日本で「自動運転車」がまだできない単純な理由

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テレビのCMで、自動ブレーキや自動縦列駐車など、一部に自動運転の技術を搭載した車の広告が目立つようになってきました。自動車開発の最先端にある自動運転車は、これからどんなふうに実用化されていくと見られているのでしょうか?

普及予測はどうなっている?

自動運転は、現在、あらゆる自動車開発企業の注目を集めている技術です。世界屈指の経営コンサルティングファームである、アメリカのボストン・コンサルティング・グループによる予想では、自動運転車は2025年に1450万台普及し、その市場規模は約4.6兆円に達するとされています。

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さらに、アメリカの調査会社IHSオートモーティブの見立てでは、2035年の自動運転車の販売台数は、世界の自動車販売台数の10%を占めると予想されています。ただ、いまから17年後で販売数の1割というと、「熱い技術」だとされている割には、意外と少ないようにも思えます。

「自動運転」と名乗れない!?

日本の企業では、スバルの自動ブレーキ機能「アイサイト」や、日産の高速道路の単一車線での自動運転技術などが開発・改良され、一部はすでに市販車に搭載されています。

ただし、日本ではまだ法律的に「完全自動運転」が認められていません。つまり、免許を持っている人が常に運転席にいて車を操縦しないといけないのです。そのため、メーカーはこれらの技術を「自動運転技術」ではなく、あくまで「運転支援システム」といった名称で呼んでいます。

米国では一部市民がすでに利用

ご存じの方も多いと思いますが、自動車の開発とは無縁に思えたグーグルも、自動運転車の開発を行っています。グーグルは、世界トップレベルの人工知能技術を活用して、数多くのシミュレーションを行い、あらゆる状況下での最適な運転ができるように改良を重ねてきました。

アメリカの一部地域では、審査を通過した一般市民が、グーグルの開発した自動運転車を通勤や通学・買い物に使用できるようになりました。これについては、これから使用できる台数を増やしていく予定だといいます。実際の運転でのデータをもとに、さらなる開発を進めていくようです。

本格実用化は2020年代

自動運転車の本格的な実用化は、2020年代といわれています。その中で注目されているのが、物販を行うことのできる、いわば「自動販売の自動運転車」です。これは、トヨタが発表した事業計画で、スニーカーやピザなどの商品を載せた自動運転車が、街の中を走り、消費者がその車で買い物をすることができる、というものです。

例に挙げたスニーカーを載せた車は、車内で試着をすることができます。またピザを販売する車には専用の窯が搭載されていて、移動中の車中でピザを焼き、お客さんはできたての商品を楽しむことができるといいます。支払いの際にはモバイル決済も可能で、移動をせず、ほとんど手ぶらの状態で買い物ができる、と注目を集めています。

それなりに大きなトラックなどで実用化できれば、過疎地のお年寄りなど「自動車を運転できない層」の多い地域では重宝すると見られています。

東京オリンピックでも導入

この「自動販売の自動運転車」は、2020年代前半、アメリカをはじめとした世界各地で実証実験が始まります。さらに、東京オリンピック・パラリンピックの際にも、日本で導入される予定となっています。

これまでにない安全性を備え、さらに便利になっていく自動運転車のこれからに注目です。

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2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。