クレハ業績回復の要因は?

11月8日に発表されたクレハ(4023)の2018年3月期・第2四半期累計(4-9月期)決算は、前年同期比+15%の増収、同+61%の営業増益、同+89%の親会社株主に帰属する当期純利益増益となりました。また、通期業績予想も新たに上方修正されています。

同社は、2016年3月期、2017年3月期と連続で業績低迷を余儀なくされました。しかし今期に入ってからは、次のような好転の兆しが見えてきています。

  1. 生分解性プラスチックとして開発されてきたPGA(ポリグリコール酸)について、シェールオイル掘削材料としての市場化が見え始めたこと。
  2. 赤字の続いた炭素繊維によるフェルト製断熱材が、中国での需要急回復により今期から黒字転換していること。
  3. 農薬除草剤については、同社がドイツの大手化学会社に出荷している除草剤原体の出荷が回復に転じたこと。

こうした改善・回復にNewクレラップの販売好調が加わり、業績が上振れる可能性が高いと予想されます。

今後の期待分野は?

同社の次の成長ストーリーは、電気自動車(以下、EV)関連材料の展開にかかっていると考えられます。カギとなるのは以下の分野における拡大です。

  • EVの電気回りに使われるエンジニアリングプラスチックのポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂「フォートロンKPS」
  • EVの肝であるリチウムイオン2次電池の電極(負極、正極)のバインダーに用いられるポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂「KFポリマー」

本稿は「個人投資家のための金融経済メディアLongine(ロンジン)」記事のダイジェスト版です。全文は以下からどうぞ(有料記事)。
>>クレハ(4023)の2018年3月期見通しは上振れ可能性大。EV関連材料に注目

 

LIMO編集部