ERIホールディングス、上期は前年同期比で増収増益 土木構造物分野へ事業領域拡大を狙う

2018年1月17日に日本証券アナリスト協会で開催された、ERIホールディングス株式会社2018年5月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:ERIホールディングス株式会社 代表取締役社長 増田明世 氏

平成30年5月期第2四半期決算説明会

増田明世氏(以下、増田):おはようございます。ERIホールディングスの社長の増田です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年はトランプ政権や北朝鮮問題など、いろいろと騒がしい年でしたが、日本経済も順調に推移して、当社の株も3年ぶりに4桁に達し、明るい年明けを迎えられました。

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依然としてリスク要因もありますし、私どものメインの市場の1つである住宅市場が弱含みに推移していることもあり、今年は気を引き締めてしっかり課題の解決に向けて邁進したいと思っています。

それでは、上期の決算のご報告として、前半は数字をご説明し、後半は主なトピックス、そして中期経営計画の進捗状況をお話をしたいと思います。

平成30年5月期第2四半期サマリー

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まず、上期の決算です。

前年同期比では増収増益ではありますが、当初の見込みからすると、かなり物足りない結果でした。

去年(2017年)の4月から新しい業務としてスタートした省エネ適判業務(省エネ適合性判定事業)の効果が早々に出てくると、当初は見込んでいました。

価格改定ついては、大口のお客さまについては経過措置として実際の(改定後価格の)適用が夏以降になったり、すでに計画が進んでいる大型のプロジェクトには旧手数料を適用したため、効果が現れだしたのは、夏以降でした。

4月にスタートした省エネ適判についても、3月までに旧制度の省エネ届出をしている案件については、新たな適合判定を受けなくて良いという経過措置がありました。この影響が夏まであり、思ったより件数が伸びなかったのが、主に大きく影響したということです。

ただ、直近では想定どおりに進んでいますので、下期については、当初計画どおりに進んでいくと思います。

上期の大きなトピックスは、住宅性能評価センターを子会社化したことで、後ほど詳しくご説明します。戸建住宅に特化した、日本ERIと同様の確認検査・住宅性能評価の機関です。

上期には、そのBSを取り込んでいます。下期からPLを取り込んでいくため、合わせて通期の業績予想を修正いたしました。

業績ハイライト【連結】

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業績の数字です。売上高が58億1,800万円。前年比で3.8パーセント増。営業利益においては2億600万円で53.2パーセント増という結果です。

セグメント別実績【連結】

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次に、セグメント別実績です。確認検査、住宅性能評価及び関連事業、ソリューション事業、その他と分けています。

確認検査は、増収増益です。件数的には減っていますが、価格改定の効果もあり増益となりました。

住宅関連は、私どものメインのお客さまの大手ハウスメーカーさんが件数的に非常に苦戦していることもあり、減収減益です。

ソリューション事業は、既存の建物の検査とご理解いただければいいと思いますが、比較的順調に推移して、増収増益です。

その他は、先ほどの省エネ適判と省エネ関連、それからイーピーエーシステムという3月に買収した会社の売上が寄与して、売上は大きく伸びましたが、人件費の増加もあり、減益となりました。

市場の動向

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市場の動向です。私どもの会計年度に合わせて、6月から11月の累計の前年比です。

新設住宅着工は、全体でマイナス1.8パーセントと弱含みで推移しています。

持家は、大手ハウスメーカーさんが主体となっているものです。

貸家は、相続税対策の需要が一段落したため、かなり減っています。

一方で、分譲マンション・分譲一戸建が好調です。

今までの日本ERIの主戦場はマンションも含めた持家・貸家でしたが、分譲一戸建というのは、私どものお客さんがほとんどいなかったセクションでした。今回買収した住宅性能評価センターは、分譲一戸建をメインの市場としています。こちらは好調に推移しています。

市場の動向

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大手ハウスメーカーの受注状況です。

受注は件数・金額とも低調傾向です。大手ハウスメーカーさんは数量よりも、高機能・高価格帯の物件など、新たなところにシフトしはじめています。私どもの戸建の件数が弱含みで推移しているのは、残念ながら、こういうことが影響しています。

建築確認交付の内訳

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日本ERIの建築確認交付の、用途別の状況でございます。おしなべて、件数は減少しています。「その他」に入っている教育・宿泊など以外は、低調だということです。

ただ、値上げの効果もあり、基本的には増収になっています。

(資料のいちばん下を指して)こちらは、全国の確認検査(の件数)です。マイナス2.5パーセントで、やはり件数は減少していることがわかります。

売上構成比【連結】

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グループの売上の構成は、基本的に前期とあまり変わっていません。

確認、性能評価、(ソリューション、)その他の構成となっています。新築が9割を占めています。

今回、住宅性能評価センターがグループ会社になったことで確認、性能評価、新築のシェアが伸びます。今後は、ソリューション・既存の分野を伸ばしていきたいと考えています。

主要業務計数【連結】

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続いて主要業務計数についてです。

建築確認の件数、完了検査の件数、戸建住宅の設計評価、共同住宅の設計評価です。いずれも件数は減っています。

主要な施策【連結】

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日本ERIは強みである大型に注力していますが、大型も件数は減っています。ただ、値上げ効果が一番大きいので、プラスになっています。

戸建住宅の性能評価、長期優良住宅の審査と、住宅関係はかなり減っています。

耐震改修の判定事業、構造評定も一段落している状況です。

新規業務計数【連結】

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新規業務計数です。

確認とは別に、大規模の建物の構造のピアチェックをする構造適判という制度がありますが、その中でも簡便な構造計算のものは、確認機関にシフトしていくことになったわけです。これがルート2審査ですが、こちらは一段落しています。

仮使用認定も、一時的なものだと思いますが減っています。

法適合状況調査も、だいたい一段落していると思います。

BELSは、省エネ(建築物)のエネルギー消費量を第三者が評価して表示するもので、順調に伸びております。とくに住宅が伸びています。

連結財務諸表【資産の部】

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次は連結財務諸表です。

資産合計は62億3,500万円で、平成29年5月期末時点よりも、21億2,600万円増えています。この大半の20億2,700万円は、住宅性能評価センターを取り込んだものです。流動資産、固定資産ともに約1億円ずつ増えています。それから、のれんが増えています。

連結財務諸表【負債の部】

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負債合計は21億2,000万円で、住宅性能評価センター絡みで13億3,800万円増えています。それ以外は、買収にあたっての借入金が増えています。

平成30年5月期業績予想【連結】

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通期の業績予想です。

上期は下方修正しましたが、下期については住宅性能評価センターを取り込んで、修正を発表しました。

前回予想の売上高121億8,700万円から、今回は131億4,400万円に修正しました。

営業利益は残念ながら上期の影響でマイナス4,000万円と減って、5億9,500万円という計画です。

配当は、従来どおり30円をキープしていく方針です。

株式会社住宅性能評価センター株式の取得

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住宅性能評価センターについて、ご説明します。

手続き上はいろいろありましたが、(平成29年)12月に97パーセントの株式を取得しました。住宅性能評価センターは本社が新宿区にあり、日本ERIと同じく確認機関でもありますし、住宅性能評価機関でもあります。

性能評価には設計と建設がありますが、設計は図面上だけの評価です。その図面どおりできているかどうかを検査するのが、建設評価です。

住宅性能評価センターは、住宅性能評価の制度がスタートした時に、日本の住宅の安心・安全を確保するために建設も合わせた性能評価を普及させて、住宅メーカーさんに採用してもらおうと創業した会社です。

もともとの日本ERIグループの理念とものすごく合っているため、今回、縁あって取得にいたりました。

株式会社住宅性能評価センター株式の取得

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日本ERIと比較をしますと、営業拠点は日本ERIが全国34拠点ですが、住宅性能評価センターは北海道・中国・四国が薄く、12拠点です。

従業員は243名で、日本ERIの約4分の1です。確認検査員もこういう数字(113人)です。業務件数はERIの43,836件に対して(住宅性能評価センターは)23,758件と、約半分です。4分の1ぐらいの人数で、日本ERIの半分ぐらいの件数を扱っています。これは戸建を中心に手がけており、件数が多いためです。

株式会社住宅性能評価センター株式の取得

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特徴は大手のパワービルダー(PB)さん・地場のハウスメーカー(HM)さんがやっている、木造の分譲戸建を主体としていることです。

分譲戸建は、全体の市場が伸びています。このグラフの濃い青が住宅性能評価センター(SHC)の戸建の設計件数、薄い青が建設件数です。見てのとおり、件数が右肩上がりで伸びています。

かたや、日本ERI(グラフ中の緑の線)は、ほとんど横ばいです。

大手のHMさんが主体(のERI)と、大手のPBさん・地場のHMさんが主体の(住宅性能評価センターの)差が表れていると思います。

住宅性能評価センターのもう1つの特徴は、戸建住宅の電子認証に非常に力を入れていて、9割ぐらいは電子化しています。業界で初めて電子認証による確認をした会社であり、BIM(Building Information Modeling)を業界ではじめて活用した、その分野でリードしている会社です。

日本ERIは設計評価と建設評価をしていただいているお客さんが主体ですが、住宅性能評価センターも、(設計評価と建設評価を)セットにしていただいているお客さんを大事にしています。

グループを挙げて、建設までの評価をしていただくお客さんを増やしていくのが、わたしどもの願いです。

ドローンによる外壁調査

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続いて、トピックスです。ドローンによる外壁調査が非常に今注目を浴びていますので、お話をします。

不特定多数の人が利用する建物や、特定行政庁で指定する一定規模以上の建物は、3年毎に建物の劣化状況などを報告する定期報告制度が、建築基準法で定められています。

とくに外壁は、築10年経つと基本的には全面打診(調査)になります。足場を組んでコンコン(打診を)して、タイルがはがれてないかなどを調査しなければいけないのですが、実際に打診をするとお金も時間もかかります。

そこで、最近は赤外線サーモグラフィーのカメラを使った調査が増えています。

この原理は、外壁のタイルの浮き部分があると空気層ができます。外気温が上がっていくときに、密着している部分は熱が逃げるのですが、タイルが浮いているとそこの空気層がどんどん温まっていき、温度が高くなります。

それを利用して、まだ気温が上がっていない午前中に1回写真を撮り、気温が上がった午後にもう1回撮ります。

そのときに、温度が急激に上がっているところに不具合があるだろうと推測されます。

今までは地面にカメラを置いて外壁を写していたために制約があり、画角・角度が45度以上になってしまうとダメでした。敷地に余裕がない場合もダメで、使いづらいものでした。

しかしドローンを使うと、飛行できる空間さえあれば壁と正対して写真を撮ることができ、大概のことが可能なので、業界で初めてドローンを利用した外壁調査を行いました。

ただし(ドローンは)操縦しなければいけないという難点があります。パイロットは民間の資格もあって、国交省に届出するなどの必要もあり、パイロットの人手不足や養成の問題などがあります。

これをなんとか自動操縦できないかということで、去年、ソニーさんの子会社であるエアロセンスさんと共同開発して、自動飛行プログラムを開発しました。

1分半ぐらいの動画でお見せしたいと思います。(動画を指して)ドローンを自動的に飛ばすには、経路生成ツールを使って経路を作成します。パソコンの図面上で、調査対象の建物の外壁をクリックしていくだけで、自動的で壁面に沿ったドローンの飛行経路ができます。

二次元だけでなく、全体が見えるように三次元で表示することもできます。できあがった飛行経路は、ドローンと通信モジュールを介して接続され、やり取りを行います。

既に現場において、そのように設定したドローンが自動的に飛んでいます。赤外線と可視光線を同時に撮影できるデュアルカメラを搭載し、あらかじめ設定された飛行経路を飛行して、赤外線画像と可視画像を同時に撮影しています。

(気温が上がる前の)午前と(気温が上がった後の)午後のデータを得るために、膨大な量の写真を撮ります。それをクリックすると、壁全体のどこの位置かがわかる(壁全体の3Dモデルの生成が可能になる)工夫がされています。こういうことで、(外壁調査の)効率化を図っていきます。

ドローンの調査は、とくに行政が持っている特定住宅などで非常に需要があり、引き合いがたくさんきています。なんとかこれを取り込んでいきたいと思っています。

改正宅建業法(平成30年4月1日施行)

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続いて、最後のトピックスです。

今年(2018年)の4月に改正宅建業法が施工されます。新築と中古の販売量を見ると、欧米に比べて日本の中古住宅の流通量がよくないのはご存知かと思います。国として、売買時の物件の品質の不安を払拭して、既存住宅の流通を図っていこうという施策です。

このような背景で宅建業法が改正されるのですが、ホームインスペクション、いわゆる住宅診断がだんだん普及しています。これを仲介の場面で、重要事項の説明に組み込んでいこうということです。

1点目は、媒介契約締結時に宅建業者が、売主・買主にインスペクションを行う業者を紹介できるかを示します。ホームインスペクションをしたいということであれば、それに応じて斡旋をすると盛り込まれています。

2点目は、インスペクションしていれば、重要事項説時にインスペクションの結果を、宅建業者が買主に対して説明する義務があるということです。

3点目に、売買契約時に建物の現況を売主・買主が相互に確認して、その内容を宅建業者が書面で交付します。これが大きなポイントです。これによって、いわゆるホームインスペクションの本格的な普及が期待できるわけです。

ERIグループでは、子会社のERIソリューションが仲介業者最大手の三井のリハウスさんと業務提携をしており、すでに一定の物件についてはインスペクションしています。今後も普及を睨んで、ほかの大手の仲介会社さんと提携して、より体制を整えていくということが、課題になっています。

もう1点は、世の中には検査済証のない物件がたくさんあるのですが、検済(検査済証)のない物件についても、確認検査機関が法適合状況調査を行って、とくに問題がないといった報告書を出すことができるようになりました。

これも重要事項の対象にすることが推奨されていますので、こういった法適合調査についても、需要が出てくるのではないかと期待しています。

中期経営計画(2016年〜2018年)

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それでは、最後のパートです。中期経営計画の進捗状況をお話いたします。2016年度から始まって、今年度はちょうど(計画の)中間年度に当たります。

中期経営計画の要点は3点あります。

既存中核事業は、日本ERIや住宅性能評価センター、東京建築検査機構が扱っている確認検査や住宅性能評価などが、メインの分野です。新築の市場ですので、将来市場が低迷していくことは間違いありません。

その中でどうやって成長を確保・維持していくかがポイントです。他社さんも含めて、人材不足や技術者の確保、電子化などにきちんと対応できる機関が少ないこともありますので、業界のリーダーとして、そういったものに取り組み、シェアを上げていきます。

もう1つは、IT活用によって業務効率を上げることです。このように収益力を高めていくということが、大きな方針です。

新成長事業分野については、経営資源を積極的に投入していきたいと思っています。省エネ関連と建築ストックがメインとなりますが、新しい成長分野に注力していきます。

新規分野事業は、今までERIでは手がけていなかった周辺分野、とくに土木構造物分野のインフラストックにトライしてくのが、基本方針です。

既存中核事業の収益力強化①

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既存中核事業の収益力強化については、M&Aを行っていくのが基本方針です。実際に住宅性能評価センターを買収いたしました。

ただし、なにがなんでも買収するということではありません。やはり目指すのが同じ「安心・安全」の確保と、技術者の育成にきちんと取り組んでいこうという思いのある機関さん、そして日本ERIとは客層が異なる機関さんを狙っています。

そこにあてはまったのが、住宅性能評価センターであったということです。我々に次ぐ規模の会社ですし、これで競合他社の買収は基本的に一段落したと思っていますが、引き続き再編は加速すると思いますので、いい話があれば適切に対応していこうと思っています。

まだ進行中ではありますが、結果がどうなるかについて、昨年度までの確認検査のシェアから見てみます。折れ線グラフがシェアを示しています。平成28年度は7.8パーセントです。

下の(緑色の)ラインは4号建築物といって、木造の戸建です。これが、昨年度は4.3パーセントです。上の薄い青色のラインが1-3号建築物で、大きな建築物や鉄骨造・RC造の住宅がここに入ります。このシェアが、(昨年度は)17.4パーセントです。

これを見ると10年前(平成19年度)から徐々に増えていますが、ここ5、6年は微増か横ばいということで成長が止まっていますし、シェアの拡大ができていません。ただ、今年度、住宅性能評価センターを取り込んだとすると、計画値も含めて、こういったシェア(H29年度予測値部分)になっています。

とくに4号建築物が(平成28年度の)4.3パーセントから10パーセントに跳ね上がっています。1-3号は戸建に特化していますからあまり影響はないのですが、全体的には(平成28年度の)7.8パーセントから12パーセントと、大きく拡大します。

既存中核事業の収益力強化②

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次に(住宅)性能評価です。

薄い折れ線が設計評価のシェア、上の濃い折れ線が建設評価のシェアです。見ていただくとおわかりのように、このあたり(平成24年度付近)から下降線をたどっています。

大手ハウスメーカーさんの件数が相対的にシェアを落としている結果ですが、住宅性能評価センターを取り込んだことで、これ(住宅性能評価のシェア)も大きく跳ね上がります。

前年度、設計評価で18.7パーセントだったものが28.5パーセントに上がると見込んでいます。建設評価についても、(平成28年度の)21.4パーセントが33.7パーセントに上がると見込んでいます。建設評価のほうがシェアが高いのは、ERIグループに建設評価もしているお客さんが多いということです。

シェアを上げたからといって、直接的に1+1が2というようなシナジー効果はなかなか期待はできませんが、業界での影響力や他社との競争力が高まってきますので、収益力も上がっていくと期待しています。

既存中核事業の収益力強化③

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もう1つの中核事業の収益力強化の施策として、システムを強化して業務効率化を図ります。

もともと我々のグループにはシステム要員が15名ほどいましたが、なかなかそれでも追いつかないということで、先端IT対応を担っていくために、昨年3月に建築のシステム会社であるイーピーエーシステムを買収しました。

(同社の)12、3名の人員を使って、審査および検査、事務などの補助システムができあがりつつあります。

具体的には、住宅性能評価センターでは導入していましたが、タブレットを使った検査予約システムなどを、日本ERIもやっていきます。それから、審査補助にもデータベースを活用するなど、いろいろな工夫をしていきたいと思っています。

事務周りは効率化の余地がまだまだあり、今年度中にはシステムが稼働し始める予定です。

これによって業務効率化が図れ、ミスの予防や対顧客サービスなども充実していくと考えています。

もう1つ、BIM(Building Information Modeling)対応です。従来のように図面を紙ベースで描いてると、平面図を直すと立面図も直さければならず、審査確認でチェックを行うために非常に時間がかかっていました。BIMに対応すると、CADの図面データにさまざまな情報が入っているので、平面図を直せば一瞬にして全部の図面が連動して直ります。とくに構造計算書などに対応していくと、審査を省力化できます。

図面の少ない戸建については住宅性能評価センターも既に導入していますが、この効果が非常にあるのは大型案件だと思います。

ただし、大型(案件)については、大手設計事務所、それからゼネコンさんと共同でないとなかなか進まないので、去年から大手さんと組んで検討を進めてきました。今年度中に、テストを考えています。システムにかなりお金を投下して、業務効率化を進めていきたいと思っています。

新成長事業の投資拡大①-1

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新成長分野についてです。

1つの柱は省エネ分野です。やはりこれは、省エネ適合性判定事業に尽きると思います。

今は2,000平米以上の非住宅のみが対象です。昨年の4月からスタートしまして、最初は経過措置があったため、夏頃からようやく平常状態になったと思っています。

目標はシェア30パーセント以上と考えており、予定のシェアはだいたい確保できています。ただし件数は、想定よりも出てきていないと感じています。

新成長事業の投資拡大①−2

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国交省は(平成)32年、2020年までに全建物に義務化すると言っています。今後、対象が大幅に増えるということです。

今やっている2,000平米以上の非住宅は、全建物の件数で言うと、0.6パーセントしかありません。ですから、これが順次拡大していくと、膨大な数が出てくるということです。対応するのも大変になるわけですが、しっかり対応できるような体制を準備をしています。

新成長事業の投資拡大②

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最後に、もう1つの成長分野の柱であるストックについてご説明します。ストック分野は、基本的にERIソリューションが中心になり進めています。

日本の不動産ストックの規模は約2,500兆円で、年々、増えています。今はもっと増えていると思います。

これまでERIソリューションが手がけてきた仕事の対象が、こちら(左)の丸いグループです。法人の所有している不動産で、だいたい430兆円あります。

こちら(右)は、官が持っている不動産です。こちらは、あまり今まで手がけてこなかった分野です。

したがって、それを除いたところが、市場です。とくに大きいのが、法人所有の不動産の劣化・不具合についての、いわゆる第三者検査です。

例えば、マンションで話題になりましたが、杭の問題や、免震構造の問題などがあると、第三者に調べて欲しいという需要が増えます。地震のあともそうなのですが、それに限らず、いろいろな劣化調査や不具合調査をしています。とくにERIソリューションの強みは、法適合調査です。

先ほども、「検査済証のない物件がたくさんある」と申しましたが、今はコンプライアンス重視の世の中ですから、例えば、M&Aで相手の資産を買うときに調査の依頼があります。

工場や病院に関しても、完成時は合法でも、後に使い勝手を優先して増築したり、ひさしを付けたり、渡り廊下をつけたりしたケースで、(コンプライアンスについて)洗い直したいといったお話を、真っ先にERIソリューションにいただきます。こういうことがグループの強みになっています。耐震診断なども対象です。

また、今伸びているものが、エンジニアリングレポートです。これは証券化不動産が対象です。Jリートが20兆円で、スキームも含めると30兆円になります。いまは当然もっと大きく伸ばすことを目論んでいます。

とくに、Jリートのエンジニアリングレポートは、我々のグループのシェアは10パーセントを超えています。もっと力を入れていきたいと思っています。

それと、個人の不動産の部分で、先ほど申し上げたホームインスペクション、住宅診断です。戸建住宅がメインですが、ここはまだ、はじまった段階ということです。

ただ今後は、市場そのものが増えていきますし、政策等についてもフォローの風が吹いています。これをしっかり捕まえていきたいと思っています。

問題は、官が持っているここ(右)の部分です。

新規分野事業の事業領域拡大

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さきほど(27枚目のスライド)とはデータの取り方が多少違うので、金額は異なりますが、官の持っている資本ストック、インフラのストックです。

道路がメインです。トンネルや橋梁も入ってると思いますが、実は建物もあり、公共賃貸住宅です。学校なども、官のところに入っています。官が持っているということは、基本的には入札になります。

我々は今まで、入札案件を敬遠してきました。入札案件を取るには、一定のノウハウなども必要であるため、あまり参入してきませんでした。

しかし、先ほど申し上げたドローンの導入もあり、今後、まずは建物、住宅、それから官庁舎や学校などをターゲットにしていきます。建物の検査を広げていくためには、資格登録など、しなければならないことがたくさんあります。

もう1つは新規の分野の参入に関わります。建物は今まであった技術を応用できますが、(未参入の)土木関係のインフラのほうが(市場が)非常に大きい。

とくに道路です。この中のトンネル・橋梁の老朽化がすごく進んでいるのは、ご承知の通りです。トンネルの天井板の落下事故もありました。この点検・メンテナンスするには、マンパワーが足りません。行政も民間も足りないという実態があり、国も危機感を持って対応しているところです。

我々も同じ鉄・コンクリートを扱う調査という意味では、周辺業務ですので、こちらに参入していきたいと思っています。土木の資格も含めて、建設コンサルタント資格を登録しなければ参入が難しいため、その体制を準備しているところです。

人材の確保も、だいたいできています。来年度から本格的にスタートしたいと思っています。このように、中期経営計画の施策についてはすでに手を打っており、また、打ちつつあります。

この結果が数字になってあらわれるのは来年度以降かと思いますが、なんとか中期経営計画を達成したいと思います。

以上で、説明を終わります。今日はどうもありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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