楽観的な予想が当たった2017年予想、2018年はどうか?

IMF・IEAの見通し、びっくり予想を今年もチェックしてみた

楽観的な予想が多かった2017年予想

1年前の2017年1月20日付けの「投信1」の記事『妙に楽観予想が多い2017年の景気、そこに死角はないのか?』を読み返すと、タイトル通り楽観予想が多かったことがわかります。

また、こうした予想は外れることが多いものの、この記事に関しては比較的「当たっていた」ことになります。では、実際にどのような予想が行われていたのかを、改めて振り返ってみたいと思います。

IMFは楽観的な予想を示していたが結果はさらによかった

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まず、この記事では国際通貨基金(IMF)の世界経済の見通し(WEO:World Economic Outlook)が紹介されています。

このWEOは、世界の機関投資家から比較的注目度が高い予想ですが、1年前の予想はトランプ氏が大統領選を制してから初めての発表であることもあり、いつも以上に注目されていました。

その予想内容は、2017年、2018年の世界成長率見通しは、それぞれ+3.4%、+3.6%と、2016年10月時点での予想が据え置かれています。つまり、トランプ氏が大統領となっても、経済見通しへの影響はほとんどないと言っていたわけです。

さて、その結果ですが、2017年10月に発表された最新の予想では、世界全体の2017年の成長率予想は1月の予想からは0.2ポイント、4月と7月の見通しからは0.1ポイント引き上げられ、3.6%となっています。同じく2018年も0.1ポイント上方修正の3.7%が予想されています。

ちなみに、IMFは10月時点の予想で、2017年の米国、日本、中国、欧州、新興国、ロシアのすべての成長率見通しを前回予想よりも引き上げており、7年ぶりに全ての国・地域がプラス成長になる見通しを示しています。

一方、リスク要因としては、米国の規制、通商・財政政策といった予測が困難なファクターや、イギリスのEU離脱に伴う混乱、世界の中央銀行による早過ぎる利上げなどを挙げています。

このように、IMFの世界経済に対する見方は、昨年と同様にリスク要因を勘案しながらも楽観的な内容となっています。

原油価格見通しも“堅調”予想が当たった

次に触れられているのは、原油価格見通しです。

1年前の記事では、「2017年には需要の増加も見られることから、年後半には需要超過に転じる見通しであり、減産が合意通りに実施されればさらに需給が引き締まることとなるため、原油価格は堅調に推移する」というIEAの予想が紹介されていました。

その結果ですが、WTI原油先物価格は2017年年初に1バレル54ドル近辺でスタートし、6月に最安値の42ドルまで下落後は下値を切り上げての上昇が続き、直近では58ドル前後で推移しています。

最近の上昇の背景にあるのは、世界景気の回復に伴う需要の増加と、石油輸出国機構(OPEC)やロシアなど非加盟の産油国による減産の継続です。11月末には、2018年末までの減産措置延期が合意されていることもあり、2018年も原油高が進むという予想が増えています。

ちなみに、この記事では「こうした予想を前提にするならば、資源国が2017年の景気を牽引することも期待できそうです」とも述べられていましたが、実際に、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)が12月22日時点までに年初来で約28%上昇するなど、新興国市場の株価も好調に推移しました。

幸いなことに、2017年にはこの記事で指摘されていた「米国のシェールオイル増産、中国の景気減速、減産合意が反故にされる」などのリスクは顕在化することはありませんでしたが、2018年も、これらのリスクには引き続き注意を払いたいと思います。

「びっくり予想」は強気予想がさらに上振れ

この記事の最後には、毎年ウォール街で話題となるブラックストーン社のバイロン・ウィーン氏による「サプライズ10大予想」や、みずほ総研の「とんでも予想2017」について紹介されています。

バイロン氏の予想は、「米成長率が3%を超える」「S&P 500は12%高の2,500に上昇する」など、アメリカ経済に対して楽観的なものでしたが、12月21日に発表された7~9月期の米国の実質GDP(国内総生産)確定値は、季節調整済み年率換算で前期比3.2%増となるなど、予想通りの展開となっています。

また、S&P500種は12月22日時点で2683となっており、強気派の同氏の予想をさらに上回る上昇となっています。

一方、「とんでも予想」については、「ユーロ崩壊の連鎖、北朝鮮難民問題、10年周期の経済・金融危機、異常気象による食料不足の深刻化」などが指摘されていましたが、北朝鮮リスクが急速に高まったことを除くと、ほとんどが大きく顕在化することはありませんでした。

まとめ

このように、1年前に感じた「妙に楽観予想が多いが大丈夫なのか」という懸念は、2017年に限れば杞憂であったことになります。ただし、1年前と同じように、現在もマーケットは全体として、やや「楽観バイアス」がかかった状態にあることは確かなようですので、予想もできなかったことが突然起きるというリスクには常に注意を払っておきたいものです。

投信1編集部

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