宝くじより正夢に近い!? 東証1部のテンバガー(10倍株)銘柄とは

投資家の醍醐味、10倍株を探すには〜2017年版

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宝くじよりも当たりやすい? 「テンバガー」銘柄

「テンバガー(10倍株)」という言葉があります。株価が10倍になる銘柄という意味です。英語で「bag」は野球の「塁」のことで、ホームランを「four-bagger」と呼ぶことに由来するそうです。「two-bagger(二塁打=2倍株)」という使い方もできるようです。

「一生に一度はテンバガーに巡り会いたい」、「テンバガーは投資家の夢であり醍醐味」などと語られます。「宝くじ並み」と言えそうですが、実際に宝くじと比べてみるとどうでしょうか。現在、「年末ジャンボ宝くじ (第731回 全国自治宝くじ)」が発売されています。当せん金は、1等前後賞あわせて10億円です。1等(7億円)の当せん確率は2,000万分の1です。

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そう聞くと、「テンバガーを当てるほうがまだ楽」と思えてきます。12月21日現在、上場会社数は3,602社(うち外国会社6社)です。市場別の社数内訳は、第1部:2065(3)、第2部:516(1)、マザーズ:248(1)、JASDAQKスタンダード:710(1)、JASDAQKグロース:41(0)、Tokyo Pro Market:22(0)となっています(カッコ内は、うち外国会社)。

東証第1部に限れば、銘柄数は2,000社あまり。無作為に選んでも宝くじよりは当たりそうです。

東証1部上場企業の中にも「テンバガー」銘柄がある

実は、東証1部でも「テンバガー銘柄」はいくつもあります。2012年11月末の終値と17年11月末の終値を比較し、5年間で株価が10倍以上になっている銘柄を探してみました。

上昇率トップは、低価格ステーキ店『ペッパーランチ』などをFCで展開する「ペッパーフードサービス」(3053)です。最近では、『ペッパーランチ』に代わり、立ち食い店の『いきなりステーキ』が好調です。この5年間の同社の株価の推移は98円→7,040円と、テンバガーどころか70倍以上の上昇です。

ほかにも、東証1部だけでも30以上もテンバガー銘柄があります。ペッパーフードサービスを含む上位15銘柄は以下のようになっています。

  • ネット求人情報「ディップ」(2379)/48円→2,916円(59.8倍)
  • 医療機器商社「日本ライフライン 」(7575)/127円→4,980円(38.1倍)
  • 生産システムのエンジニアリング会社「平田機工」(6258)/398円→12,370円(30.1倍)
  • 工場などへの人材派遣・請負「アウトソーシング」(2427)/72円→1,972円(26.2倍)
  • 半導体、液晶関連向けの特殊ガス供給装置「ジャパンマテリアル」(6055)/152円→3,330円(20.9倍)
  • 家庭用美容健康機器「ヤーマン」(6630)/110円→2,037円(17.5倍)
  • 仮設建物販売・リース「シーティーエス」(4345)/52円→950円(17.3倍)
  • 半導体検査用ICソケット「山一電機」(6941)/137円→2,130円(14.5倍)
  • 建築・測量土木CAD「福井コンピュータホールディングス」(9790)/226円→3,345円(13.8倍)
  • エンジニアに特化した人材派遣「トラスト・テック」(2154)/267円→3,870円(13.5倍)
  • 電気設備工事大手「九電工」(1959)/370円→5,320円(13.4倍)
  • 人材派遣「フルキャストホールディングス」(4848)/154円→2,174円(13.2倍)
  • 企業パブリシティ支援「ベクトル」(6058)/112円→1,566円(13.0倍)
  • 半導体、液晶工場向け搬送機「ローツェ」(6323)200円→2,681円(12.4倍)

注:いずれもカッコ内は証券コード、矢印の前の金額は2012年11月末の終値、後は17年11月末の終値(出所:SPEEDA

すでに実績のある有名企業の中にも「テンバガー」銘柄が

「テンバガー」銘柄を発掘するにはどうすればよいのでしょうか。やはり、アーリーステージ狙いのほうがいいのでしょうか。2012年から17年までの5年間の東証1部「テンバガー」銘柄は31社です。その内訳を見ると、確かに、上場間もない企業も少なくありません。ところが、実績のある有名企業の中にも「テンバガー」が存在します。

上記に挙げた「九電工(1959)」(13.4倍)は九州電力系の大手設備工事会社ですが、最近では九電の依存度は2割弱となっており、首都圏や東南アジアでも事業を展開し業績を伸ばしています。同社の初上場は1968年です。50年近くたっても「テンバガー」になれるわけです。このほか、

  • インクジェットプリンターの「セイコーエプソン」(6724)241円→2,720円(10.3倍)
  • ディスプレイ企画・施工・運営の「丹青社」(9743)129円→1,430円(10.1倍)

となっています。

上場時はベンチャー企業でしたが、今や有名企業に育っている中にも直近で「テンバガー」銘柄になっているところがいくつかあります。

  • ゴルフ場予約やゴルフ用品販売の「ゴルフダイジェスト・オンライン」(3319)/80円→1,028円(11.8倍)
  • 中堅・中小企業のM&A仲介「日本M&Aセンター」(2127)/449円→5,610円(11.5倍)
  • クレジットカード決済「GMOペイメントゲートウェイ」(3769)/699円→8,260円(10.8倍)
  • 人事・人材コンサルティング「リンクアンドモチベーション」(2170)/80円→888円(10.2倍)

このように挙げていくと、「アーリーステージの企業か、実績のある企業か」と悩むところです。けっきょくは「テンバガー」銘柄を発掘するには「将来性がありながら割安なものを選ぶ」という投資のセオリーになってしまいそうです。ただし、アーリーステージに限らず、さまざまな企業でチャンスはあるという視点で臨むべきかもしれません。

下原 一晃

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下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。