海外出張が当たり前のファンド・マネジャーは、取材(企業訪問のことを業界では取材ともいう)や接待で、心身ともに疲れます。そこで、彼らは疲れた身体をひと休めさせるためにも、自身がリラックスできるホテルに滞在します。

そうしたホテルは施設も充実していて、仕事にもレジャーにも抜群のロケーションであることがほとんどです。いわゆる高級ホテルが中心となりますが、それは多少高くとも痒いところに手が届くようなサービスが期待できるから。仕事以外のことで煩わしい思いをしたくないときに選ぶのはうなずけます。まさに、時は金なりなのですね。

そうした彼らが、世界の主要金融市場である香港、ロンドン、ニューヨークで、どんなホテルに泊まっているかを紹介しましょう。

香港ではパシフィックプレイス(Pacific Place/太古広場)がオススメ

コンラッド香港(Conrad Hong Kong)

ヒルトン・ホテルのラグジュアリー&ライフスタイルブランドであるコンラッド。香港のコンラッドは一流ブランドが集まる巨大モール、パシフィックプレイスに連結しています。

このホテルの売りはロケーションもさることながら、ハーバービューの部屋から見渡すことのできるビクトリア・ハーバーや九龍湾の景色。加えて、朝食時の洋・中ビュッフェ、そしてフィットネスとプールといったところでしょうか。部屋にもよりますが、1泊3万円台ですからバカ高いといった感じはありません。

ジ アッパーハウス(The Upper House)

同じパシフィックプレイスの中にありますが、エントランスから長いエレベータを乗り継いでフロントにたどり着く、神秘的なホテル。

1泊料金がコンラッドの倍くらいしますので、当然満足感は高いでしょう。ロケーションもビューも最高なので、定宿にしている欧米ファンドマネジャーも多いと聞きます。あまり知られていませんが、ぜひ滞在したいホテルの1つです。

ロンドンは金融街よりグリーンパーク(Green Park)付近がおすすめ

ザ バークレー(The Barkley)

ピカデリーサーカスやナイツブリッジといった繁華街から少し離れた、ハイドパークとグリーンパークの間に位置するこぢんまりとしたホテルです。ベルボーイは昔ながらの燕尾服を着用して宿泊客を迎えるなど、好感度はかなり高いものがあります。

ホテル内には小洒落たバーもあり、仕事で疲れた後の一杯を楽しめます。ロンドンの老舗ホテルならここって感じですね。ただ、少々お高いのには目をつぶってください。

ロンドン ヒルトン オン パークレーン(London Hilton on Park Lane)

ロンドンでは珍しい高層ビルのホテルです。部屋からロンドン市内が一望できます。朝食をいただくレストラン(牛肉のソーセージが名物料理)も高層階にあり、ハイドパークを見下ろしながらの朝食は、1日の仕事のスタートとしてとてもやる気が漲ります。

ホテルの1階には「Park Lane Club」というカジノもあるので、お好きな方には好都合かもしれません。こうしたロケーションにもかかわらず、ザ・バークレーの半額程度とコスパに優れています。

注:ロンドンは物価が高いので、1ポンド=100円くらいの感じでないとまともなサービスが受けられません。また、食事は中国料理やインド料理を中心とするのがいいでしょう。それならば、まず間違いがありません(ほかの料理は間違いだらけです)。

ニューヨークは好みによってそれぞれ

ニューヨーク パレス ホテル(Lotte New York Palace)

マディソンアベニュー455に位置するホテルです。900室ですから大規模ホテルなのですが、サービスは細やかで、レストラン・バー/スパも完備していますので全く不自由はありません。

ロケーションも金融街至近で、徒歩でシティグループやブラックロックといったメジャーな金融機関に行ける距離感です。セントラルパークも近いのでジョギングするにも便利。食事もエンタテイメントもニューヨークですので何でもありです。

ウォルドルフ アストリア ニューヨーク(Waldorf Astoria New York)

老舗ホテルがお好きな方は、ぜひどうぞ。パークアベニューにどかん!と鎮座しているのが歴史を感じさせます。こちらも金融街に近く、スパやジムが完備し、すばらしいホテルです。

部屋数は1400室と、日本の帝国ホテル(東京)の約1.5倍の大規模ホテルですが、サービスは最高です。忙しいファンド・マネジャーにとっては、何不自由ない環境で仕事にまい進できるのではないでしょうか。ただ、昔は部屋の設備が古臭かったのがやや玉に瑕といったところでしょうか。

まとめ

疲れた身体でホテルに戻ったとき、NGなホテルでは疲れは癒されません。もちろんホテル選びは好みが出ますので、必ずしも万人向きではありませんが、海外旅行や出張される場合はぜひ参考にしてくださいね。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)