投資ビギナー最注目は「つみたてNISA」

2018年、資産運用のトレンド[基礎編]

2017年もあとわずかになりました。「来年こそは自分の資産を増やしたい!」とお考えの方も多いと思います。そうした方に向けて、投資初心者が参考にすべき「対策と資産運用メニュー」を、資産運用の専門家で、ストーリー仕立ての投資入門書『隣の人の投資生活』の著者である、クレア・ライフ・パートナーズ代表・工藤将太郎氏に2回に分けて伺いました。今回は基礎編として、主に2つのテーマを解説します。

注目の「つみたてNISA」

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編集部:最近よく「資産運用」という言葉を雑誌やテレビなどで目にしますが、一般的には「投資」のほうが、イメージが沸くのではないでしょうか?

工藤:「投資」という言葉は、日頃から耳にするので非常にイメージのつきやすい言葉かと思います。そして、投資に非常に似た意味で使われているのが「資産運用」という言葉です。

基本的に資産運用とは、「自分の持っている資金や資産を活用して、お金を守り・増やしていくこと」を意味します。一方、投資は「株式への投資」「不動産への投資」などのように、ある1つの商品や仕組みへお金を入れて、増やしていくことを意味します。つまり、投資は、資産運用の中のいち手法に過ぎません。本来、多くの方が先に行うべきは、「資産運用」をどう始めるかを考えることです。

編集部:なるほど。では、2018年から投資を始めようという方に向いているものはありますか?

工藤:2018年に最も注目すべきは「つみたてNISA」と言っても過言ではありません。「NISA」という制度は皆さんも聞いたことがあるかと思います。

編集部:はい。テレビCMもしてましたね。従来の「NISA」とはどう違うんですか?

工藤:これまでNISAは、年間120万円の投資額に対する税金が、5年間非課税となっていました。これは累計600万円になります。一方、つみたてNISAは、年間40万円と少ないものの、非課税期間が20年と、長期にわたり非課税期間を設定できるようになっています。累計額も800万円と増え、つみたてNISAに適した投資信託を金融庁がルール決めしていることで、非常に安心して始められるでしょう。

▼ つみたてNISAと従来のNISAの比較

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編集部:つみたてNISAは長期的な資産運用に向いているということですね。

工藤:本来、投資信託や資産運用は、「長期・積立・分散」が根本のキーワードです。これまでのNISAは、資産運用を行うには非常に制限の厳しい環境下にありました。つみたてNISAが2018年から始まることで、それに合わせて、「長期・積立・分散」かつ「手数料が低い」資産形成に適した投資信託が選定されるようになります。
投資初心者でも、比較的簡単に低リスクで始められ、資産運用の第一歩には非常に適した制度かと思われます。

日経平均株価はまだ上がり続ける!?

編集部:テレビや新聞でバブル崩壊後の最高値をついに更新したと話題になった日経平均株価も、非常に気になります。株価についてはどう見られていますか?

工藤:日経平均が今後上がるか下がるのかを検討するにあたり、欠かせないのが、米国株価の推移です。よく、「株価や経済の勉強には、日経新聞を読め」と言われることが多いでしょう。もちろん日本国内の経済状態を知る上では、非常に大切な知識になります。しかし、日本経済の”今後”を検討する上では、日本国内だけの情報では不足していると言わざるを得ません。それは、日本経済は日本国内の動きよりも、海外、特に米国の経済状況の動きに、大きな影響を受けるからです。

最もわかりやすい、米国の代表的な指数(インデックス)には、「NYダウ指数」や「S&P500」指数などがありますが、特に「S&P500」に至っては、トランプ大統領が就任後、上昇を続け、過去最高値を更新し続けています。

編集部: その要因としては、例えばどんなものがありますか?

工藤:トランプ大統領が行なった政策で非常に大きな影響を与えたものが、「規制緩和」に関する大統領令です。簡単にお伝えすると、「1つ規制を増やす場合、2つ既存の規制を撤廃する。また、コスト増となる規制は認めない」というものです。これにより、米国内の規制緩和は加速度的に進み、企業や金融機関にとって非常に活動的な動きが可能になり、企業成長への投資が積極的になりました。これにより、各社の株価は軒並み上昇し、米国経済の成長を促しています。

米国経済と日本経済は、企業同士の密接な関わりがあるため、米国経済の成長は日本経済にもプラスに働きます。さらに、円安が進んだことにより、海外市場や貿易関係の企業は、売上も上昇し、日経平均株価の上昇を手伝っています。

編集部:株価上昇でいうと、昨年末は「東芝ショック」がありましたが、それでも日経平均株価は5年連続の上昇でしたね。これは何か理由があるんでしょうか?

工藤:実は、日経平均は、リーマンショック後、2012年末から2015年末まで4年間続けて連騰してきました。これが5年連続になると、バブル崩壊以降、最長連騰を記録するため、多くの投資家、特に海外投資家が、日経平均の下支えをし、2016年末の大納会時点での5年連騰を造り上げた、という説も存在します。

2018年以降も、日本経済が成長することで恩恵を受ける投資家は多く存在するため、6年連騰は、ほぼ確定のような動きですが、2018年の動きを見る上では、非常に注目すべき数値かもしれません。

「何を選べばいいか」がわからない……

編集部:つみたてNISAと株式投資について伺いましたが、何が最適なのか投資初心者には選択が難しいですね……。

工藤:そうですね。私にご相談いただいた方も同じように「何を選んでいいのかわからなくて、先に進めない」という悩みを抱えている方が多いですね。投資には「時間」というのも大きなポイントになり、先に進めない状況は投資効果を損なう可能性もあります。

編集部:最近、出版された『隣の人の投資生活』には、まさにこういった悩みを抱えている方が出てくるんですよね?

工藤:はい。これまでわれわれが接してきた相談内容を参考に、多くの人が経験する悩みや失敗を、ストーリー形式で読み進めながら解決する本になっています。特に初めて資産形成や投資を考える方にとっては、具体的な投資方法を学ぶ前に読んでいただくと、非常に参考になると思います。


■ 工藤将太郎(くどう・しょうたろう)
西南学院大学卒業後、日本生命保険相互会社入社。資産形成について知識を深めるとともに、自身でも積極的に不動産投資や海外投資を実践。2012年株式会社クレア・ライフ・パートナーズ設立、代表取締役社長に就任。

 


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2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。