております。

「いちごオフィス」ブランディングの推進

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さらに新しいサービスとして、IoTを活用した自転車シェアリングシステム「HELLO CYCLING」を導入しております。このサービスについては、写真の左側にあるとおり、「いちご恵比寿西ビル」などを含めて、今、都内に55箇所ほどステーションがあります。

基本的に従量課金制で、ステーション間で乗り入れをしていただくサービスでございます。最近では大手コンビニとの提携も発表しておりまして、今後ステーションの数が飛躍的に増えて、利便性の高まりが期待されております。

私どもいちごオフィスといたしましては、いちご恵比寿西ビルを含めて、4箇所のステーションを提供しております。テナントのみなさまには、割引料金を設定させていただき、専用料金でシェアバイクを利用できる独自のサービスを提供しております。ちなみに、初期費用はすべてオペレーターのご負担で、私どもの負担はゼロでございます。場所貸しということで、一定の使用料を収受しているということでございます。

先ほど申し上げたように、テナントの行動にも本当に変化が見られております。質の高いオフィス環境を嗜好する動きが今後も続くであろう中で、私どもオーナー側も顧客の方に新しいサービス、新しい働き方を提案していく姿勢が非常に重要だと考えております。

私どもいちごオフィスは、今後もこのような新しいサービスを提供して、テナントのみなさまに選ばれるビルオーナーを目指すこと・収益性を両立させていくことを、進めていきたいと考えております。

サステナビリティの推進

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続いて25ページですけれども、サステナビリティの推進ということで、10月期にはGRESB リアルエステイト評価における「Green Star」評価を取得いたしました。また(総合スコアでの相対評価による)「GRESBレーティング」(5段階)においても「4 Star」を取得いたしました。

環境認証の取得状況はご覧のとおりで、私どもの一連の取り組みがこのようなかたちで評価していただけるのは非常にうれしいと思っておりますので、今後も継続して進めていきたいと考えております。

2018年4月期 予想

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最後に、分配金予想でございます。まず来年(2018年)4月期の予想ですけれども、1口当たり分配金(DPU)は1,940円というところで、緩やかな増配を見込んでおります。期初に東京都心部で賃料単価の高い物件の空室がいくつかございますので、営業収益が若干の減収となりますが、ダウンタイムの短縮をどれだけ縮めていけるかということだと思っております。

今期はインセンティブ報酬が発生しないので、営業利益・経常利益は増益でございます。期末の想定稼働率は96.9パーセントということで、保守的に見積もりをしておりますので、こちらをしっかりと上げていくことで、トップラインを押し上げていきたいと考えております。

また今期のCAPEXトータルとしては、約6億円程度の予算を組んでおり、そのうち価値向上CAPEXとして、約1億6,000万円を見込んでおります。これをしっかりと再投資していくことで、内部成長を加速させていきたいと考えております。

2018年10月期 予想

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27ページ、に来年(2018年)10月期の予想を載せております。1口当たり分配金(DPU)は1,940円を予想しております。10月期の期末稼働率については4月末からの横ばいを想定して、保守的に予算を作っております。先ほどお話しした、いちご栄ビルの増額入替がこの期に効いてきますので、大幅な内部成長を予想しております。

賃貸事業費用として、10月期に取得した3物件の固都税の発生。あとは平成30年度に固定資産税の評価替がございますので、固都税の増加分を予算上織り込んで(予想を)作成しております。若干賃貸事業費用が増えておりますが、この費用増をしっかりと吸収して、増収増益を予想しております。

1口当たり当期純利益(EPU)は1,870円ということで、投資主価値は着実に成長しております。積立金取崩額は、冒頭に申し上げた規則にもとづく金額として、1億500万円を取り崩し、(1口当たり分配金)1,940円と想定させていただいております。

以上、簡単ではありますけれども、内部成長にしっかりとフォーカスして運用を行っていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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