シリコンスタジオ、通期は減収減益で着地 新規3タイトル配信で巻き返しを図る

2018年1月26日に行われた、シリコンスタジオ株式会社2017年11月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:シリコンスタジオ株式会社 代表取締役社長 寺田健彦 氏

2017年11月期決算説明会

寺田健彦氏:シリコンスタジオ株式会社代表取締役社長の寺田健彦です。本日はお忙しい中お越しいただきまして、誠にありがとうございます。

私から2017年11月期の決算説明をいたします。

まず2017年11月期の概要を説明してから、2018年11月期の業績予想、そして成長戦略という流れで進めます。

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業績ハイライト

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早速ですが、2017年11月期の決算の概要です。すでに(2017年)12月に発表していますが、今期に関しては、非常に厳しい結果となりました。

前年同期と比較しても、非常に大幅な減収減益となっています。こちらに関しては、ご支援いただいている株主のみなさまに、大変ご迷惑をおかけしたということで、深くお詫び申し上げます。

この要因となるものはさまざまあり、大きく分けると事業の活動におけるもの、一過性のもの、経営判断によるものの3つです。

ハイライトは、こちらにそれぞれ書いています。詳しくは、各セグメントごとのスライドで説明いたします。

数字の面で見ると、大幅な減収減益で赤字の決算となっています。売上高が12パーセントほど減少しています。こちらは、後ほど申し上げる事業の譲渡等による影響もございます。

連結経営成績

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セグメント別に(売上高の推移を)見てみます。

開発推進・支援は、6パーセントほどですが増収しています。

コンテンツ事業は、大幅な減収となっています。こちらに関しては、事業の譲渡によるものの影響もございます。

人材事業は、順調に成長をしており、今期も30パーセントほど成長することができています。

事業別売上高の推移

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セグメント別の売上の推移を見ていただくと、このようになります。

開発推進・支援事業は、売上としては少し復調しています。

コンテンツ事業は、ここ数年ずっと減益減収の傾向を続けており、今期に関してはかなり大幅な減収となっています。

人材事業は、過去数年に渡り、順調に成長を続けています。

セグメント別売上高・利益

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利益で見てみます。

開発推進・支援事業は、増収しているものの減益となっています。こちらの原因に関しては、次のセグメント別売上高・利益のところでご説明します。

コンテンツ事業は、先ほど申し上げたように大幅な減収となっております。それにともなって、利益としても大幅な減益となっています。

人材事業は、順調に成長しており、増収増益で伸びている状況です。

セグメント別売上高・利益 ―開発推進・支援事業

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まず、開発推進・支援事業のセグメント別の詳細について、ご説明します。増収ですが、減益となっている要因がいくつかございます。

1つは、比較的大型の受託開発案件に関して、お客さまと相談の上、開発中止を決断したことです。こちらの負担の一部を我々がかぶっているかたちということで、減益となっています。

また、こちらのセグメントにおきましては、昨年(2017年)の途中で発表していますが、海外から「Enlighten」という製品を取得しています。これはミドルウェアの製品なのですが、このような新しい製品を導入するという決断を行っています。こちらにかかる費用は、当初計画より若干上乗せされていると思っています。

上のほう(17/11期実績)に戻ります。ミドルウェアライセンス販売に関しては、開発をともなう案件がございます。そちらに関して、案件の開発の長期化により、当期中の成約まで至らなかったため、対計画では残念ながら減収減益となっています。

ソリューション事業は、サーバーの開発および運営業務です。こちらに関しては、昨年以来ずっと続いている、ホスティング業務のクラウドへの移行によって、減収傾向が続いています。

そのホスティング業務以外の開発の部分は、我々の当期計画に必要な人員の確保をすることができず、残念ながら案件の獲得を見送るということになり、こちらも減収減益となっています。

一方で、明るい材料として、開発案件が順調に推移しています。先ほどの中止案件による影響はございましたが、それ以外の部分では順調に推移しています。

とくに、非エンターテインメント業界(自動車、建設etc.)向けの開発が、順調・確実に増加しています。その中でも自動車業界向けの開発が、2016年11月期に比べて2倍以上の伸びを示しており、今後も順調に伸びていくものと見ています。

先ほど申し上げたEnlightenという製品を取得したことにより、ミドルウェア全体の戦略見直しをしました。2017年11月期に開発していた「Xenko」という製品の資産部分を、一括償却するという決断をしています。これは、販売計画の見直しを行い、今後は別の販売の実施を検討していることによる償却となっています。

先ほど申し上げた開発中止の件と、こちらのXenkoの一括償却等の影響もあり、(セグメント利益の)減少としては、およそ3億7,600万円となっています。

今後の成長戦略につきましては、のちほどご説明申し上げます。

セグメント別売上高・利益 ―コンテンツ事業

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続きまして、コンテンツ事業です。冒頭でも申し上げましたが、『逆襲のファンタジカ』『刻のイシュタリア』という2つのタイトルを、マイネット社系列のS&Mゲームスへ譲渡しました。こちらの譲渡益に関しては、特別利益というかたちで持っているものの、営業利益ベースで見ると減収減益要因となっています。

それらを、新しいコンテンツにおいてリカバリーするというプランでした。しかし、2本リリース予定だったタイトルに関して、リリースが遅れています。その結果、リリースできたものが1タイトルで、もう1タイトルは翌期へ延期となっています。

(2017年)3月頃にリリースした『BRAVELY DEFAULT FAIRY'S EFFECT』は、スクウェア・エニックス社さんとの協業タイトルです。こちらに関しては、非常に好調なスタートを切ることができて、その売上も順調に推移しています。こちらは(コンテンツ事業において)明るい材料となっています。

一方で、もう1つの協業タイトルだった『テラバトル2』は、まず開発の遅延にともない、リリースが遅延いたしました。また、リリース後のサーバー不具合・システムエラー等の原因により、トラブルがずっと続いたことで、なかなか売上貢献ができない状態が続いています。

それにより、当初計画から比べると、かなり大きな減益要因となってしまいました。こちらのリカバリー策等につきましては、後ほど補足説明をします。

結果として、売上高は半減状態の15億6,000万円、営業利益はマイナス6億2,700万円となっています。

セグメント別売上高・利益 ―人材事業

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人材事業に関しては順調に伸びており、問題なく推移している状況です。

売上が30パーセント伸びているのですが、利益のほうがさらに順調に伸びています。一般派遣労働者数と人材紹介事業は、どちらも順調なのですが、紹介事業がさらに伸びていくことが、(売上・利益の成長の)要因となっています。

主要販売費及び一般管理費

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販管費の推移です。こちらに関しては、リリースタイトルが減少したことにより、広告宣伝費の減少等で、(全体としては)前期比で若干減った状態で推移しています。

連結財務状況

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連結財務状況です。大幅な赤字を出してしまったので、財務状況としてはかなり毀損しています。こちらに関しても、非常に申し訳なく思っています。

財務基盤の強化につきましては、現在検討中で、まだ発表できるものではございません。発表できる内容が固まり次第、すぐに発表したいと思っています。

連結キャッシュ・フロー計算書

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こちらは、連結キャッシュ・フロー計算書です。営業CFに関しては、さまざまな事業の未達により、このような数値となっています。

以上が、2017年11月期の結果となっています。

連結業績予想数値

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続きまして、2018年11月期の業績予想に入ります。

2018年11月期は、売上高で73億8,200万円を目指しています。

各セグメント別で見てみます。

開発推進・支援事業は(売上高が)30億3,400万円と、ほぼ横ばいとなっています。内容はのちほどの説明で補足しますが、こちらに関しては、より利益率の高いビジネスへの移管を考えております。売上高としては(2017年11月期と)変わらないのですが、利益貢献としては、かなり改善される見通しとなっています。

コンテンツ事業は、今期に新しく3タイトルのリリースを予定しているので、かなり大幅な増収を考えています。

人材事業は、従来どおりの成長率を維持できるものと思い、順調に推移すると考えています。

営業利益の面では、今期は開発途中の(新しい)3タイトルをリリースするので、営業利益面では若干黒字に達するという計画になっています。

FY18セグメント別施策

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各セグメント別の施策について、ご説明します。

まず、開発推進・支援事業に関してご説明します。先ほど、「売上高としては(前年と)それほど変わらないが、利益面で大きく貢献できるだろう」と申し上げました。これは、まず利益率を高める要因として、ミドルウェアの販売を伸ばしていくことを計画しています。

計画としては、冒頭で申し上げました、海外より取得したEnlightenを「Enlighten事業部」として独立させて、販売を強化してまいります。また、「自動車部門の非エンターテインメント業界向けの開発事業が伸びている」と申し上げました。こちらも安定的に伸びていく見通しができているので、新しく事業部を設立して、営業活動を強化してまいります。

そのほか、従来からあるミドルウェア製品に関しては、「Mizuchi」「YEBIS」といったものについて、非エンターテインメント業界向けでの利用が広がってきています。こちらに関しては引き続き、販売を拡大してまいりたいと考えています。

次に、コンテンツ事業です。先ほど申し上げたとおり、新規3タイトルの配信を予定しています。また、『テラバトル2』は出だしで少しトラブルを起こしてまいりましたが、(2018年の)春あたりに大規模な改修を予定していて、再度売上拡大を目指してまいります。

また、『テラバトル2』の中国版も、夏頃の配信を予定しています。『テラバトル』は、とくに台湾等で非常に人気があったタイトルですので、トラブルのないようにしっかりと準備した上で、(『テラバトル2』を)配信してまいりたいと思っています。

そして、人材事業です。こちらは順調に推移しているので、営業体制強化によって、さらに売上・利益ともに拡大してまいりたいと思っています。

開発推進・支援事業①

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先ほど申し上げた開発推進・支援事業の、それぞれ(の施策)について、もう少し詳しくご説明申し上げます。

まず、自動車業界向けの事業を「Automotive事業部」として独立させて、設置しました。この背景となるのは、自動車業界が非常にスマート化したことです。自動車がコンピュータ化して、さまざまなところでソフトウェアの技術が必要とされています。

とくに今注目されているのが、ダッシュボードと言われるメーター周りの液晶化の流れです。(当社では)HMI関連事業と呼んでおり、自動車がコンピュータのプラットフォームとして、非常に大きくなっていくという見通しを立てています。

このダッシュボードの液晶の表示がかなり進んでくるということで、リアルタイム3DCG技術への関心が、非常に高くなっています。当社にとっては長年培った技術ですので、非常に大きなビジネスチャンスとして捉えています。

すでに、業界でOEMと呼ばれている自動車メーカーやTier1のサプライヤーの製品開発が開始されており、そこを強力に支援している状況です。こちらに関しては、非常にビジネスチャンスだと感じているので、3DCG技術を活用したHMIソリューションを現在開発中です。

もう1つが、自動運転関連事業です。「自動運転がそろそろ実用化されるのではないか?」という見通しが、さまざまなところでニュースになっていますが、実際にその裏の技術・ソフトウェアに関しては、急ピッチで(開発が)進んでいます。

我々の先端技術の中には、これらの自動運転に関連する部分で、非常に役に立つものをいくつか持っているので、そのような面でソフトウェアの開発支援を行っていきたいと思っています。

これらの事業に関して、拡大を目指してまいりたいと思っています。

開発推進・支援事業②

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もう1つが、Enlighten事業です。Enlightenという製品は、イギリスのARMという会社が100パーセント保有していました、Geomericsという会社によって、開発されたものにです。そちらの製品のライセンスを獲得して、全世界での開発・販売・サポート権を取得しています。

ゲーム業界で、こちらの製品は世界のトップ企業に非常に高い評価を得ており、有名な海外の大手の会社に、たくさん採用されています。とくに、売上ランキング上位に位置するゲームが非常に多いので、技術的にも非常に高い水準のものであることが証明されています。

こちらを取得した目的および意図について、ご説明します。こちらに関しては、弊社のミドルウェア製品とのシナジー効果が非常に高いことと、我々自身の「海外での販売を伸ばしていきたい」という戦略にも合致するということで、取得しました。

取得後に、我々が手をかけて、Nintendo Switch向けの対応を進めており、そちらを採用したタイトルもすでに販売されています。

この製品の技術は、光の反射等を扱って間接光の計算をしてくれるものです。建築業界や映像業界においても、非常に引き合いが多くあり、こちらも非エンターテインメント業界向けの販売を伸ばしてまいりたいと考えています。

開発推進・支援事業③

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3つ目ですが、従来から弊社で使っている「Mizuchi」「YEBIS」という製品がございます。「非常に高い質感表現をできる」という評価をいただいていて、さまざまな製品開発で利用が拡大しています。「住宅」「自動車」「映像制作」など、非エンターテインメント領域での利用が、今後は拡大していくものと思っています。

これらの製品に関しては、海外で売れているEnlightenとの相乗効果で、海外での販売も伸ばしてまいりたいと考えています。

コンテンツ事業:新規配信予定タイトル①

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続いて、コンテンツ事業のラインナップについてご説明します。今期リリースを予定している3本のタイトルに関しては、すでに情報を公開しています。

1本目が、こちらの『療成敗! ジェットナース』というタイトルで、(2018年)春ごろのサービス開始を考えています。こちらは、男性向けコンテンツというかたちになります。

コンテンツ事業:新規配信予定タイトル②

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2本目が、(2018年)夏ごろサービス予定をしている『バレットパレード』というタイトルです。こちらは逆に、女性向けコンテンツです。1年半前くらいから、女性向けコンテンツが非常にランキング上位に上がってくることもあり、我々もこちらに対してタイトルを準備しております。

昨年(2017年)の夏ごろから情報開示をしていて、Twitter等ですでに1万人ほどのフォロワーがいるような状態になっています。夏に向けて、さらなるユーザー獲得を目指して、順調なリリースをしたいと考えています。

コンテンツ事業:新規配信予定タイトル③

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3本目が、『トリニティセブン』というタイトルです。こちらは、アニメのIP案件になり、アニメの人気を活かして、夏ごろのリリースを予定しています。

これらの3本の新しいタイトルを、計画どおりで遅れずにリリースすることを目指して、ただ今開発中です。

人材事業:高成長ペースは継続見込

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最後に、人材事業です。こちらは順調に伸びているので、現在営業体制等の強化をして事業部として独立させて、さらなる成長を目指しています。

成長戦略:今後の取り組み

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続いて、成長戦略です。先ほどの新しい事業を立ち上げることは、当然将来にわたって活用していくものですが、さらなる成長として、海外への進出をさらに強化してまいりたいと思っています。

また、ソリューションの欄にある、右の(矢印の)「収益源の多様化」という軸では、先ほど申し上げた車向けのHMIソリューションという新しいものを、現在開発中です。

海外の売上を伸ばすという点においては、先ほど申し上げたEnlightenに海外のお客さまが入っているので、そこをベースに、他の製品を伸ばしていきたいと思います。こちらのスライドの中に、「YOKOZUNA data」というキーワードがあるのですが、こちらも新しいサービスとして、現在リリースして推進しているものとなっています。

開発推進・支援事業①

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「YOKOZUNA data」について、少しご説明を申し上げます。こちらは、データサイエンスを用いた、ユーザーの行動分析を行うサービスです。いわゆる、ディープラーニングやAIを取り入れた製品になっています。こちら自身は(2015年)2年前ほどから開発をしていて、昨年(2017年)の6月から、一般にリリースを開始しています。

こちらの製品に関しては、さまざまなデータサイエンスの論文をすでに発表していて、すでに4本の論文が採択されています。しっかりとした確実的なバックグラウンドを持って、開発している製品です。

その中で、昨年の夏に開催された「IEEE 2017 Conference on Computational Intelligence in Games」のデータサイエンスのカンファレンスにおいて、NCSOFT社が自社のデータを提供して、「ユーザーの行動を予測してください」というコンペティションを開催しました。

2つの部門があり、その両部門で優勝することができました。これは、実際に運用されているゲームのデータでコンペティションを行ったので、実データでの正確性も正しいということが証明されています。

こちらは、ゲームに関するサービスです。ただ、もちろんデータがあればゲーム以外の分野でも使えるので、将来的にはゲーム以外のヘルスケアや保険の分野といったところでも、顧客獲得を目指してまいりたいと思っています。

開発推進・支援事業②

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こちらの概要は、ちょっと先ほど申し上げてしまったのですが、ユーザーの行動予測を行う機械学習のエンジンという製品です。こちらの特徴としては、もちろん将来予測をしてくれるものではありますが、数百万のユーザーに対して、すべて個別に予測します。

データサイエンティストが一人ずつ(予測を)やっていくということも、もちろん可能ではあるのですが、当然ボリュームが非常に大きいです。そのため、数百万のユーザーを一瞬で予測してしまうことが、(YOKOZUNA dataの)売りとなっています。効果としては、さまざまなゲームの継続率向上・売上予測・レコメンド機能を搭載しています。

このサービスを利用するメリットは、やはり専門家に頼っていた分に関して、サービス提供ができるというところです。このような新しい製品を、今後は拡販してまいりたいと思っています。将来はこれらをもって、2018年度の黒字と今後の成長を目指してまいりたいと思っています。

以上で、私からの説明といたします。ご清聴、どうもありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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