住民税を滞納したらどうなるの? ”遅れてやってくる”住民税の注意点

所得税だけでなく、住民税のことも覚えておこう

毎年1月から3月にかけて確定申告のシーズンとなります。自営業の方はもちろん、会社員や専業主婦(主夫)の中にも確定申告される方はいらっしゃいます。確定申告で納税額が発生すれば所得税を納税して、還付金があれば還付を受けることになります。

住民税は何をもとに計算されるのか

確定申告をすれば所得税の精算は終わり、これで一段落と言いたいところですが、もう一つ肝心な税金が残っています。それが住民税です。

所得税が国に納税するものであるのに対して、住民税はお住まいの市区町村に納税することになります。それでは各自治体はどのようにして住民税の金額を計算しているのでしょうか?

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自治体が住民税の金額を計算するための資料は大きく分けて2つあります。

まず会社員の場合、会社は毎年1月に、その前年に各社員に支払った給与の金額を、それぞれお住まいの自治体に報告しています。そしてもう一つが税務署に提出する確定申告書です。

税務署と自治体は、定期的に確定申告書のデータをやり取りしています。自治体は、会社から入手する前年の給与の金額や、税務署から入手する前年の確定申告書のデータをもとに住民税を計算しているのです。ちなみに、会社員が確定申告書を提出すれば、基本的には給与ではなく確定申告書のデータが優先されます。

収入が大きく減る場合は住民税の納税に要注意

先ほども書いたように、自治体は会社から入手する前年の給与の額や、前年の確定申告書のデータから住民税を計算します。ここで重要なのは、いずれも前年の数字をもとに住民税を計算しているということです。

住民税は毎年6月から翌年5月が1つの期間となっています。たとえば、平成30年6月から平成31年5月の期間の住民税の数字のベースは、平成29年の給与や確定申告の数字ということになります。

お金を稼いでいるのは平成29年でも、その稼ぎに対応する住民税の納付は遅れてやってきます。転職や退職で大きく収入が減ってしまう場合でも、住民税の金額は基本的に変わることはありません。退職する場合などは、退職金の一部を住民税の納付のために取っておくなどの対策が必要な方もいるかもしれないですね。

督促は無視しないで、必ず自治体に連絡しよう

会社員の多くは給料から住民税の天引きが行われますが、自分で納付する人の中には、納付を忘れていた、お金がなくて納付できなかったなどの理由で住民税を滞納してしまう方がいらっしゃいます。

この場合、何度か自治体から督促というものが送られてきます。そして、この督促を無視し続けていると、財産や給料の差押え、つまり自由に使えなくなるということになってしまいます。

日常のお買い物で、代金を払わないで、督促も無視しているといつの間にか督促が来なくなった、なんてことはあるかもしれませんが、住民税はそんなに甘くありません。

何もせずに督促を無視していると、勤め先に通知が送られて給与の一部の支払いが止まったり、腕時計や車などの資産を没収されたりということも実際に起こります。さらに、滞納していると、その分の延滞金も取られます。

どうしても住民税が納められない場合は、自治体の住民税課で事情を説明して、納付の猶予が可能かどうかを確認しましょう。認められれば1年程度は猶予を受けることができます。

なにより、給与天引きではなく、個人納付の場合は、住民税の納付も念頭に置いてお金のやりくりをすることが、延滞金などの無駄な出費を防ぐためにも大切なことです。

渋田 貴正

ニュースレター

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渋田 貴正

税理士・司法書士・社会保険労務士

東京大学経済学部卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。
在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。